2022年3月、韮崎中央商店街の入り口に「Chance Center(以下:チャンスセンター)」という店がOPENした。店内には、店主の上野恵さんの知り合いの作家たちがつくる個性豊かな雑貨や、上野さんがセレクトしたブレンドハーブなどの商品が並んでいる。そして、不定期でライブやワークショップも開催されている。
「まだふわっとしていて何屋かと聞かれるとむずかしいんです」と上野さんは言うが、通りを歩いている人がふらりと立ち寄り、話をしている様子を見ていると、今後ここで様々な楽しい出来事が生まれていくのだろうという予感がする。
今回は、チャンスセンターによりみちして、上野さんにお店のこと、今後やっていきたいことなどをお聞きした。
目次
「いろんな人に会える場所」チャンスセンターができるまで
上野さんが韮崎に移住した理由
チャンスセンターを運営しているのは、2021年9月に東京から韮崎に移住してきた上野恵さん。
学生時代に建築を学んでいく中で古民家再生に興味を持ち、東京に暮らしながら北杜市にある「Beyond自然塾」のボランティアとして定期的に山梨を訪れ、DIYの手伝いなどをしていたそう。
上野さん:Beyondの活動を通して、山梨や長野に会いたいと感じる人、行きたいと思う場所が徐々に増えていきました。休みの日にこちらに来る生活を楽しんでいたらコロナ禍に突入し、気軽に県を跨げない状況になってしまったんです。すごく不自由さを感じて、「ならば移住してしまおう!」と考え、移住先を探し始めました。
店舗は元宝くじ売り場?出会いとチャンスをつなぐ場所に
上野さんはBeyondの活動に参加するときにはいつも、韮崎市穂坂町にある「空穂宿」というゲストハウスを利用していた。空穂宿の帰りに立ち寄った韮崎中央商店街の入口に、かつて宝くじ売り場として使われていた物件を発見し、「ここで何かやってみたい!」と強く感じたのだという。
上野さん:当初はお店をやる予定はなかったのですが、この物件のミニシアターのような雰囲気や立地の良さに惹かれ、「ここで何かをすればきっと色々な人に逢えるだろう」と夢が膨らみました。
そこからは物件の契約や住居探しなどがトントン拍子に進んでいき、まるで運命に導かれたかのように韮崎に越してくることになった上野さん。
お店の改装は、友人や通りすがりに声をかけてくれた方(!)などが手伝ってくれたのだというから、上野さんには人を惹きつける魅力があるに違いない。
店名はかつて宝くじ売り場として使われていたときの「韮崎チャンスセンター」という名前を活かして「チャンスセンター」に決定。
まずは、土・日・月曜日と週末の3日間にお試しで店を開けてみる生活がスタートした。
個性豊かな雑貨やおいしいハーブティーに出会えるお店
モノづくりの楽しさを伝えるギャラリーのような店内
大きな窓がある北側の小上がりスペースには、山梨をはじめ全国各地で活動しているクラフト作家たちがつくったという雑貨がずらりと並んでいる。
黒く塗装した壁に個性豊かでカラフルな雑貨がよく映えていて、ギャラリーのような雰囲気も感じられる。
上野さん:トルコガラスビーズを使ったアクセサリーは、南アルプス市に住む作家さんの作品です。カラフルでユニークな形をしたビーズも取り扱っているので、自分でアクセサリーなどをつくってみたい人にもおすすめです。
上野さん:これは、転写シートを陶器やガラスに焼き付ける「ポーセラーツ」という技術でつくったチャンスセンターのロゴ入りマグカップです。これから、オリジナルカップをつくりたいと考えている人のオーダーも受けていきたいと思っています。
上野さん:こちらは、叔母がくれたもので、すごく素敵だなと思って飾っています。まだ売るかどうかは決めていませんが、こうして人に見てもらえる場所ができてよかったなと思っています。
取り扱う商品は、これからまだまだ増やしていく予定とのこと。単にものを売っているというより、モノづくりの楽しさ、モノ自体が持つストーリーが感じられる商品が並べられているという印象なので、新たな発見や気付きがあり眺めているだけでも楽しい。
体調や気分に合わせて選べるハーブティー
店内にはハーブ好きの上野さんが笛吹市の「cotoleaf」、松本市の「こーさんのうち」から取り寄せたハーブティーも並んでいる。
「ぐっすりすやすや」「デトックス」など、そのお茶の効果が書かれていて、上野さんと話しながら選ぶことで、「そういえば最近疲れていたかも?」と日々を振り返るきっかけにもなりそうだ。
今後は、お客さんが自身でハーブを選んで調合を楽しめるような「HARB BAR」もつくっていきたいそうなので、こうご期待!
お茶をしながら上野さんとおしゃべり
店内で販売しているハーブティーやソフトドリンク類は、セルフサービスでALL100円と、とっても良心的な設定(ノンアルコールビールのみ200円)。
ほっと一息つける場所が商店街の入り口にあるのは何だか素敵で、この価格であれば子どもや学生も気軽に立ち寄ることができるので良い光景が生まれていきそうだな…と思う。
優しく柔らかな雰囲気を持つ上野さんは、何より人との繋がりを一番大切にしているそう。ひとり一人と向き合うためにはどうしたらいいかと考え、昨年心理カウンセラー2級の資格を取得したという。
「老若男女関係なく色々な人と話してみたい」とのことなので、この記事を読んでいるみなさんもぜひ話をしてみてほしい。
\お知らせ/
『200時間チャレンジモニター募集中!』
心理カウンセラー2級の資格を取得した上野さんが自身の修行として、カウンセラーの手法の一つである「30分の傾聴」を無料提供しています!計200時間を目標としているそうなので、話を聞いてもらいたい人や興味のある人は、ぜひご体験してみては?
使い方はあなた次第!新しいことに挑戦できる場所
チャンスセンターでは場所貸しも行っており、イベントを持ち込むこともできるという。なんと、オープンから1年間は会場費も無料とのことなので、やってみたいことがある人は気軽に相談してみてはどうだろうか。
上野さん:先日は「マクラメ」という織物技術を伝えながら全国を旅している作家さんの石包みアクセサリーをつくるワークショップが開催されました。まるで売り物のようなかわいいネックレスを自分でつくることができ、ものづくりの楽しさを感じてもらえたのではないかなと思います。
私自身もすっかりマクラメにハマってしまって、最近は店番をしながらずっとつくっているほどです。
上野さん:以前は知り合いのアーティストさんのライブも開催しました。商店街の入り口で音楽を鳴らして、ライブの後はお客さんとして来てくれていたアメリカヤ横丁の店主のお店「ニューヨーク」にみんなで食べに行って。
そこでも、みんなでギターを弾いたり歌ったりして、とっても楽しかったです。次回は横丁開催も決定したので、きっかけをつくれたことがとても嬉しいです。
上野さん:オープンしたばかりでここがどんな場所なのか私自身もはっきりとわかっていませんが、すでに多くの方が関わってくださり活用の幅が広がってきていると感じています。
出逢ったばかりの人とも、「今度こういうことしよう」「ああいうことしよう」と妄想ができるお店って楽しいなって思うんです。まだまだ発展途上なので、温かく見守っていただけたら嬉しいです。
よりみちのかえりみち
上野さんのお話を聞いていて、「チャンスセンターという名前はこのお店にぴったりだな」と感じた。どういう場所なのか固定しすぎず「余白」を残しているからこそ、上野さん自身もお客さんも思い浮かんだ様々なアイディアを気軽に共有したり、新しいことに挑戦したり、たくさんのチャンスを掴むことができるのかもしれない。
上野さんは他にも、「早朝や深夜にお店を開けてみたい」「パンを仕入れて販売するのもいいかも」など、沢山のやってみたいことをワクワクとした表情で語ってくれた。
今後この場所でどんなことが行われていくのかをチェックしつつ、「自分だったらどんな風に使おうかな?」と想像を膨らませてみるのも楽しみ方の一つだ。
チャンスセンターの基本情報
- 所在地:韮崎市中央町1-19
- 営業日:Instagramをチェックしてください
- Instagram(問い合わせはDMから):chance_center_326