見えないところで人々の暮らしと安全を守る。高品質と多様な製造を両立させる日設管興のシステム

ニラサキのシゴト
『ニラサキのシゴト』第二弾は、穂坂町にある≪株式会社日設管興≫さんにお邪魔してきました!

日設管興さんは、空調設備や給排水設備に用いられるプレハブ配管の製作や工事を手がける管工事業者です。1979年に有限会社として甲府市に工場を設立、2005年に規模拡大のため、韮崎へ本社と工場を移転。現在は韮崎本社のほか、東京都文京区に湯島東京事務所を構えています。

【会社基本情報】
所在地:山梨県韮崎市穂坂町宮久保5293番地
事業内容:空調・給排水衛生設備工事、消防施設工事、設計および施工、管加工製造および販売
従業員数(韮崎本社):35名
代表的な実績現場:
《施工実績》韮崎市市庁舎、東京エレクトロン文化ホール、韮崎市民交流センター(ニコリ)、たんぽぽ幼稚園など
《プレハブ配管実績》:東京ビッグサイト、豊洲新市場、新宿駅南口ビル(バスタ新宿)、高輪ゲートウエイ駅(品川新駅)、渋谷ヒカリエ、ホテルオークラ、GINZA SIXなど

空調機器に繋がるこんな排気ダクトを設計、施工していたり…

非常時に水を放出する消火設備につながる送水管や…

消火栓に繋がった配管などを製作しています

はじめに、代表取締役である窪田茂さんと、ご子息でもあり日ごろは東京事務所に勤める窪田政人さんから会社概要についてお話をうかがいました。

窪田茂さん(左)と窪田政人さん(右)

その後、工場全体を歩きながら、管を切断したり溶接したりしている実際の様子を見せていただきました。また、お仕事中の社員さんに突撃インタビューを行い、日設管興での仕事について思うこと、韮崎について思うことなどをお聞きしてきました!(お仕事中にご協力ありがとうございました)

日設管興ってどんな会社?どんな仕事をしているの?

—————管工事を行っていらっしゃる会社だとは知っているんですが、正直いまいちイメージが湧かなくて…。どんなものを製作されているか教えていただけないでしょうか?

窪田茂さん「たしかに管工事業ってあまりなじみ深いお仕事ではないかもしれませんね。当社も、「ニッセツカンコウです」と名乗って観光会社と間違えられたことが何回かあります(笑)

社名を漢字で見てもらえば、字の通り、管を製作しているということは分かってもらえるかなと思います。こういったものですね」

茂さん「ただ、一言に管といっても、使われる場所や建物によって種類や加工の仕様はさまざま違ってきます。配管の中には、例えば、スプリンクラーから放出する水や、ハロンガスと呼ばれる消火用のガスなどが通っています。

万が一、管の継ぎ手が外れたり、ごくわずかでも穴などが空いていれば大変ですので、管加工には非常に高い技術と信用性が必要となってきます。

管工事業を行う会社は、行政の認める『特定建設業許可』と呼ばれる許可を5年ごとに取得する必要がありますし、さらに、管を加工する溶接職人は、日本溶接協会という機関が認定する毎年更新制の資格を有している必要があります」

—————失礼ながら、そんなにも厳格な認許を受けなければならないものだとは、正直知りませんでした…。たしかに、通気ダクトにしても消火スプリンクラーにしても、穴が開いて漏れがあったり、非常時に壊れていて使えないなんてことが起こったら一大事ですもんね。

政人さん「それに、配管は大抵壁や床下、天井の中に隠れていて見えない部分にありますからね。定期的に壁を開いて検査する、というわけにもいかないので、製作段階から細心の注意が必要になってきます」

管本体からはもちろん継ぎ手部分からも漏れを防ぐため、継ぎ手が管同士をより強力に繋ぐための溝が掘られています

株式会社日設管興の特徴

—————さまざまな種類の管を取り扱っていて、その上細かい加工も必要となると、注文から加工までにかなり手間がかかりそうですね…

茂さん「お客様から注文を受けたら、設計図に書き起こして、それを元に工事を進めていくことになります。当社で行う工事は、工期が半年から1年以上かかるような大型建築物がメインなので、もちろん時間がかからないというわけではありませんが、敷地内に隣接する工場があり、さらに受注から加工までが一連のシステムになっている当社だからこそ発揮できる強みがあります」

—————強みですか?『受注から加工までが一連のシステムになっている』という部分について、詳しく教えてください」

茂さん「韮崎本社には『工事部』と『加工部』という二つの部署があり、お客様から注文を受けたら工事部→加工部の順に工程が進んでいきます。

工事部のミーティング風景

CAD等を用いて部材図を作成する加工部の職場風景

注文を受けたらまずはじめに、工事全体でどの部品がどのくらい必要かなど工事の大枠を『工事部』が決定します。それを受けて次に『加工部』の工程に進むわけですが、届けられた施工図にはすべての工事内容が記載されているわけではないので、お客様から預かった施工図を元に配管1本1本を書きだしてバラしていく作業が必要になります。バラした配管はオリジナルの設計ツールを用いてコンピュータ上で立体的に組み直され、お客様と目で見て確認したのち実際の加工に移っていくことになります。

整理すると、注文を受けて全体の大枠を決めるのが工事部の仕事、その後その大枠を元に、配管の単体図面の集まりを作成し、実際に工場でのプレハブ配管を製作するまでが加工部の仕事、と大別することができます」

—————なるほど。全員で一度に進めるのではなく工程ごとに分担を分けることで、効率の良い一連のシステムになっているということですね。

「はい。また、どのエリアから注文を受けるかも工事部と加工部で分担が分かれています。

工事部に届けられる注文は主に、県内にある公共・民間事業の中~大型建築物に入っている給排水設備、消火設備、空調設備を取り扱う新築工事・改修工事、設計などです。韮崎市内で言えば、韮崎市役所やニコリの改修工事などの実績があります。一方、加工部では、東京や関東近郊のお客様からダイレクトにプレハブ配管の注文を多々いただいており、豊洲新市場や渋谷ヒカリエなど、都内の大規模商業ビルなどの消火設備用配管で多くの実績があります。プレハブ配管を直接お客様に販売するときは、お客様からいただいた全体の設計図の配管部分と、当社で製作したプレハブ配管が分かるよう双方にナンバリングして、どの配管がどの部分のものなのか分かるようにして出荷します。


改修工事を行ったニコリの配管

政人さん「プレハブ配管、ナンバリングという言葉には馴染みがないかもしれませんが、プラモデルを思い出してもらうと分かりやすいかもしれません。プレハブ配管はプラモデルで言うと、一つ一つのパーツと近い意味合いがあります。プラモデルのパーツには、よく小さく番号が振られていますよね。それと同じ要領で配管設計の製作工程にもナンバリングの作業があり、配管を組み立てる際に何番と何番を繋げれば良いかを設計図に振っておいて、工事の際はその番号同士をつなげればスピーディに作業が進められるようになっています」

茂さん「注文を受けてから加工に移るまでが一連のシステムとして作られていることで、多岐にわたる注文内容にも、すみやかかつ効率的に対応することができます。すみやかに工事に移れるということは、その分だけ工期を短縮できるということですので、お客様側と当社、双方のコストカットにつながるというメリットもありますね。20年ほど前に韮崎工場ができたころからこのようなシステムでやっています」

—————なるほど。日ごろ僕たちが建物の中で安全、快適に過ごすために欠かせない配管施工において、高品質かつ多様な製品を製作できているのには、20年間洗練されてきた合理的なシステムがあるからなのですね」

日設管興の職場の中はどんな感じ?

政人さん「それでは、会社全体についてはここまでにして、この後、工場内でどのように管加工が行われているかを実際の様子を見に行きましょうか」

ということで、政人さんに案内してもらいながら工場の中をじっくり見学させてもらいました。

キーンと切断機の唸る音やカーンと鉄材がぶつかる金属音など、「これぞ工場!」というような建物内の雰囲気!テンションが上がる…!

配管加工は、『バリ取り』、『塑(そ)成(せい)加工(グルービング)』、『おねじ加工』といった各工程に分かれており、それぞれの工程を担当する職人さんによって加工が行われています。

工程を大まかに言うと、①管を必要な長さに切断する→②接続に必要な溝やねじ部分を先端につける→③複雑な形のものはさらに溶接加工などを行う→④パイプ部材と継手部材を組み付け→⑤管が傷まないためのサビ止め塗装、といった流れです。

パイプを切断

切断面のバリ取り

『塑成加工』(グルービング)によって、管同士をより確実に接続するために必要な溝を作る

管が錆びついて傷んでしまわないために管の端にはサビ止め材を塗布します



パイプ自動切断機による自動採寸、ナンバリング、切断を行う工程

隣の工場棟では溶接が行われています。

溶接機を扱う際は全身に保護具を装着

加工を終えた製品は、搬送中に傷がつかないように保護材を付けて出荷を待ちます

若手社員さんに聞く、株式会社日設管興で働く暮らし

最後は、日設管興で実際に働いてらっしゃる若手の社員の方に突撃インタビューのような形で声をおかけし、ふだんのお仕事の様子や韮崎というまちで働くことについて思うことを聞かせていただきました。

まずお話をうかがったのは、25歳入社3年目で加工部所属の奥川勇人さん。CAD等を用いて部材図を作成し、お客さんと確認しながら工事内容を決めていくお仕事を担当されています。

奥川さんには、日設管興の職場についてうかがいました。

—————日設管興さんの良いところを教えていただけますか?

「良いところの一つは、仕事に集中できる環境が整っていることですね。集中できる理由は二つあります。当社のある穂坂町は緑豊かな自然の中にあるので、注意力をかき乱すような騒音や喧騒が耳に届いてこないという物理的な側面が一つ。もう一つは、「業務時間は業務時間、休日は休日」とON/OFFをしっかりと区切って働ける会社の気風です。残業は多い日でも1時間程度ですので、業務時間外のプライベートな時間を十分に確保することができます。僕の場合、学生時代の友人とカラオケで遊んだりして休みの日を過ごし、ONとOFFを切り替えています。」

—————CADを扱ったり部材図を作成したりというと、すごく難しそうなお仕事だと感じてしまうんですけど、入社される前から設計や設備工事といった勉強をされてこられたんですか?

「いえ。出身である甲府商科専門学校では会計を学んでいました。今仕事で使っている専門的な技術や知識の多くは、入社してから習得したものです」

—————すごい!働く中で新たなスキルを伸ばしてこられたのですね。お忙しいところ、お話をお聞かせいただきありがとうございました。

設計ツールなどを用いて部材図を作成する奥川さんの職場の様子

二人目にお話をお伺いしたのは、32歳入社4年目の横森信忠さんです。加工部製造二課で勤務しており、管の切断や自動加工機の制御などを担当されています。

韮崎東中学校→韮崎工業高校と、青春時代を韮崎で過ごした横森さんには、ご自身の地元でもあり現在働く場所でもある韮崎のまちのことについて中心にお話をうかがいました。

—————韮崎で長い時間を過ごしてこられた横森さんにお尋ねしたいのですが、韮崎は一言でいうと、どんなまちでしょうか?

「そうですね。僕は昆虫や動物が好きなので、やっぱり「自然と生き物に囲まれたまち」ですね。子どものころは友人と森に入ってカブトムシなどの虫捕りをよくしていましたし、大人になった今でも生き物と触れ合うことは好きです。韮崎の自然はもちろんのこと、市外で言えば、甲府市相生にあるペットショップまで足を運んだりもします」

—————本当に、自然と生き物が好きなんですね。

「自然に恵まれている一方で、家庭を持つ立場としては、都市部へのアクセスの良さも助かります。少し車を走らせれば家族で一緒に買い物をしたり遊んだりできる大型のショッピングモールまで気軽に行けるので、緑に囲まれていながら都会の便利さを併せ持つところが韮崎の魅力だと思います」

—————田舎と都会で、それぞれ良いところがありますよね。暮らしの変化やお子さんの成長に合わせてどちらの良さも活用できるってすごく暮らしやすいな、と僕も子育てをしながら強く実感している部分です。今日は、お忙しいところお答えいただきありがとうございました。

目にする機会の少ない管工事業について知り、手に取ってもらうための取組み

工場内を案内してくださった窪田政人さんも、「管工事業という一般の人が知る機会の少ない事業についてもっと広く知ってもらいたい」という思いをお持ちで、家庭にある工具で簡単に管材を組み立てて洋服ラックなどが製作できるワークショップをイベントなどで出展されています。「管工事業」と聞くとなんだか固い『職人の世界』のように思って身構えてしまいそうですが、まずは小さな部材に触れてみることを入口に、管工事業全体や日設管興さんのことについて興味を持つ人が増えていくと良いなと思います。

アメリカヤ横の駐車場にて、数社共催で行われたワークショップイベント『have a good DIY!』のチラシ。参加者は日設管興さんの廃管材などを材料にキャンプテーブルを製作しました

管材同士をつなぐ部品、左から『エルボ』、『チーズ』と呼ばれる継手部材。六角レンチを用いて簡単に部材を組付けることができます。水道管ではなく棚の製作に使用する部材

見えないところで安全な暮らしを支えるプロフェッショナルな会社

今回取材を受け入れてくださった株式会社日設管興さん。管というモノ自体はもちろん知っていても、実際に、配管を専門に製作されている会社が世の中のどのような場所にどのような製品を提供しているのかということはなかなか知る機会がないので、僕自身、とても驚きと新しい気づきを得られた取材となりました。加えて、普段壁や天井に隠れてなかなか人目に付きづらい配管が、THE・プロフェッショナルな職人さんによって製作・施工されているということについて初めて詳しくお話をうかがい、僕たちの安全で快適な暮らしを陰で作ってくれている”縁の下の力持ち”にあらためて感謝するとともに、この『ニラサキのシゴト』コーナーを、日設管興さんのような、「人目には付きづらいけれど優れた技術力を持つ企業さん」についてもっと知ってもらえる場として、さらにさらに成長させていきたいという思いをより一層強く抱く機会となりました。

株式会社日設管興さんでは、現在、一緒に働く社員の方を募集されています。幅広い職種で募集がありますので、記事内で取り上げた職種はもちろん、日設管興さんに興味を持たれた方はひとまずURLをチェックしてみてくださいね!

(2019.9.29時点 求人サイト掲載情報より抜粋)
・仕事の内容   :配管加工技術スタッフ
主に、東京を中心に関東近辺の公共・民間建築物の消火設備の配管の半加工品(プレハブ配管、加工管)を設計・製造・販売しています。設計および製造サポート、顧客サポート業務を行う方を募集します。
・雇用体系    :正社員
・給与      :月給 a基本給(月額平均)又は時間額190,000円~260,000円 b定額的に支払われる手当 精勤手当10,000円~40,000円 a + b 200,000円~300,000円
・就業時間    :08:00~17:00
・必要な資格等  :普通自動車運転免許(AT不可)
CADソフトを使用した経験のある方優遇します。
・その他詳細   :https://求人ボックス.com/jb/7e42a62f5d9a36c12d93681cae014d45
(2019.9.29時点 求人サイト掲載情報より抜粋)
・仕事の内容   :工事管理者
・雇用体系    :正社員
・給与      :月給 a 基本給(月額平均)又は時間額230,000円~400,000円  定額的に支払われる手当 精勤手当10,000円~40,000円 a + b 240,000円~440,000円
・就業時間    :08:00~17:00
・必要な資格経験等:普通自動車運転免許(AT限定不可)
管工事施工管理技士2級以上を持つ方、取得意志のある方優遇
・その他詳細   :https://求人ボックス.com/jb/c9aeccba0e3f6e27200b4cdebeefc2a6