甲府市出身、甲府西中学校時代に主将として全国中学校サッカー大会の出場、韮崎高校サッカー部でも主将を務め、現在は芝浦工業大学工学部土木工学科に所属。
まちづくりやリノベーション、空き家改修に興味があり、アメリカヤ2FのAmericaya diy service centerのリノベーション工事や地元甲府の空き家改修プロジェクトに関わっている。
将来は山梨へ帰り自らの手でまちを変える企画を行っていきたい。
こんにちは!学生編集部の藤島秀太です。
今回は、一個人の活動を紹介してきた「にらヤンステーション!」ではなく、学生編集部の活動紹介ということで、私藤島秀太とトップファンの共同代表を務める長田拓真が、8月頭にリニューアルオープンし運営を行っている、アメリカヤビル2F『americaya diy service center』のリニューアルについて紹介していきます。
オーナーのiroha craft代表千葉健司さんを交えた3人の対談形式で、このお店をリニューアルすることになった経緯から、工事中のおもしろエピソード、このお店やこのまちに対するそれぞれの想いまで、盛り沢山でお届けいたします!
『americaya diy service center』
アメリカヤ2Fにあり、iroha craftが運営する、DIYサポートショップ。
雑貨から古材やフローリング、ペンダントライト、ブラケットライト、ペーパーホルダー、タオル掛け、塗料や植栽までを幅広く販売している。また、DIY工房も備えてあり、簡単なDIY体験ができる他、買った大きな古材をカットし持ち帰る際にも使える。インテリアの買い替えや付け替え、その他相談にも対応している。
千葉さんとの出会いについて
藤島:いつも一緒に仕事をしていて改めて振り返る対談となるとなんか緊張しますね。(笑)
まず僕たちと千葉さんの出会いについて振り返ってみましょう。今年の6月頃、ちょうど新型コロナの影響で僕と拓真は2人とも山梨へ帰って来ていたんだよね。それと同時に、学生団体トップファンを立ち上げた頃で、俺と拓真が空き家を活用したなにかをやってみたくて、その情報を千葉さん聞きに行ったのが最初の出会いだったかな。
千葉:そうだね。連絡がきて事務所に来てもらって、2人の空き家に対する想いだとかトップファンのことを聞いて、面白い学生たちがいるなと感じていたよ。一緒に空き家も観に行ったよね。
長田:その日帰ったあとすぐに連絡がきて、明日の朝イチ空いていれば空き家を観に行こう!って(笑)それで、その次の日の朝から千葉さんの気になっている何軒かの空き家を観に連れて行ってもらいました。
千葉:どんなふうに活用できそうか妄想を語り合ったね。(笑)
当時を様子を振り返る三人
藤島:そんな楽しい話をさせてもらったんだけど、一旦コロナも落ち着きつつあるところで、山梨だとバイトがなかったら2人とも東京の1人暮らしの家へに戻ろうとしてたんだよね。
長田:そうそう。もう3〜4ヶ月ちかくバイトをしていなくて。
千葉:東京へ戻って働くあてはあったの?
藤島:以前からバイトしていた大宮の居酒屋さんに戻ってこいよ!と言われていました。
長田:俺も以前からやっていた、コンビニのバイトに戻る予定でした。だけど、自分の将来やりたい分野でなおかつ山梨で働けたらと2人で話していて、千葉さんのところで働かせてください!!ってダメ元で頼みに行ったんですよね。(笑)
千葉:そうだったね。空き家やまちに対する想いだとか、働かせて欲しいとまで頼み込んでくるような熱い気持ちはとても素晴らしいなと感じたよ。だけど、ウチは設計事務所だから実務経験のない学生さんがパッとできることがなかなかなくて…一旦、考えさせてくれって言ったね。
藤島:まあ、正直無理だろうな。と思い。(笑)俺は一旦山梨を出たんだけど、一週間も立たないうちに千葉さんから「アメリカヤの2Fのお店を2人でリニューアルして欲しい!」って連絡がきてビックリしました。
リニューアル前の店内の様子。商品は一旦倉庫へと引き下げられていた。
千葉:2Fのお店がコロナの影響と店内の模様替えをしたくて休業していたんだけど、ウチもなかなか忙しく手がつけられてなくて。せっかくアメリカヤにきてくれるお客さんがいるのに、2Fがしまってるのは申し訳なくて。早く開けたかったから、そうだ、2人にリニューアルを手伝ってもらおう!とピンときて連絡したね。
長田:思いがけない返事だったけど、嬉しくてやりますって即答したな。(笑)
藤島:おれもすぐ山梨に戻ってきた。(笑)
千葉:タイミングがすごいよかったね。
リニューアル前のDIY工房
長田:リノベーションで全国雑誌にも取り上げられる、あのアメリカヤに関われるって考えてかなり興奮したな。(笑)
藤島:俺もアメリカヤのことは、SNSで見たりしてすごい気になってた。特に、アメリカヤがリノベーションされて、周りにアメリカヤ横丁やコーヒスタンド、ゲストハウスができたりしたのを知って、面白いことをする人の周りには面白い人が集まってくるんだな、すごい相乗効果だなと感じてたな。
千葉:このアメリカヤビルについては高校生の頃から知っていて、使われなくなってからもずっと気になっていたよ。このアメリカヤビルを変えないとこのまち、この商店街は変わらないなという思いはあった。
藤島:実際にリノベーションしてみて、周りの反応はどうでした?
千葉:うちは、リノベーションが専業だから作業としてはいつも通りのことをしただけなんだけど、やったら思った以上に反響があった。アメリカヤをリノベしたすぐ後に、取り壊される長屋があると聞いてすぐ観に行って、「ここは横丁にしよう」と決心して、すぐリノベーションして。その流れでペイコーヒーや茶舗を改修して。そしたら2人がこうやって関わってきてくれて。熱い想いを持っている人の周りには熱い人が集まってくるのかな。
長田:今は、横丁を拡大して新しい焼き鳥屋も作ってるし、この間ヌイトファクトリーさんっていう裁縫屋もオープンして、この韮崎というまちはますます面白くなりそうだなって感じています。
藤島:そこに自分たちも関われてすごく嬉しいです!
いざリノベーション!!
藤島:憧れのアメリカヤに関われて嬉しくて、いざお店を作るぞ!ってなったけど、DIYなんてしたこともないしインパクトとかもまともに使えないレベルだったよね。
長田:インパクトなんてまずどっち回りかもわからなかったもん(笑)
千葉:2人ともすごい音立ててたよね…笑その時の動画とかなかったっけ?(笑)
長田:あれははずかしいから封印で。(笑)
千葉:リノベーションした店舗には、iroha craftのショールーム要素を持たせたいと思っていたから、いろいろな作業をお願いしたね。最初はすごい地味な仕事をしてたよね。
藤島:そうですね。工房の棚をブライワックス塗ったり、針金でフック作りをしたり。
壁に1つ1つ手作りフックを作成!拓真作!
完成したDIY工房!キレイに仕上がりました!
長田:それが終わって大工さんがフローリングを貼ってくれたんだよね。ここのお店を作りながらながら上小路(※1)とかも手伝って、大工さんには丸鋸の使い方とかたくさんのことを教えてもらったよね。
藤島:たくさん勉強させてもらったね。苦労しながらも、だんだんいろいろできるようになって、お店の棚を作ったりしていったね。苦労といえば、リニューアルし始めたときは大学も始まってたからリモート授業をやりながらだったよね。
長田:作業してて、一旦1コマ分抜けますって言ってアメリカヤ5Fのフリースペースに行って授業して、また2Fに戻ってきて作業してたね。
千葉:あれは斬新で衝撃だったな。5Fで2人がそれぞれ建築や土木の授業をオンラインで受けて、2Fに戻ってきて手を動かして実践して。アメリカヤがものづくり学校みたいになっていたね。
長田:コロナ禍によってリモート化が進んだから、こういう新しい学生生活も増えてくるかもね。
藤島:たしかに。地方にいながら大学で研究をしている教授の授業をリモートで受けて、バイトとかで実際に現場に出て職人さんにおそわりながら手を動かすみたいな。
千葉:そうしたら山梨とかの地方からも若者が出て行かずに勉強ができていいね。
長田:実際に俺らみたいに地元でなにかやりたいっていう大学生は多いよね。周りの友達とかもよく言ってるし。
千葉:コロナがなにか新しい形を教えてくれたね。
新設したフローリング。3回ワックス塗りをしました!
※1…上小路とは、韮崎市神山町にある白山温泉隣のお蕎麦屋さん。iroha craftでリノベーションし、11月にリニューアルオープンした。
イベントも開催!
藤島:段々とお店も形になってきて、内装を仕上げるにあたって3Fに入っているwall paper storeさんとコラボして、壁紙貼りのワークショップもやったね。
長田:americaya diy service center×wall paper store×topfanってことで開催したね!
千葉:コロナが少し落ち着いてきていた頃だったけど、まだ怖くてみんなマスクをしながら作業したね。
藤島:いろいろな人がきてくれて面白かったな。
長田:子供連れのファミリーからカップル、DIY好きの大人の人もきてくれたね。
プロさながら。真剣です。
千葉:インスタライブで配信しながらやったよね。あれ面白かったな。
藤島:そのあとは、照明器具やタオルかけ、ペーパーホルダーをフローリングに取り付けたりしたね。
長田:ちょうどその作業をしているときにあの世界のヤマケンさんが来てくれて。作業も手伝ってくれて。憧れの人に会えて嬉しかったな!
世界のヤマケンさん!
藤島:それからは、値札をつけたり在庫管理したり、いよいよオープンへ向けてって感じになったね。
千葉:いよいよ仕上がるけど、このお店だれが運営するのってなったよね。(笑)
長田:このくらいのタイミングで、最初はリニューアルだけ手伝う予定だったけど夏休みに入るし2人で運営もやっていくか!って話になったよね。
藤島:それで結局1人暮らしの家は解約して山梨に戻ってきたもんね。
長田:あのとき、千葉さんに働かせてくださいって言ってなかったら、今頃なにしてたんだろう。(笑)
藤島:確かに!
千葉:やっぱり行動力ってすごい大事だよね。自分もアメリカヤや横丁が取り壊されるって聞いたときに、オーナーさんにお願いしに行ってなかったら今はないもんな。ここがなければ2人とも出会えてないし。
いよいよ、リニューアルオープン!
藤島:お店は順調に仕上がって無事オープンを迎えたけど、商品のこととか専門的なことが多いから知らないことだらけで(笑)
長田:ブラケットライトとペンダントライトと違いすらわからなかったもん。(笑)
藤島:一個一個すべて調べながらの営業だったよね。
千葉:こういうお店のスタッフってなると、お客さんからしたらDIYのプロだと思われてるよね。
藤島:自分たちがお店を作りました!って言っちゃったし。(笑)
千葉:そのプレッシャーに自分で答えて、レベルアップしていけるように頑張っていけばいいよね。俺も60%以上の人が30歳以降で取得する級建築士の資格を26歳で取ったから、周りにすごいとか、なんでも知ってるみたいに見られて大変だったけど、そこから頑張っていったからね。
長田:千葉さんもやっぱり苦労してきたんですね。俺らも頑張らないと。
藤島:リニューアルオープンした日が8/1でちょうど夏休みの時期だったから、その後1週間くらいは入れ替わり立ち代わりでいろいろな人が遊びにきてくれたよね。
長田:同級生はもちろん先輩後輩、いろんな人がきてくれたね。
千葉:内藤市長もきてくれたよね。
韮崎市の内藤市長!
「はみだししゃべくりラジオキックス」に生出演!
藤島:あとは、8月末くらいだったかな、ラジオの取材がきて生放送で出演もしたね。
長田:リノベーション業界の祭典、リノベーションエキスポにも出さしてもらったよね。
千葉:オープンしてから、短期間でいろいろなことがあったね。学校が夏休みに入ったのもあって、この頃から図面を書く勉強もし始めていたね。
長田:お店が休みの日に千葉さんに教えてもらいましたよね。
藤島:現場にも連れて行ってもらったりして、図面と照らし合わせながら教えてもらってとても勉強になりました。
このお店を通して伝えたいこと
藤島:振り返ると、このdiy service centerに関われたことで色々な経験ができたり、素敵な出会いがあったり。僕らが将来やりたかったまちづくりの第一歩が踏み出せたような気がするな。最後に、それぞれのこのお店と韮崎のまちに対する想いを教えてください。
千葉:このお店には、山梨は全国で空き家率がNo. 1だからそれを解決していくところに繋がって欲しいという気持ちと、まちのハブになって欲しいという願いがあるな。
他の地域の事例を見ると、ゲストハウスがまちのハブになっていて、そこにまちのことをよく知った面白い人がいて、観光客にまちを紹介する事例が多くて。このお店がそんな役割を果たして欲しい。韮崎への観光客がまずはここに寄るとか、そんなふうになるといいな。
『まちづくり』って経済の面からも言えるし、お店を出すこともそうだし、建物を建てることも言える広いワードだと思うんだ。自分は建築士でハードを整える仕事をしているから、これからも面白いお店や場所を作っていくことで貢献できればなって考えているよ。
長田:俺も、大学でまちづくり工学科に所属してハードを整えることを学んでいて、それはもちろん大事なんだけど、やっぱり人って大事だなって最近すごく思うな。韮崎にアメリカヤが復活して徐々にまちが賑わってきたというこの流れも、千葉さんっていうキーパーソンがいてこそだったし。千葉さんが接しやすい人柄で、ハードを作れる腕も持っていることで、みんな相談に来やすいんだと思うし。熱い想いを持つことも人柄や腕も、全部が大切なんだなって感じるな。
藤島:どんなにいいハコモノがあっても、そこでお店をやる人に気持ちが入ってなければ台無しだもんね。やっぱり誰がやるかってことはすごい大事だね。韮崎にはこれからもっと熱い人たちが集まってきて面白いまちになるといいな。
このお店も「DIYショップ」だから専門的な印象が強くて、もしかしたら女性には入りにくさがあるかもしれないけど、いろんな人にもっと興味を持ってもらって、お店にきてもらいたいな。見ていくだけでも全然いいし、なにかわからないことがあれば気軽に我々スタッフに聞いて欲しいな。最近はいろいろなことに答えられるようになったし。(笑)
お店のリニューアルの経緯について対談していたのですが、この辺りからそれぞれのまちに対する熱い想いが溢れてしまい脱線して長い話になってしまったので、その話はまたの機会に!
この記事を読んでくれたみなさま、リニューアルされたamericaya diy service centerにてお待ちしております!
基本情報
『americaya diy service center』
住所:407-0023 山梨県韮崎市中央町10-17アメリカヤビル2F
電話番号:0551-45-7291
営業時間:11:00〜18:00定休日:水・木曜日定休