にらレバライター、BEEK DESIGN スタッフとして編集・デザイン業に勤しむ。元地域おこし協力隊・青少年育成プラザMiacisスタッフ。1991年生まれ。韮崎高校出身。音楽・サウナ・お寿司が大好き。
2019年1月13日、韮崎市の成人式で新成人にプレゼントされた冊子『アダルトニューニラサキ』。
今年で2冊目の発行となるこの冊子は、まちのひとの思いがいっぱいに詰まった特別な冊子です。
「市からのプレゼントにしては攻めたデザインだな〜〜」と思う方も多いかと思いますが、実はわたくし、にらレバ編集長の窪田が編集・デザインをさせていただきました!
にらレバが生まれる元となったとも言えるこの冊子のことを新成人以外のみなさまにもぜひお伝えしたいと思い、今回は記事を通して紹介させてもらうことにしました。
そもそも”アダニュー”ってどういう意味?
奥にあるのが2018年バージョンです
『アダルトニューニラサキ』略して”アダニュー”。
このキャッチーなタイトルは、韮崎のガストで誕生しました。笑
ミーティングにて、
「新成人って英語にするとどうなるんだろう?」
「ニュー・・・アダルト・・・?笑」
「なんかそれ使えそう・・・!」
そんな風にみんなで会話をしながら最終的に落ち着いたのが『アダルトニューニラサキ』でした。
「アダルトニュー」と「ニューニラサキ」にそれぞれ以下のような意味をもたせました。
=新成人
=新しい韮崎の魅力
この冊子を読むことで、大人の仲間入りをした「新成人」に、まだ気がついていなかった「新しい韮崎の魅力」を発見してもらいたい、そんな思いがこめられています。
〜余談〜
個人的に「ニュー〇〇」は、大竹伸朗やレトロホテルを連想させるのでとても気に入っています。ダサかわいい感じがたまりません!笑
(http://www.nadiff-online.com/?pid=62413490から画像をお借りしました。)
静岡のレトロホテル ”ニューアカオ”
なぜ”成人式”というタイミングなのか
韮崎で育った子どもたちも高校を卒業すると、それぞれ別々の道を歩むこととなります。このまちに残るひともいれば、県外に出て行く人も多くいるでしょう。
そんな若者たちが、”再び地元に集結する最初で最後の機会”が成人式なのだと思うのです。
そんな新成人にとってもまちにとっても大切なこの日に、まちの情報や若者を応援する姿勢を伝えることはとても重要なことだと思います。
今年の成人式の集合写真
20歳という年齢を見ても、大学生はちょうど就職活動に差し掛かる前で、働く場所や暮らす場所についてぼんやりと考え出す時期だと言えるでしょう。
成人という節目に地元との関係性を改めて考えてもらうにはとてもいい機会だと思ったので、2年前からこのような取り組みを始めました。
どんなことが載っているの?
開いて一番はじめのページ
今回のアダニューは、『アダルトニューゾーン』と『ニューニラサキゾーン』に分かれていて、前半で自分たちの成長の様子や育った環境を振り返り、後半でまちの新たな楽しみ方を発見できるような構成になっています。
成人式実行委員会の子たちから、
「ともだちがたくさん載っていた方が見たくなる」
「4月にオープンしたアメリカヤのことを知りたい」
など具体的な意見をもらい、それらも反映させてもらいました。
私は「韮崎の魅力」を構成する重要な要素の一つに”人”が欠かせないと思っているので、単に情報だけを届けるのではなく、まちの人のあたたかさのようなものをまるごと届けられるような冊子をつくりたいと思いました。
今回は1号目にはなかった『まちあるきプラン』を3種類掲載させてもらったので、多くのまちの人や店舗が登場しています。
まちあるきプランの一つ「節約!男旅プラン」
まちでたのしく過ごす方法も提案しています。
Instagramで流行りの「おしゃぴく」に挑戦!
@韮崎中央公園
帯には内藤市長にご登場いただき、アダニューを読んですぐに思い浮かんだという「恩故知新」という言葉を使わせていただきました。
成人式の市長挨拶でもアダニューを片手にこの話をしてくださって感動。
アダニューを手に語る内藤市長
私も式の途中でPRタイムをもらってステージで説明をしたので、その場でみんなが開いて楽しんでくれている様子を見ることができてとても嬉しかったです。
ステージで実行委員と一緒にPR
アダニューを見る新成人の様子
感動した2つのできごと
アダニューをつくることにしたときに提出した提案書には、「まち全体で成人をお祝いするという文化をつくっていく」と書きました。
2年目の今年は実行委員の新成人から、「若者が実際にまちを歩くきっかけをつくるために、アダニューにクーポンを掲載しましょう!」という提案があり、自分たちの足で市内の店舗をまわって協力を依頼してくれました。
入稿まで残り日数が少なく短い期間で集めたのですが、なんと18店舗が協力してくださり、様々な特典を用意してくれました。
若者からこのような提案が生まれたことをお店の方も喜んでくれました。
そしてなんと!
これを知った韮崎大村美術館より「市内の店舗が協力しているんだから公的機関でも協力するよ!」と成人式の次の日に連絡があり、急遽、新成人は入館無料としてくださったのです!
券売機の上に説明を掲示してくださいました。
(かわいい!)
新成人からまちのための新たな動きが生まれ、まちの人が協力し、公的機関をも動かしてしまう。
まだ2年目の取り組みなのにすでにこのような結果が生まれているというのは本当に驚くべきことだと思います。
初めてこの冊子をつくることになったときにも、まだ実物もなかったこの冊子のために、多くの個人・企業が寄付をしてくれました。
これも韮崎というまちのあたたかさあってのこと。
にらレバは企画段階では『Web版アダルトニューニラサキ』と呼ばれていました。
対象範囲を広げたので名前は変更しましたが、込められている思いは同じです。
少しずつまちが変わっていくのを、新たな文化が形成されていくのを、間近で見ることができて嬉しく思います。
次世代がパワーを発揮したとき、このまちにどんなことが起こっていくのかとっても楽しみです。そのときはこのまちらしくあたたかく、みんなで応援できたらいいなと思います。