山梨と東京の二拠点生活で"自分らしい暮らし"を実現。韮崎に新たな居場所を提供する『Alp Shop & Studio』

山梨県のJR韮崎駅から徒歩2分の場所に位置する『Alp Shop & Studio』。全国の作家から仕入れた、こだわりの“うつわ”を販売するセレクトショップです。

このお店を営むのは、田久保博樹(たくぼひろき)さん・いりすさんご夫婦。東京都と韮崎市での二拠点生活をしています。

今回は田久保さんご夫婦に、移住先に韮崎を選んだ理由や住み心地、お店への想いを伺いました。

二拠点だからこそ叶う"自分らしい働き方"

『Alp Shop & Studio』がオープンしたのは2023年。お母様の影響でうつわが好きになり、「お店を持ちたい」という夢を叶えたいりすさん。

実は、いりすさんは写真・映像作家として、全国各地で自治体や企業発信をサポートするお仕事もしています。月曜から水曜は撮影を含むクリエイティブワークのために各地へ出張し、木曜から日曜はお店の営業をしているそうです。

一方で博樹さんは東京の会社に勤めており、平日は東京の家から出勤。週末は韮崎で過ごしています。

それぞれの特技を仕事に生かしながら、充実した日々を過ごすお二人。移住希望者のロールモデルとなっているだけでなく、地域の人々にも前向きな刺激を与えています。

自然も通勤も帰省も。生活と趣味がちょうど良く重なったのが韮崎

店舗が入るのは韮崎のシンボルビル「アメリカヤ」

店舗が入るのは韮崎のシンボルビル「アメリカヤ」

ーーなぜ東京都とは別の場所での暮らしを考えたのでしょうか?

いりすさん:
結婚を機に東京に来たのですが、もともと福井県や徳島県に移住したことがあるんです。写真で地域を盛り上げたいと、地方をメインに活動していました。それもあって、のんびりとした環境に慣れていたんですよね……。
東京に住み始めたときに、ちょっと合わないかなと感じて移住を本格的に検討しました。

博樹さん:
結婚する前から彼女は東京以外で暮らしたいと言っていたので、当初から二拠点生活は頭にありました。私も地域活性に関する仕事をしていましたから、地方には魅力を感じていて。

ただ私の職場は東京なので、行きやすい距離で考える必要があったんですよね。さらに妻の実家である静岡県にもすぐに行ける距離がいいかなぁと考えて、地図を眺め……(笑)。
場所的にちょうどいいんじゃない?と思った場所が韮崎市でした。

初めて韮崎に訪れた日を思い返すお二人

初めて韮崎に訪れた日を思い返すお二人

ーー韮崎いいかも!と思えたポイントはありましたか?

博樹さん:
私たち2人とも登山が好きということもあり、自然を感じられる場所がよかったんです。韮崎を調べてみると、富士山をはじめ、八ヶ岳や南アルプスなど各方面で壮大な山々が眺められる街だと知りました。

アメリカヤのリノベーションの記事をウェブでたまたま見かけて、魅力を感じたのも大きいですね!

特急列車が停まるJR韮崎駅のほか、インターチェンジもある。東京や静岡へも出やすく便利なのでいいなと思いました。

いりすさん:
甲府市や清里などの観光地へ30分ほどで行けるのもいいですね。登山で長野方面に行く時も遠すぎず、ちょうどいい距離感だと思います。

 

理想の環境に加え、アクセスの良さに魅力を感じた田久保さんご夫婦。暮らしと趣味、仕事のバランスがとれた街が“韮崎市”だったそうです。

山好きにはたまらない景色。人の優しさやつながりに背中を押された

レトロ感あふれる「アメリカヤビル」の2階に店舗を構える

レトロ感あふれる「アメリカヤビル」の2階に店舗を構える

ーー移住先に「韮崎」が挙がった際、移住相談窓口を活用しましたか?

いりすさん:
はい、韮崎市いいなぁという話が出てすぐに韮崎市のホームページにある、移住相談窓口に連絡しました。移住相談員の方とオンラインでお話したのですが、本当に親身に話を聞いてくれてすごく印象が良かったです。

ーーその後実際に行ってみようと……?

いりすさん:
そうですね、話を聞いて「ちょっと見てみよう!」と。1回目は自分たちで宿泊先を手配して行きました。

ーーその時の韮崎の印象はどうでしたか?

博樹さん:
やっぱり山がきれいでいいなぁと思いました。二人とも山が好きなので、この景色は魅力的ですね。生活や仕事のことも考えながら街を見て回りましたが、ここなら不便なく生活できるんじゃないかと。

自然だけでなく、スーパーはあるし駅やインターチェンジもある。東京への移動もしやすいのでアリだなと思いました。

韮崎の街並みと富士山

韮崎の街並みと富士山

ーー1回目は自分たちで宿泊先を手配したとのことでしたが、市が設けている「お試し移住制度」は活用しましたか?

いりすさん:
はい、1回目に来て「いいな」と思ったので、今度は生活する目線で過ごしてみようと2回目に「お試し移住」を使いました。制度を活用するにあたって手続きの相談をしたのですが、本当にみなさん優しくて。いい人ばかりだったのも、もうひとつの居場所として決めた理由のひとつです。

博樹さん:
2回の宿泊で、ほぼほぼ決めました。あと1回宿泊したのですが、その時はもう手続き関係のために来たという感じです。自然・人・利便性、この3つのバランスがちょうどいいのが決め手かなと思います。

 

田久保さんはお試し移住のほか、以下の制度を活用したといいます。

  • 起業支援補助金制度
  • 定住促進住宅家賃助成制度
  • IT導入補助金制度(実施:経済産業省中小企業庁)

韮崎市は移住制度が充実しており、サポートが手厚い点も魅力です。
移住サポートや制度に関する詳細は、韮崎市公式ホームページよりご確認ください。
https://www.city.nirasaki.lg.jp/index.html

生活に溶け込むうつわ。いいモノをもっと身近に感じてほしい

洗練された作品が並ぶ店内

洗練された作品が並ぶ店内

『Alp Shop & Studio』は、駅前商店街に佇む韮崎のシンボル「アメリカヤ」の2階で営業しています。

『Alp(アルプ)』という名は、山への愛を込めて「アルプス」からいただいたのだとか。アルプスから連想される「(降り積もった雪の)白さ」や「卓越」のイメージは、作家たちの丹精込めた作品を展示する空間にふさわしい響きだと感じたといいます。

店頭に並ぶうつわは、作家のセンスと技が光るものばかり。長年数多くのうつわを見てきた、田久保さんご夫婦による選りすぐりの商品が並んでいます。

いりすさんが丹念に選び抜いた作品が集う

いりすさんが丹念に選び抜いた作品が集う

ーーお店をオープンするにあたって、意識したことはありますか?

いりすさん:
うつわが展示されるギャラリーは少し入りにくい印象があると思います。お店に入ったら「何か買わなきゃいけないんじゃないか……」という緊張感があるじゃないですか。私はそういうのが苦手だったので、もう少し日常に寄り添ううつわの魅力を伝えたいと思いました。ふらりと寄れたり、気軽にうつわの使い方の話ができたりするお店にしたいと考えました。

日本各地の魅力的なうつわと出会う空間

日本各地の魅力的なうつわと出会う空間

ーーギャラリーの緊張感をなくすために、どのような工夫をしているのでしょうか?

いりすさん:
日常使いができるリーズナブルなものから、うつわの世界にちょっと踏み込んだ特別感のあるものまで、多くの種類をそろえました。
うつわの世界へのハードルを低くして多くの方に触れてほしい、といった思いもあり、うつわだけでなくアウトドアグッズやクラフトビール、本など、自分たちが使用して本当におすすめしたいものを置いています。今はうつわ以外を目当てに来る方もいますよ。

博樹さん:
食器って今はどこでも安く手に入りますからね。そんな中でも作家さんが作るうつわの魅力を知ってもらうことが大切だな、と思います。

うつわ以外の小物を求め足を運ぶ方も

うつわ以外の小物を求め足を運ぶ方も

暮らしを豊かにする商品も取り揃える

暮らしを豊かにする商品も取り揃える

インテリアにも自然になじむ木彫り熊

インテリアにも自然になじむ木彫り熊

店頭に並ぶ作品の中には、手に入りにくい人気作家の作品も。人気作家や有名作家の作品はそう簡単に取り扱えるものではないといいますが、いりすさんはそんな方へも熱心にアプローチしているのだとか。仕入れのために資料を作成し、プレゼンテーションをして掛け合うといいます。

山梨県にはうつわ屋さんが多くなく、このようなお店を待ち望んでいたというお客様も。いりすさんが選ぶ人気作家さんの作品を目当てに、県外から訪れる方もいるそうです。

地域住民との交流を深め、これからもここでゆったり暮らしたい

オープニングパーティーで交流を深める様子

オープニングパーティーで交流を深める様子

韮崎市に来て4年目になる田久保さんご夫婦。今の生活を踏まえ、今後について伺いました。

ーー韮崎での生活に慣れた頃かと思いますが、気になる点や注意点はありますか?

博樹さん:
いいえ、本当にないですね。東京との行き来も問題ありませんし、生活も気になるところはないかな……。私たちはすでに持っているので問題ないですが、車は必要だなと感じるくらいです。

お店のことでいうと、店舗がある商店街をもっとアピールしていけたらいいなと思います。商店街は今、リノベーションをして店舗をオープンさせる方が多く、賑わっています。ただ、JR韮崎駅の裏側なので気づいてもらいにくいんですよね。駅裏に面白い場所があるという事をもっと宣伝して、韮崎を楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。

ーーこれから韮崎で、どんな生活をしていきたいと思いますか?

博樹さん:
将来的にマイホームを建てたいと考えています。
やっぱり東京で家を建てるのは、環境的・費用的に少し難しいと感じていて。現実的な費用感でありながら、広々暮らすとなるとここ(韮崎)がいいですね。景色はもちろんのこと、駅やインターチェンジもあるし。日常的に「いい場所ないかなぁ」と土地を見ています。

いりすさん:
密集した都市住宅が苦手なので、この辺りでゆとりのある理想の家を建てられたら嬉しいです。

休日はお二人で趣味の登山を楽しむ

休日はお二人で趣味の登山を楽しむ

博樹さん:
あとは、韮崎の方や近隣の街の方と交流ができるイベントもやりたいですね!
山好きの集まりとかクラフトビール好きの集まりとか。イベントをきっかけに集まって知り合いが増えたら、もっと面白そうだなと思っています。

実際に自分たちは韮崎の人にいろいろと繋いでもらったので、そういう機会を作れたらいいなと。交流の機会がない移住者さんたちとも交流ができたら嬉しいです。

 

 

街の人や観光客との交流、つながりにも魅力を感じている田久保さん。

素敵な商品だけでなく心地よい空間を提供する『Alp Shop & Studio』は、これから韮崎の居場所として訪れる人を癒してくれることでしょう。

店舗の営業時間など詳しい情報は、Instagram(https://www.instagram.com/alp_shopandstudio/)にてご確認ください。

また、オンラインショップからも購入できますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
オンラインショップ:https://ec.alpshop.jp/

『Alp Shop & Studio』基本情報

  • 住所:山梨県韮崎市中央町10-17 アメリカヤビル2F
  • 営業時間:
    木・金:13:00~17:00
    土・日:11:00~18:00
    ※変更の可能性あり。詳しくはInstagramにて
  • 定休日:月・火・水
  • 駐車場:アメリカヤビル横に6台あり
    ※満車の際は韮崎市市民交流センターニコリ、または近くのコインパーキングをご利用ください。
  • ホームページ:https://alpshop.jp/
  • Instagram:https://www.instagram.com/alp_shopandstudio/