現在は月に数回韮崎に通いながら、いろいろな取り組みに関わる。現在は、韮崎に住むべく、住居を探し中。
2019年も引き続き、地方移住への関心が高まっています。昨年2月に、UIJターン支援を行っている認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表したデータによると、2017年は33,165件の移住相談があり、増加の一途を辿っています。
ローカルメディア「にらレバ」の活動地域である韮崎市でも、移住支援を積極的に行っており、移住相談員の川﨑三奈子さんによると、2018年は100組以上の方から移住に関する問い合わせを受けたそうです。
このような背景の中で、にらレバ編集部は、ちょうど韮崎への移住を検討中のカップルと出会い、韮崎の魅力を知るきっかけになればと公開相談会を企画。移住相談員の川﨑三奈子さんと、総合政策課の平賀夕子さんを招き、韮崎への移住の魅力に迫りました。
※平賀さんはピンチヒッターとして当日駆けつけていただきました。
30代の移住が増加中。地方はフロンティア
今回移住相談を行うのは、20代前半のカップル。どちらも、食べ物や自然など、自分たちがどのような暮らしをしたいかで考え、現在過ごしている東京からの移住先に、韮崎を検討しています。
普段は、市役所の窓口でおこなっているような移住相談を公開でやるとあって、韮崎以外の地域からも参加者が集い、交わされる話に耳を傾けます。
地方移住のイメージといえば、現役引退後にのんびり暮らすためというような理由が思い浮かぶかもしれませんが、実際はそうではないようです。川﨑さんによると、
移住相談の多くは30代です。2018年は実際に60組くらいの相談者と面談しましたが、30代が30%で、40代も合わせると半分以上になりますね。
この事実は、全国的な地方移住への関心の高まりと共に、韮崎も若手が暮らしたいと思える可能性がある土地として、注目されていることがわかります。
韮崎に移住目前!いま気になることって何ですか?
移住しようと考えているときに、まず気になるのは何でしょうか。今回のイベントでは、住まいの探し方から質問が始まりました。どのように住まいを見つけている方が多いのでしょうか。
韮崎で多いのは、景色を基準に選ばれる方ですね。富士山が見えるのが良いとか、八ヶ岳が見えるのが良いとか。そういうリクエストに答えて一緒に探したり、ときには一緒に見に行くこともあります。
そして、住まいを決めるときに最も大事なことは、「実際に過ごしてみて、見つけること」だと指摘します。
韮崎では、定住促進住宅という制度があって、安く借りて、実際に住んでいただいて、その中で住まいを探すということができます。実際に歩いてみたり、生活しながら見つけるほうが納得度も高いと思います。
「今住んでいる環境と変わらない」という指摘も
相談者はふたりとも都内在住ということもあり、気になるのは「車は必要かどうか」「電車中心の生活から車社会になるのが心配になっている」という声も上がりました。
平賀さんは、「車が必要かどうかは場合による」としながらも、韮崎は鉄道の主要駅があり、都心へのアクセスもしやすく、住む場所を厳選すれば、電車と自転車を活用した生活を送ることも十分可能だとおすすめします。
会場にお越しになっていた先輩移住者の方からは、
暮らしてみると、今住んでいる環境とほとんど変わらないという感じもすると思います。特定のこのブランドを買えないとかはあるかもしれないですが、普段の生活では、ほとんどかわらないかもしれないです。
移住相談は入り口。地域の人との出会いのきっかけをつくる
韮崎に移住する魅力はどのようなところにあるのでしょうか。川﨑さんは、民間の移住応援団という組織があり、地域の人が移住を応援してくれていること、そして市内のどの町にも、応援者がいることを指摘し、土地への愛着がそういうかたちで現れているのではといいます。
実際に移住者の多くは、人とのつながりで来ている方が多いそうで、そのきっかけのひとつとなっているのが移住相談窓口のようです。
移住相談に来られた方に、何をしたいのかという話を聞くと、その答えによって、「あの人に会っておくといいな」とか「この人に相談してみよう」と考え、紹介をしたりしています。そこでの出会いによって、移住を決めるという方が多いんです。
実際に移住された方から、「移住する前に、その地域の人に会えて安心できた」という声をいただいています。
地方移住がうまくいくかどうかは、様々な要因があり、必ずこれをすればうまくいくというものはないはずです。しかし今回のイベントで明かされたように、「人とのつながり」から、移住がスタートする場合は、移住先で困ったり、悩んだときに、相談できる人がいるという状態になるはずです。
そうすれば、慣れない土地で不安にさいなまれるのではなく、安心して暮らしをつくっていけるのではないでしょうか。
これはIターンの人だけではありません。一度離れた地元に戻ってこようというUターンを希望する場合でも、地域の人たちとネットワークを築いている入り口から入ったほうがスムーズなはずです。
地方移住を考えたときの最初の一歩は、まずは希望する地域の人たちとのつながりを作ること。そうだとすると、自分の理想とする暮らしの青写真を携えて、地域の入り口に座っている顔の見える相談員に会いに行ってみてはいかがでしょうか。