こんにちは!学生編集部の高村大夢です。
韮崎から離れた地で活躍する同世代を学生編集部が取材しお届けしていこうと10月にスタートしたこの企画『にらヤンステーション!』。
コロナウイルスの影響で、計画していたイベント『ニラサキサラニ』が延期になってしまいましたが、同世代の取材活動を引き続き頑張っていきたいと思っております!
さて7回目となった今回は、保坂俊希くんを取材しました!※取材は3月初旬に行ったものです。
【保坂 俊希】
山梨県笛吹市出身。韮崎高校卒業後、明治大学情報コミュニケーション学部に進学。小学校の頃から野球を始め、高校時代は野球部に所属。3年次は主将を務め、監督である父と甲子園出場を目指した。
大学では、お笑いサークルに所属し、芸を磨いている。
学生編集部と同級生の20歳。
今回の記事では、大学生活でお笑いに打ち込む保坂俊希君に行ったインタビューの様子をお届けします。お笑いを始めたきっかけや将来の夢について迫っていきます。
お笑いとの出会い ー大学生活で熱中するものー
大夢:久しぶり!高校卒業以来だね!今はどんなことをしてるの?
俊希:明治大学に進学して、「木曜会Z」というお笑いサークルで漫才をやっているよ!
大夢:お笑いの中にも種類があると思うけど、なんで漫才を選んだの?
俊希:漫才って、マイク一本で人を笑わせることができて、とてもかっこいいと思うんだよね!
大夢:大学でお笑いをやるきっかけは、なんだったの?
俊希:小学生の頃からお笑いが好きだったんだけど、やってみたいと強く思いだしたのは中学生になってからかな。
中学時代は野球に熱中していたけど、チームメイトとの関係とかですごい悩んでいて辞めたいと考えたこともあったんだ。その時にお笑いを見たら、自分の悩みがどうでもよくなって、とても元気が出たんだよね。その時から、自分もお笑いをやってみたいと思うようになったな。
大夢:そうだったんだね。昔からずっとやりたいと思ってたんだ。
俊希:中学卒業の時に、学年のみんなの前で実際にネタを見せたんだけど、盛り上がってくれてとても嬉しかったな。あと高校では、部活引退後にプロのお笑い芸人さんと共演させてもらったこともあったよ。高校では野球をやると決めていたから野球に打ち込んだけど、引退後のこの経験も、大学でお笑いをやることを後押ししてくれたね。
大夢:プロの芸人さんと共演したの?!
俊希:ある芸人さんの『108人漫才』という企画に参加させてもらったんだ。その芸人さんの相方はお坊さんで、あるとき修行にいくことになった。1人になってしまったから、煩悩の数の人と漫才をやるという企画を考えたんだって。貴重な体験だったな。
大夢:そんな体験ができたら、やりたい気持ちが後押しされないわけないね。大学を選ぶ時は、お笑いサークルがあるかどうかも重視したの?
俊希:そうだね。今まで野球しかやってこなかったからこそ、新しくお笑いにチャレンジしたいという思いがあった。それに、大学卒業後は山梨で生活していきたいと思っていたから、大学時代は山梨を出ようと思って。だから、県外かつお笑いサークルがあるこの進路を選んだんだ。
将来の夢 ー父の存在と高校野球にした忘れ物ー
大夢:今お笑いをやっているけど、将来はお笑い芸人を目指すの?
俊希:学生中の目標は漫才の学生チャンピオンだけど、将来は高校教師になりたいと思っているよ。
父の存在
大夢:なんで高校教師になりたいの?
俊希:理由は二つあって、一つ目は、父に憧れているからなんだ。父は韮崎高校の教師をやっていて、父みたいな教師になりたいと思ってるよ。
大夢:高校時代から教師になりたいって思っていたの?
俊希:高校の頃にもなりたいと思ったことはあったけど、父がすごすぎて諦めてしまったんだ。
小中学生の頃は、教師の父はただの憧れだったけど、韮崎高校に入学して実際に父が働いているところを見て、明確な目標になったな。
だけどそれと同時に、自分より先に家を出て夜遅くに返ってくる生活や、学校でも授業や部活に全力で取り組んでいる姿を一番近くで見ていて、自分にはなれないとも思ってしまったね。
大夢:そこからもう一度目指すことができたきっかけは、何だったの?
俊希:父にこの夢を話すことができたことがきっかけかな。
それまでの自分と父の親子関係はただの父と子だったけど、大学に入ってからは1人の男と男としても向き合えるようになったんだよね。高校野球を3年間やり遂げたことや、家族と一緒に目標設定した受験で進路を実現できたことで、男として認められたような気がしたんだ。
自分がこのように感じていた時に、父も今まで自分に話さなかったような話もするようになったり、弱みみたいなものを見せてくれたりするようになったんだ。そこでやっと、自分も教師になってやってみたいということを相談できたね。このことを話せたのは、大学に入ってしばらく経ってからだったな。
尊敬する父と本音で語り合えるようになった
大夢:お父さんとの関係の変化で、自分の本当にやりたかったことに向かっていけるようになったんだね。
俊希:今までの自分は逃げてしまっていただけだったね。大学2年になってからは、教員免許を取るための授業を増やして、勉強を頑張っているよ。
高校野球にした忘れ物
大夢:高校教師になりたいもう一つの理由は何?
俊希:二つ目の理由は、高校野球を教えたいからだね。高校野球は今の自分を構成する大きな要素になっていて、特別な存在なんだ。
大夢:高校野球を韮崎高校でやったのは何か理由があるの?
俊希:父と一緒に野球がやりたかったからだね。父は韮崎高校で野球部の監督もしていたんだ。だから、笛吹市出身の自分が韮崎高校に進学したんだよ。
大夢:小さいころから野球をやっていたのに、お父さんと野球ができなかったの?
俊希:小中学生の頃、父は練習や試合で指導をしてくれなかったんだ。自分は「なんで指導してくれないんだ?」という思いを持っていたね。でも全国高校野球連盟の規定で、高校野球の指導者は小中学生を自由に指導できないという仕組みになっているなことを後から知って、仕方なかったなと納得した。
だから、高校野球は父と一緒にやろうと思っていたんだ。
大夢:そんなルールがあるんだね。実際にお父さんと一緒にやった高校野球はどうだった?
俊希:とても充実した3年間だったね。自分を作ってくれた大切な時間だったと思うな。自分も誰かに伝えられる存在になりたいし、影響を与えられる人になって恩返しがしたいね。
あと高校野球には忘れものがあって、なかなか大会で勝つことができず、父と一緒に校歌を歌うことができなかったんだ。父と校歌を歌える機会があるかはわからないけど、高校野球でやり残したという心残りがあるから、何らかの方法でこの気持ちに対しても取り組んでいきたいな。いつか納得できるものが出てきたらいいなと思ってる。
いつかは自分の教え子を夢の舞台へ
大夢:俊希が韮崎高校の監督になったら試合見に行きたいな。
俊希:やっぱり母校で野球を教えたいね。その時はよろしく!
お笑いも教師も「伝える仕事」
大夢:教師になる夢が明確になってからは、お笑いに使う時間は少なくなった?
俊希:全然少なくなってないよ!今でもものすごく熱中しているね。
教師になりたいって決めたときにお笑いとの関わり方も考えたけど、お笑いで身につけられる力は教師になってから活かせると思ったんだ。
教師って「伝える職業」だと思うんだけど、お笑いも伝える職業だと思ってる。ネタをやって、見ている人に「伝わる」とか、見ている人が「分かる」からおもしろいと感じると思うんだ。だから、お笑いをやることで伝える力を磨いていきたいと思っているよ。
自分の好きなことで将来の夢に近づいていける活動ができていると感じていて、すごく充実しているよ。
大夢:自分の好きなことが将来のためになっているって、とてもいいね!他にも教師になるためにやっていることはある?
俊希:何かやっているというほどのことではないかもしれないけど、大学では行動経済学のゼミに入り常識を疑うことを学んでいるよ。
大夢:行動経済学で常識を疑うってどういうこと?
俊希:行動経済学は、人の心理から分析される経済学で、人間は必ずしも合理的な行動をするわけではない、という考え方からできているんだ。セオリーや定石のようなものは、本当に正しいのか考える姿勢を身につけられればいいなと思ってる。これは、野球を指導するときにも役立つと思うし、教師として伝えられる内容が増えていくと考えてるよ。
大夢:お笑いで伝える力を身につけて、行動経済学を学ぶことで伝える内容をよりよいものにしようとしてるんだね。
よくわからないけど好きな山梨 ーやってみたい芸能複合ライブー
大夢:卒業後は山梨に帰ってきたいと言ってたけど、何か理由はあるの?
俊希:ひとつは母校で教師や野球をやるためかな。あと、自分は家族の存在に大きく影響を受けているから、家族の近くで生活したいというのも大きいかも。長男ということもあるね。
でもやっぱり、よくわかんないけど山梨が好きなんだよね。この「なぜか帰ってきたい」という気持ちが地元愛なのかなとも思うな。
高校野球を共に闘った仲間たちとの一枚。"仲間" = "郷土愛"
大夢:よくわかんないけど好きって、なんか分かるなー。山梨でお笑いはやってないの?
俊希:大学1年生の時に、アイメッセで開かれていたお祭りでやったことがあるよ。あと、学生中に山梨でやりたいことがあって。お笑いや音楽といった芸能の分野での将来の活動に興味がある山梨出身者の人を集めて、複合ライブを開催したいな。
高校の同級生で音楽やっている人も多いし、なかなか地元でできる機会がないから実現したいね。特に自分より若い世代に見にきてもらって、芸能の分野を、見る楽しさだけじゃなくて実際にやる楽しさも感じてもらいたいな。趣味としてやる人やプロを目指す人が少しでも増えたらいいなと思ってる。
大夢:すごく面白そうだね。何かお手伝いできそうなことがあれば協力させて!
小話 ー最近の悩みー
俊希:最近悩んでることがあって…。おもしろいネタがなかなか作れないんだよね(笑)
大夢:そうなの?(笑)
俊希:自分は昔ながらの分かりやすいお笑いをしたいんだけど、それがなかなかウケないんだよ(涙)
大夢:どつき漫才的な?
俊希:そうそう。しかもネタを書くセンスもあまりないから、マジどうしようかなって思ってる(笑)この前のイベントでMCをやらせてもらったんだけど、自分のネタよりMCのトークの方が盛り上がってて・・・。ほんとにどうしようもないよね(笑)
大夢:俊希くんはTwitterをやっているので、ぜひフォローとアドバイスお願いします(笑)
思わずどつきそうになるインタビュアー
大夢:最後に、読者の方へのメッセージありますか?
俊希:コロナの影響でサークルの新歓活動ができていないので、ぜひサークルのTwitter、Instagram、YouTubeを見てください!
LIVE等の告知はTwitter等をご覧ください!また、学生お笑いのライブは基本的に無料で行ってます!ぜひ一度足を運んでください!
まとめ
今回の取材を通じて、彼は大学時代の時間の使い方がとても上手だと感じました。今の活動を将来の自分にしっかりと紐づけていて、活動に意味をもたせているのではないかと思います。
さらに、大学時代の活動として挑戦しているお笑いが、彼にとって最高に楽しいことになっていて、今と将来の両方が楽しい設計でとても素敵だと思いました。自分の時間の使い方や今行っている活動がどんな意味をもっているかを改めて考えるきっかけになりました。
最後に、経験や得意なスキルを活かして活動してみたい人、韮崎への思いがある人、執筆活動に興味がある人、「学生としてこういう企画をやってみたいな」という構想がある人……、どんな風にでもいいので、この企画に関心を持ってくださった方は、是非お気軽にご連絡ください。カメラマンおよびライターも随時募集しています!「にらヤンステーション!」をみんなで作っていきましょう!