穴山出身。山梨大にて野外教育を学ぶ傍ら、国内外ヒッチハイクの旅や学生活動に注力していた。現在はプロジェクトデザインを生業とするシタクビト、韮崎で中高生と社会との交差を生み出す河原部社、全員複業型で仕事を通して暮らしを作っていくHudanという3つの会社を運営している。
ーProfileー
西田遙。1991年山梨県生まれ。大工の父親の元6歳からセルフビルドの道へ。山梨大学にて野外教育(camp)を学ぶ。学生時代1年間休学し、国内外ヒッチハイクの旅を経て、シェアハウス兼シェアスペースiira創業。大学4年の夏、標高1000m、人口400人程の山奥に移住。卒業と同時に地域のプロジェクトデザインを生業とする一般社団法人シタクビト創業。翌年、地元韮崎にて中高生と実社会との交差を生み出すNPO法人河原部社創業。中高生の拠点Miacisを立ち上げ施設長に就任。現在暮らしと仕事のセルフビルド実践中。
オールスーパー黄昏タイム
年間1600人くらいの中高生とMiacis(後半で説明あります)で関わっています。だから、日々いろんなことを話しているわけですが、「なるほどな」とか、「なに言ってるかわからないな」とか、「そうくるのね」とかとか、そういった状況がよくあっておもしろいです。
最近だと
ってさらりと返ってきて、なにそれ。素敵。ってなりました。
鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳を毎日拝めるのはすごいことだと思う
オールスーパー黄昏タイムかっこいいなってことは置いておいて、そんなオールスーパー黄昏タイム感覚を日常の中で持ててるということに、ひとついいよなと思うのです。
今回は、そういった韮崎で暮らし、働く中で見えてきた、これって大切なんじゃないかなと思っている事柄をちりばめつつ「わたしと韮崎と未来」について書いてみることにします。
地域ってなんだ
仕事がら、韮崎=地域とか地元とか地方と変換して、地域活性を考えたり、実際に行政と協働で事業をしていたりするのだけれど、この「地域」というものが結構分かりにくいなといつも思っています。
もう少し分かりやすい捉え方はないかと考え、いま一番しっくりときているのが「じぶんたちのいるところ」という感覚、変換の仕方。(絵本『かいじゅうたちのいるところ』っぽくて気に入っています 笑)
「地域」とするとなんだか地図上に引かれた境界線や、行政自治区での区切を無意識に意識してしまうけれど、「じぶんたちのいるところ」とすると境が自分を中心とした円になって、自分事になるというか、分かりやすい気がします。
高いところに登って実際に自分の目で感覚で捉えたら。分かることもあるはず
「地域を良くしよう!」よりか「じぶんたちのいるところを良くしていこっか。」という感じです。字的にも柔らかいし。
なので、ここでは「韮崎=じぶんたちのいるところ」として書き進めていきます。
ひとつだけじゃなくていい
人類には400万年の歴史があるらしく、定住生活をし始めたのは約1万年前からだそうで。大体1年に換算するとまだ最初の1日目くらいの感覚。私たちはまだ、定住生活は始めたばかり。慣れていないともいえます。
考古学者の岡村道雄さんは
“人類は定住できなくて遊動していたのではなく、遊動が本来の生態に一番あっていたから定住しなかったのではないか。会社辞めて旅に出るとか自分の生きる目的はこうじゃないとか、現代の状況から解き放たれようとする動きがあるとすれば、それは人類の本来的なフレキシブルな生き方に回帰するようなものなのかもしれない。”
と言っていて、そう考えると「じぶんたちのいるところ」はなにもひとつだけじゃなくてもいいし、むしろいくつかあった方が自然な気がしていて
ただ、「じぶんたちのいるところを良くしていこっか」という感覚さえ持っていたら、どこに行っても、どこに居ても、きっとその人自身にとって、その環境にとって、いいようになるはずだと思っています。
ふらっと旅に出ます。
なにをやっているか
じぶんたちのいるところのひとつとして、ずっと地元(韮崎)があって、ずっと地元にいるのも相まって、結構愛着がある方だと思います。
自分にとってのスーパー黄昏タイム感覚や、スポットもいくつもあるし、関係したいと思える人も年々増えてきました。本意ではなかったけれど地元の大学に進学したことで、在学中
の経験や関係性をそのまま活かせているのも大きいです。
すこしの工夫があれば遊び方は地元にだってたくさん
行動を起こす理由は案外それくらいで十分で、だからこそ、ここ2~3年取り組んでいることのひとつに、「中高生と実社会の交差を生み出す」というのがあります。
地元の子どもたちに、じぶんたちのいるところに対する愛着があって、そこを良くしていこう、自分たちの未来を自分たちでつくっていこうとする意志があったら。きっとそれはいいマチを、社会を作っていくことに繋がるのだと思います。
もちろん子どもだけでなく大人もというのは当たり前ですが、特に地元の子が地元にいるうちにというのが大切だと考えていて、
そのためにまずは中高生と日常的な交流関係を築くために、ニコリの地下1Fで、中高生の拠点「Miacis(ミアキス)」という施設を立ち上げ運営していたり、そこで出会った中高生に対して実社会との交差を生み出すようなきっかけや機会の提供をしていたりします。
Miacisを運営するスタッフたち。前の6人は中高生
実社会との接点を
不動産屋になりたい話
そしていま、もう一つやりたいと思っているのが、不動産業。
不動産業(中でも事業用物件の掘り出しと仲介)を通してじぶんたちのいるところをより良くしていくこと。
いやむしろ、未来を考えたとき、じぶんたちのいるところを良くしていくためには不動産業は欠かせないだろうとすら思っています。
そして最近の発見に、歳をとると近場との付き合いになっていくんだなぁということがあって、これはみなさんからしたら当たり前かもしれないですが、よくよく考えてみると、それなのにその近場に暮らしている人同士って、どんな暮らしをしていきたいかを共有していないよなと思っていて
たとえば、自分の家と庭を理想的なものにしたとして、でもすぐ隣が自分にとってすごく相性の悪い感じだったら、暮らしはよくならないのではないかと思います。
デンマークにある暮らしの哲学を合わせたコミュニティ。元牧場の跡地を暮らす人たちで造り替えたらしい。ずっと滞在していたかった。。
シマウマもいました。
暮らしは自分たちだけで完結するものではなく、環境にすごく影響を受けると思うから、だからこそ、そういった暮らしの哲学みたいなものを共有しつつの、円を拡げた考えを持ったうえでの、じぶんたちのいるところをつくっていく。
そういったこともサポートする、提案していける不動産屋をやりたいなと考えています。
七里岩ラインに魅力を感じているからそのエリアに特化するのもいいなーと構想中
さいごに
なんだか韮崎と未来の話をしているようで、していないような気もしていますが、
どんなことを考えていて、これからなにをしていきたいのか。なんでやるのか。
そんなことを共有することによって、なにかが起こったら面白いなと少し楽しみです。
他の人の考えも知りたいなと素直に思いながら書いていました。
次はどんな人のどんな考えが読めるのか。すごく楽しみです。
と、いうことで。
この『わたしと韮崎と未来』記事は、リレー形式でいろいろな人が語っていく企画となっているようなので、
さっそくバトンを、まずは編集部のひとりであり、東京と韮崎の2拠点生活&事業を展開ている功力昌治さんに渡したいと思います!
地元で暮らしたいけれど、「やりたい仕事がない」「働くところあるの?」そんな言葉を浮かべる人は多いはず。
そんな中2拠点に可能性を見出し、事業を立ち上げ、さらにこれから新たな仕掛けをしようとしている功力さんが描く未来とは。楽しみにしています。
全然書ききれなかったけれど、スポーツの分野でも何かしていきたい。こういうのつくりたい。とっても。