【3/10開催決定】多文化共生について考える!トークイベント『どうなる?!どうする!?』 第2弾開催決定

2024年3月10日(日)に韮崎市民交流センターニコリ(多目的ホール3階)にて、韮崎の今を知り、これからを考えるトークイベント第2弾『どうなる?!どうする!? シン・韮崎多文化共生社会』が開催されます。

にらレバ編集部は、このイベントを企画しているプロジェクトメンバーに見どころについて話を聞きました。

取材を通して、プロジェクトメンバーたちの「韮崎の未来のために市民として何ができるのか」を常に考え・問いかけている姿に触れ、心が熱くなった。ぜひ、最後まで読んでみてください。

▶︎今回お話を伺ったのは、この2人!

片上隆三(かたがみ・りゅうぞう)
地域おこし協力隊(encle事業PL)

地域おこし協力隊としてNPO法人河原部社に所属。出身地福岡県。電気系講師、東京消防庁を経て韮崎へ移住。韮崎市の関係人口創出PJ encleを運営中。市民と関係人口が交流する場「ニラサキ通トーク」を実施。将来は桃農家として、「これまでにない農家の形」を築き、地域貢献を目指す。

篠原健志(しのはら・けんじ)
地域おこし協力隊(ユースプログラムコーディネーター)

オーストラリアのクイーンズランド州にあるグリフィス大学の国際関係学部を専攻し、グローバライゼーションと政策立案を主に学び、学位を取得。その後、アメリカのオレゴン州やオーストラリアで計5年間を外国人として移住生活を送る。留学後は地域おこし協力隊として日本の韮崎市にUターンし、NPO法人河原部社に所属する。韮崎市では、青少年育成プラザMiacisでの活動を通じて、アメリカの発達心理学に基づいた青少年育成プログラムを企画・運営している。

 

大盛況に終わった『どうなる?! どうする!?韮崎の2030。』

ーーー昨年度は『どうなる?! どうする!?韮崎の2030。』ということで「人口減少」をテーマに置いたイベントを開催されていましたね。

片上
昨年は、ニッセイ基礎研究所の天野馨南子先生を招き「韮崎の人口減少、真実の姿」という切り口で開催しました。

延べ170名が参加され、イベント終了後も話し込む人で溢れるほど盛り上がりました。

講演後に集めたアンケートにも「真実を知り現状がわかってよかった」「考えるきっかけになった」など前向きなコメントが多くて。イベント主催者として手応えを感じています。

 

ーーー「狙い通りの反応」だったわけですね(笑)。

片上
そうですね...(笑)。韮崎市役所からも天野先生のお話がよかったと大変好評でしたし、参加者からも韮崎のまちですれ違った際に「よかったよ!」と声をかけられることもありました。

それに僕自身にも変化があって。新聞記事などで「人口減少」という言葉を見かける度に反応するようになりました。

個人的な感想ですが、韮崎市民として日常の中で当事者意識を持って人口減少について考える良いきっかけになったと感じています。

 

『シン・韮崎多文化共生社会』を掲げた理由

ーーー 今年も『どうなる?!どうする!? シン・韮崎多文化共生社会』と、興味深いイベントを企画されていますが、どんな内容なんですか?

片上
今回のトークテーマは「多文化共生」で、第一部では明治大学教授・山脇啓造氏による基調講演「多文化共生社会に向けて ー 共に生きるまちづくり」

第2部では、山脇氏と“韮崎市長・Filipino Japanese・NPO法人河原部社の3名を交えたクロストークを行います。

 

ーーー なぜ、「多文化社会」をテーマに選んだのですか?

片上
僕らNPO法人河原部社が運営している『青少年育成プラザMiacis』には、フィリピンやパキスタンなど両親が日本以外の国にルーツを持っている子が利用する機会が増えてきました。

日本全体を見ても外国人と結婚する方や外国人労働者として日本を訪れる人が増えています。

韮崎市でも移民の方が増えていますが、どこか距離感があるように感じていて...。

 

ーーー 言われてみると、山梨県内でも外国人の方を頻繁に見かけるようになりましたよね。

篠原
統計的に見ても日本では少子高齢化が進み、工場や福祉といった分野は特に人手不足になると言われています。そうなると、必然的に外国人労働者に頼らざるを得なくなる。

一方で、現在の日本のあり方は、彼ら彼女らを「労働者」としか見ていなくて、一緒に住んでいるという認識が薄いように感じていて。

労働者としてではなく一緒に韮崎に住む人」として共生できたら、誰にとっても暮らしやすいまちになるのでは?と思ったんです。

 

ーーー 確かに交流する機会が少ない為に「一緒に住んでいる」という認識を持ちづらいかもしれませんね。

篠原
都市部では「多文化」について寛容的になりつつありますが、地方では情報や考える場が少ないことも影響し、まだまだ古い価値観・文化が根付いている印象です。

今後、韮崎市でも多文化交流が、ますます増えていくことが予想されます。

「移民が増えているけど、どうしたらいいんだろうね」「じゃあ、みんなで考えましょう」となるのが自然な流れかと。

 

ーーー 決して他人事ではなく、私たちが暮らしていく上で「考えるべきテーマ」なわけですね。

篠原
その通りです。

だからこそ、「多文化共生」について韮崎に関わる人みんなで考え、学ぶ機会が必要だと感じています。

 

片上
そこで、明治大学教授で多文化共生論の第一人者である山脇啓造先生しかいない!と。大変ご多忙の中無理を承知で依頼し…ご講演いただけることになりました。

 


山脇 啓造(やまわき・けいぞう)
明治大学教授

明治大学国際日本学部教授(移民政策・多文化共生論)。東京都多文化共生推進委員会委員長。総務省、法務省など国や群馬県、愛知県など地方自治体の多文化共生関連委員を歴任。主著に『インターカルチュラル・シティ―欧州・日本・韓国・豪州の実践から』(明石書店、2022年)、『自治体職員のためのインターカルチュラル・シティ入門』(欧州評議会、2021 年)、『新文化共生の学校づくり―横浜市の挑戦』(明石書店、2019 年)等。多文化共生のまちづくりをテーマに掲げる明治大学のゼミでは、行政や企業、学校等と連携しながら、学生たちと一緒に地域実践に取り組んでいる。


 

「多様性を尊重し、理解を深めること」

ーーーなぜ、山脇氏に基調講演を依頼したのですか?

片上
山脇先生は、欧州やオーストラリア、アジアの都市の政策交流に関わってきた方で、"インターカルチュラリズム"を提唱する日本の移民政策においての第一人者です

山脇先生は「多文化共生」という用語を定義された方で、日本政府の研究会では座長を務められています。

日本におけるインターカルチュラリズムの普及に多大な貢献をされてきた実績が決め手でした

 

ーーー インターカルチュラリズムという言葉を初めて耳にしました。

篠原
一見難しそうな言葉ですが、ざっくりいうと国籍や文化に関係なく「平等に扱い、多様性を尊重し、お互いを理解しましょう」というもの。

インターカルチュラリズムは、「多用な文化はポジティブなものである。外国人や移民の方を脅威としてみなすのではなく、有意義な交流やお互いのことを知る機会を積極的に提供することによって、まちや人々にとって成長するいい機会になると提唱されています。

まさに僕たちが求めていた多文化共生社会」の考え方そのものでした。

 

片上
「これこそ、僕たちのまちに必要な考え方だよね!」とプロジェクトメンバー内で盛り上がりました。

でも、残念ながら韮崎には、多文化共生について学び考える場がない

...ならば自分たちでその機会を作ってしまおう、と今回のイベントに繋がったわけです。

 

ーーー まだまだ地方で浸透していないからこそ、やる意味があると...。

篠原
そうですね。

なので、あくまでも今回のイベントでは、インターカルチュラリズムについて考えるきっかけを提供して、「何かした方が良いのかな」という行動に繋がっていくきっかけにしたいと思っています。

 

片上
意見の押し付けや言い合いをするのではなく、「市民・企業・行政」がそれぞれできることを考えるきっかけを提供できたらと思っています。

 

韮崎版「インターカルチュラル・シティ」を

ーーー第2部では、どのようなクロストークを展開するのでしょうか?

片上
第1部の基調講演で、多文化共生やインターカルチュラル・シティについての理解が深まるはずです。

それを踏まえた上で、第2部では「市民・企業・行政」に何ができるのかについて、山脇先生と行政のトップである内藤市長、フィリピン人と日本人のハーフで子育ても経験中の岩崎レイちゃん、移民として海外の大学に通った経験のある篠原健志くんの4名でクロストークしていただきます。


内藤久夫(ないとう・ひさお)
韮崎市長

慶応義塾大学法学部卒。㈱内藤の代表取締役を務める傍ら、市教育委員長や市商工会長を経てH26年11月韮崎市長に就任。”チームにらさき”を掲げ、特産葡萄を活かしたワイナリー誘致や、人口対策として「カムバック支援事業」を市民協働で始動し「青少年育成プラザミアキス」を開設。現在市長3期目として、ウェルネスの実現にむけ市営新体育館整備やスポーツコミッション充実等に取り組んでいる。

岩崎レイ(いわさき・れい)
韮崎市民

フィリピンと日本のハーフ。(父:日本人 母:フィリピン人)日本で生まれ、4歳の時から6年間をフィリピンで過ごす。10歳の時に母と妹と日本(韮崎)で暮らし始める。現在は子育てに奮闘中。日本の文化と海外の文化が混じり合い、誰にとっても優しい街になることを願っている。

篠原健志(しのはら・けんじ)
地域おこし協力隊(ユースプログラムコーディネーター)

オーストラリアのクイーンズランド州にあるグリフィス大学の国際関係学部を専攻し、グローバライゼーションと政策立案を主に学び、学位を取得。その後、アメリカのオレゴン州やオーストラリアで計5年間を外国人として移住生活を送る。留学後は地域おこし協力隊として日本の韮崎市にUターンし、NPO法人河原部社に所属する。韮崎市では、青少年育成プラザMiacisでの活動を通じて、アメリカの発達心理学に基づいた青少年育成プログラムを企画・運営している。

 


 

ーーー 登壇者の決め手はどんなところにありましたか?

片上
岩崎レイちゃんは、青少年育成プラザMiacisの利用者で、10才から日本で生活していて、これまで文化の違いを感じて戸惑う場面が多かったそうです。

現在もシングルマザーとして1歳になるお子さんを育てていますが、日本とフィリピンそれぞれの文化の良いところを尊重した子育てを実践するのが、なかなか難しいみたいで...。

当事者として「誰もが優しく共存できる社会をどうすれば作れるのか」について一緒に考えてもらいたくて依頼しました。

 

ーーー 篠原さんはどういった立ち位置で参加されるのですか?

篠原
僕は移民としてアメリカとオーストラリアに計5年住んでいて、外国人として学生を経験し、アルバイトをし、生活をしていました。

現地で感じたリアルな経験、そこから学んだ多種多様な文化を尊重するということの大切さや視点をお伝えできるかと。

また、オーストラリアの大学では、国際関係学を学んでいたので、民政策やグローバライゼーションについて、良い教授にたくさん教わってきました

その知識も交えつつ、ポジティブなクロストークができたらと思っています。

 

誰もが暮らしやすい「優しいまち」

ーーー 最後に、どのような方に参加していただきたいですか?

片上
韮崎市民・行政職員・企業経営者」の方には、率先して参加してもらいたいです。

国際文化が好きな人、まちづくりに興味がある人、韮崎の未来が気になる人など、自分たちのまちをよりよくしたいと思う方には満足いただける内容だと思います。

 

篠原
韮崎市民・企業・行政...それぞれの分野で活躍している人が、家に帰ってからも「自分たちにできることはなんだろう」と考えていただきたいです。

例えば、「今より優しい日本語を喋ってみようかな?」「韮崎市にはどんな政策やポリシーがあればいいんだろう」とか。

これは、外国人や移民の方が身近にいなくても、まちづくりに必要な気持ちだと思うんです。

 

ーーー誰もが暮らしやすい「優しいまち」。素敵な構想ですね。

篠原
理想論だと言われてしまうかもしれませんが、外国人労働者としてみるのではなく「1人の人として受け入れる気持ちが大切かと。

「どうすれば、彼ら彼女らが暮らしやすい社会になるかな?」と考えるきっかけになればと思っています。

片上
世の中の流れを見ても国策として多様性の推進を進めていますよね。

韮崎市も行政改革の1つとして、インターカルチュアリズムの思想を取り入れた政策を作れば、まちの魅力度も上がるでしょうし、巡り巡って人口増加にも繋がるかもしれない。

個人的な意見ではありますが、暮らしやすいまちは市民全員参加で作っていくものだと思っています。

今回のイベントをきっかけに、雇用や人口減少といった問題を解消する糸口にも繋がっていけば嬉しいです。

 

イベント概要&申込方法はコチラ!

  • 日程
    令和6年3月10日(日)
  • 時間
    15:00〜17:00(14:30開場)
  • タイムスケジュール
    ※一部変更の可能性もあります。
    ◉14:40〜15:00 受  付
    ◉15:00〜15:10 オープニングトーク
    ◉15:10〜16:00 第1部(山脇啓造氏による基調講演)
    ◉16:05〜16:55 第2部(クロストーク)
    ◉16:55〜17:00 クロージングトーク
    ◉17:00〜     イベント終了
  • 会場
    韮崎市民交流センターニコリ 多目的ホール3階
    (〒407-0015 山梨県韮崎市若宮1-2-50 NICORI)
  • 定員
    100名
  • 参加費
    無料
  • お申込方法
    お申込みフォーム または、下記のQRコードよりお申込みください。

  • お問合せ先
    NPO法人河原部社
    (担当:片上)
    TEL:0551-45-9919 またはinfo@kawarabe.com
    受付時間14:00~20:00(火曜日定休)
  • 主催:NPO法人河原部社 encle事業
  • 共催:韮崎

 

主催の“河原部社”とは?

本イベントは韮崎市にあるNPO法人河原部社が、韮崎市より業務委託を受け企画しています。

河原部社は、韮崎の地元有志ら5名が集い、0歳~18歳への『切れ目のない支援を目標に活動をはじめました。

山梨県初となるユースセンター『青少年育成プラザMiacis』の開設や、ローカルメディア『にらレバ』の運営、キャリア教育プログラム『シラカンパ』の開発などを行い、3年目からは若者たち主体の組織へと変化を遂げました。