新企画!現役大学生が韮崎を離れ都内近郊で活躍する同世代を取材、韮崎と若者を繋ぐ!『にらヤンステーション!』vol.1 高村大夢

にらヤンライター高村大夢の写真

地元を離れた若者の活躍を伝える!都内と地元をつなげる学生企画「にらヤンステーション!」が誕生

こんにちは!にらレバ学生企画「にらヤンステーション!」を担当することになった、大学生チームの高村、長田、稲場です。

「にらヤンステーション!」は、山梨県韮崎市にルーツを持つすべての若者を主役とする新しい記事企画です。韮崎から離れた地で夢や目標を追いかけ活動している若者の現在を、大学生の編集部三人が取材しお届けしていきます。

学生の間に何かしたい

将来地元に帰りたい

地元との繋がりを持ち続けたい

都内にいる同郷・同世代を繋がりたい

そう思ったことはありませんか?

そこで私たちが提案するのがこの「にらヤンステーション!」です。

韮崎でともに時間を過ごした仲間たちの「今」を知った読者のみなさまが、再び韮崎を通して繋がりを持ち、それぞれが刺激を与え合うコミュニティを目指します。

「にらヤン」編集部のメンバープロフィール

〈 高村大夢 〉- Takamura Hiromu -

准認定ファンドレイザー(※1)の資格を保有する。
山梨県山中湖生まれ。韮崎高校を卒業後、現在は法政大学経営学部に所属。
高校時代、青少年育成プラザミアキス(※2)で活動した経験がある。大学生となり新たに得た知識を活かし、現在ローカルメディア『にらレバ』での活動に挑戦中。
「大学生ならでは」を大切に、若者を巻き込んでゆける情報を発信していくことを目指す。

※1 准認定ファンドレイザー … 主に非営利組織の資金調達を行う。)
※2 ミアキス … 韮崎駅すぐそばの中高生の拠点施設。にらレバと同じく、NPO法人河原部社が運営を行う。

〈 長田拓真 〉- Osada Takuma -

山梨県甲斐市生まれ。韮崎高校を卒業後、現在は日本大学理工学部に在籍。
大学ではまちづくり工学を専門的に学び、将来地方のまちづくりに携わるため尽力中。
学生のうちに経験を積むため、甲斐市のNPO法人が主催する「棚田保存」の活動に参加している。
現在「にらヤンステーション!」編集に携わり、韮崎の「まち」としての特徴や魅力を調査し考えながら、自身の学びの場とする。

記事を読む→将来「地方のまちづくり」に関わるために…今できることは?

〈 稲場理乃 〉- Inaba Rino -

山梨県甲斐市生まれ。韮崎高校を卒業後、現在は國學院大學文学部に在籍。
日本文学科で『古事記』の研究を行い、日本文学と日本語学を学ぶ。
学び、考え、それを分かち合うために必要となる「言葉」そして言葉の芸術である「文学」の面白さを伝えていくことを目指し、高校の国語科教員を志す。
執筆活動に興味を持ち、「にらヤンステーション!」編集に携わる。同世代への取材を通して覚えた驚きや感動を発信していくことを目指しつつ、自らの文章作成のスキル向上を図る。

記事を読む→「人生を豊かにする『教科以上の国語』」とは?国語や文学から学び、次の世代に伝えていきたいこと

第一回から三回までは、メンバー紹介と企画の助走の意味を込めて編集部同士のインタビューを行い記事にしていきます。

今回の記事では、大学進学後、新たに「ファンドレイザー」としての活動に挑戦する高村大夢くんに、稲場りのがインタビューしたときの様子をお届けします。

韮崎での三年間で何を思い、どのように現在の道へ歩んだのか。そしてこれからについて、思いを話してもらいました。

「にらヤンステーション!」第一回の記事。
〈〈 vol.1 高村大夢 〉〉 ご覧ください!

山中湖から韮崎へ—高校生活の軌跡—

理:よろしくね!大夢は山中湖村出身で、高校入学を機に韮崎にきたんだよね。山中湖って、韮崎からはかなり遠いけど…。

大:山中湖村には駅が無かったから韮崎で一人暮らしをしていました。韮崎高校は部活が盛んなので有名だけど、それだけじゃなくて『文武両道』の学校でも知られていて、「ここで三年間頑張りたい!」と思って進学することにしたんだよね。初めての一人暮らしで大変だったけど、なんとか学校は皆勤で卒業しました!

理:皆勤って無遅刻無欠席と無早退だよね?すごい!学校生活はどうでしたか?

大:3年間ホームルーム長を務めました。チャレンジャーのつもりで高校に来たので、高校に来て知らない人しかいない状況で自分がこれまでやってきたことって通用するのか、と思ったこともあって。失敗したことも勿論あったけど、一人暮らしと三年間のリーダーの経験は達成感もあったし、それをやり切れたっていうことが今の自分の自信に繋がったと思います。

理:高校の生活と現在の生活、何か違うなと思うことは多いかな?

大:違いは結構感じるかも。特に、高校時代は常に目の前に明確な目標があったけど、大学では自分が能動的にやっていかないと何もできないということかな。文武両道の高校で、何も頑張らないという状態がなかったから。自分でそれを設定していくって難しいことなんだなって思う。大学では全部手探りで、自分次第なんだなって思います。

大学生活で培う—会話の中で夢を得る—

理:高校生活は大きな挑戦の三年間だったんだね。今は法政大学の経営学部ということだけど、大学生活はどうかな?進路決定の理由も知りたいな。

大:高校時代に、ひょんなことから「ファンドレイジング」という言葉を知りました。何か活動するための寄付を集めたり資金を作ったりする「資金調達」という意味なんだけど。僕自身、当時は漠然とした認識だったから、まずはファンドレイジングの大きなイベントに足を運んで勉強しました。それから実践的な知識を少しずつ身に付けて、色々勉強しているうちに「もっと踏み込んでみたいな」と思うようになりました。

でも、大学でファンドレイジングそのものを確立して授業をしているところが実際になくて……。それなら、と思いNPOの活動などの勉強ができる経営学部に決めました。ファンドレイジング自体が基本的に、NPO団体が行う資金調達を指す言葉だから。直結している学問を専門的に学ぶ必要があるなって思ったんだよね。

ミアキス購買部での写真

理:ファンドレイジング!なんだか耳に馴染みのない言葉だなあ。進路決定時はその「ファンドレイジング」が念頭にあったんだね。どうしてそれに惹かれたの?

大:はじめは単純に面白いなって思ったんだ。お金を集めることができる人って、何かを目指している人とか志がある人を応援できるじゃないですか!当時自分にはそういう「何かやりたい!」というものが特になくて、だったら「本気で何かをやりたい人を全力で応援できる人間になろう」と思いました。

理:先ほどひょんなことからファンドレイジングを知った、と言ってたけど、そこに何かエピソードなどはありますか?

大:一人暮らしがかなり寂しかったので、よくミアキスに通っていたんだよね(笑)そこでスタッフの方と話をする機会が多くて、その会話の中で「ファンドレイジングって知ってる?」みたいな会話があって。
進路決定のことをよく考えていたので、そこから自分でどんどん調べていくうちに惹かれるようになりました。

高村大夢ミアキスでの写真

ミアキス内でのイベントのようす

理:なるほど。人との会話の中で夢を見つけた…素敵ですね。

ファンドレイジングってなに?—職業としてのすがた—

理:お話の中で何度か「ファンドレイジング」「ファンドレイザー」が出たね。やっぱり耳に新しいワードだけど、それだと将来はどのような仕事に就くことになるのかな?

大:実は、職業としての「ファンドレイザー」というものが日本ではあまり確立されていないんだよね。アメリカでは結構ポピュラーな職業で、こどもの将来なりたい職業ランキングベスト10に入ったりもするんだけど…。内容としては、NPO法人や大学などの資金調達の担当者です。資金を持ってる人たちと、社会に対して何かしたい人たちを繋ぐ役という感じ。

理:なるほど。色んな方面への理解がないとできない仕事なんですね。

大:そうですね。さっきアメリカではポピュラーだって言ったんですけど、日本でも近年では少しずつ認知されだしています。NPO法人とか、大きな大学で「ファンドレイザー」という職業で求人を出している場合もあるよ。一番簡潔に言うとやっぱり「財務担当者」って感じ。でも日本ではまだ確立されきっていないので、形はそれぞれで。
まだ日本に進出している言葉じゃないから「ファンドレイザー」とは言われないんだけど、実際見てみるとどの団体にも絶対に資金調達って行われていてそ、れを管理している人って、資格の有無など細かいところを除けば、「やってることはファンドレイザーだよね!」と言えるケースもあります。

日本最大のファンドレイジングイベント後のようす

理:まだまだ可能性がある職業ということですね。そういえば、似た単語で「クラウドファンディング」というものがありますね。それも寄付をつのる意味だと思うのですが、それとは全く違うものなんですか?

大:クラウドファンディングはインターネット上で不特定多数の人から寄付を募る「手段の一つ」で、ファンドレイジングはインターネット上に限らず、様々な方面から方法を起案するものなので、もっと大きなカテゴリと言えます。分かりやすく言うと、「サッカー選手≠高校のサッカー部員」みたいな感じかな。サッカー選手って、一応高校サッカーのプレイヤーも選手じゃないですか。でも一般的にプロを指す「サッカー選手」という言葉とは違う。そういう違いです。ファンドレイジングというたくさん手段のあるものの中の一つの手段として、クラウドファンディングがあります。

理:めちゃくちゃ分かりやすい!なるほど。全く別という訳でもないんだね。将来は、ファンドレイザーを目指しているの?

大:実は将来ファンドレイザーになるかとか具体的なことはまだ考えてないんだよね。でも今やってることって絶対に無駄にならないと思っていて、どの分野に行ったとしても必ず役に立つことだと思ってます。今一番興味があることがファンドレイジングだから、とことんやっていきたい!

山梨と僕、その先—故郷山梨への思い—

大:なりたい職業については模索中なんですが、将来はとにかく山梨に帰ってきたいとずっと思っているんですよ。

理:それはどうして?

大:東京に実際来て生活をしてみて、自分には山梨での暮らしの方が肌に合ってるなとしみじみと実感したんです。村では人と人との繋がりが深かったけど、東京ではそういうものもあまり無くて、僕には少し希薄に感じられて。もともと近所付き合いとか人付き合いをするのが好きなので・・・。
もちろん東京ならではのいいところもたくさん有ると分かった上でなんですけど、やっぱり人と関わることが好きだから地元に戻りたいですね。

理:確かに山梨と東京では暮らしの様子が結構違うかも。

大:それに県外に出ていく人も多いから、地元を元気にしたいという気持ちもあります。

出身の山中湖村の祭りのようす

理:地元愛が深いんだね〜。じゃあ、卒業後は山梨県の山中湖村に帰るということ?

大:それが一番の希望だけど、実際に仕事が村で見つかるかは不安でもある…。少し遠くなっちゃっても、せめてその時自分のしたい仕事が甲府や韮崎にあればいいんだけどね。
地元の山中湖で「ローカル」な暮らしがしたいけど、どんな仕事をするかも僕は大事にしていきたい。山中湖で好きな仕事ができればそれがベストではあるけど。

ローカルを大切にするのもいいけど、そのローカルで仕事を発展させたり人材を残すためには「グローバル」な視野を持ったりすることも必要だと思っています。だから今は広い視野をもって学んでいきたいなと。

人との繋がりが深く住みやすい山梨だけど、これからはいい人材が県内でも活躍できるように、もっと山梨でもできる仕事が増えればいいなって思います。卒業後すぐにとはいかずとも、ゆくゆくは学んだことをお土産にして山中湖に戻り生活をしたいです。

理:なるほど。将来的な山梨の発展にも思いがあるんだね。

にらヤンステーション!って?—若者と地元にらさきをつなぐ—

理:次に、この学生企画「にらヤンステーション!」が始まった経緯を改めて聞かせてください。大夢くんからいきなり電話かかってきたからびっくりしたよ〜!

大:そうだよね(笑)
僕自身が、まず大学1年生の時に准認定ファンドレイザーの資格を取ったんです。その後いくつかのNPO団体との活動を経て、さきほども出てきたミアキスを運営するNPO法人河原部社の方とやっていくことになりました。
その河原部社はこの「にらレバ」というローカルメディアも立ち上げていて、「都内などにいる韮崎出身の若者と韮崎をつなげるコミュニティをつくろう」ってなって。そこでまずは高校時代の友達の拓真くんと理乃ちゃんを誘って、3人で活動を始めました。
学生の力で、韮崎の中高生の刺激にもなれたらいいなと思っています。「若者の若者による若者のためのメディア」みたいな感じですね!

理:具体的にはどんな活動をしていくのかもお願いします!

大:僕たちが同世代の人たちを取材して記事を書いていきます。
高校卒業後、みんなが今何をしているのか、何か頑張っているものはあるか、どう変わったか……。いろんな「現在」を掘り出して記事にすることで、それを読んだ同世代の刺激になることを目指しています。

何かを頑張っている人の姿って、すごく心に訴えかけられると思うんだよね。同じ世代の人に見てもらう意義はそういうところにあります。

今の段階では取材がメインなんですけど、取材して終わりじゃなくて、サポートしていくような体制を作ったり、イベントを企画したりすることも考えています。

ゆくゆくは「○○がしたいけど資金が足りない…」と悩む人がいたら、支援団体との繋がりを作れたらいいな。例えば、ネットを使って支援を募るクラウドファンディングを記事の中で実践してみたりとか。あとは、取材した人たちを招いてみんなで語り合う場とかを作ったら、お互いに学び合うことができるだろうなとか!まだまだ構想の段階だから、これからたくさん案を練っていきたいです。

理:「にらレバ」は「〜してみれば」という提案を行うメディアを目指して名付けられたものだけど、「にらヤンステーション!」の名前に込められた意味をどうぞ!

大:「にらヤン」は「韮崎のヤング」、「ステーション」は文字通り「駅」という意味です。
駅って、何本も電車が来て、いろんな方向に分かれて向かっていきますよね。たくさんの可能性を持つ同世代のみんなと同じだと思いました。分岐点があって、いろんな方向の「先」があって、それぞれ選んで進んでいく。途中で同乗者を見つけてもいいし、たまたま乗り合わせた人と連れ合ってもいい。

読者の若者の中に僕たちと一緒にやりたいと思う人がいれば、この電車にぜひ乗って一緒に何かやっていけたらいいと思ってます。そういうイメージで、話し合いの結果この名前に決まりました。

理:ネーミング会議、たくさん考えたよね〜。大夢と拓真と3人で毎日話し合ってね(笑)

大:理乃ちゃんはこの間彼氏が下車しちゃったので是非同乗者を見つけてほしいね(笑)

理:余計なお世話だわ(笑)

大:でも、本当に企画にぴったりの名前を付けられたなって思っています!少し長いので、「にらヤン」と呼んで親しまれるような企画にしていきたいと思います。

[普通の大学生です]—最後にちょっと小話—

理:なんかここまで話を聞いてきて、すごくしっかり考えてるんだなあと感じたよ〜。

大:いや、なんかすごい真面目っぽく思うだろうけど、めちゃくちゃ普通の大学生やってるよ(笑)20歳になったからって調子に乗ってお酒飲んで失敗したりもするし。

理:そうなんだ!(笑)

大:特に頑張ってることは、飲み会と恋愛ですかね(笑)

理:あー(笑)隙あらばコールするタイプでしょ(笑)

大:まあ息抜きも大事だからね、絶対!(笑)

新たな表情を知る—取材を終えて—

高校時代から一人暮らしを経験し、現在はファンドレイジングという新たな分野に挑戦し続ける大夢くん。そんな彼が編集部の一員というのはとても心強いことだなと、今回編集を担当した稲場も取材を通して感じました。

普段はふざけてばかりの彼ですが、こうして考えていることを掘っていくと面白いです。新たな一面…いや、何面も知ることができました。

そんな大夢くんも普通の大学生。多分みんな普通の大学生。だからこそ、韮崎の繋がりを通して“みんなで”頑張っていけたらな、と思っています。

新企画「にらヤンステーション!」ではこのように、同世代の人たちの普段の姿からは測れないような思いを探っていきます。

自分たちが持っている「学生ならでは」の視点を大切に、編集部一同、同世代の「今」をお伝えしていきますので、これからよろしくお願いいたします!

現在は大学生3人で編集作業をしていますが、韮崎への思いがある人、執筆活動に興味がある人、「学生としてこういう企画をやってみたいな」という構想がある人……、どんな風にでもいいので、この企画に関心を持ってくださった方は、是非お気軽にご連絡ください。カメラマンおよびライターも随時募集しています!「にらヤンステーション!」をみんなで作っていきましょう♪

第三回目の記事までは「にらヤンステーション!」の編集部のメンバー紹介を兼ねた3人それぞれの記事となります。

次回は長田拓真くんの取材!大夢くんとはまた違うところで活躍する拓真くんの現在を探っていきます。