【イベントレポート】2拠点生活のはじめの一歩は、「人と話をし続けること」。実践者が語る自分と地域の関わりの作り方。

イベント

にらレバが定期的に実施している都内イベントを、今回は神奈川の関内にあるコワーキングスペース「mass×mass関内フューチャーセンター」さんにて開催しました。

一度地元を離れバリバリと仕事に邁進した後、Uターンし、2拠点で活動を始めたお二方をゲストに開催した、”「地方で働く」を考える会議in横浜”のダイジェストレポートをお届けします。

にらレバ編集部は4人の内2人が2拠点(多拠点)生活をしています。

2人は日頃からその生活スタイルについて質問を受けることが多く、ローカルに関心のある人たちの中でも”地方移住”や”2拠点”というキーワードは度々話題にあがっています。

それならば、自分たちでイベントを開催し、日頃感じていることをお伝えすることで、関心のある人の役に立ちたい。そして2拠点に適した韮崎というまちのことをもっと多くの人に知ってもらいたい。そんな思いで今回のイベントを開催することとなりました。

ゲストは2拠点生活をしながら、地域づくりに取り組む実践者!

森川正信
関内イノベーションイニシアティブ株式会社 クリエイティブディレクターLIFT45 デザイン&ディレクション
マスマス関連のクリエイティブディレクション、企画のプランニングから場づくり、映像制作等を手がける。地元(大磯)と横浜の2拠点生活。

功力昌治
山梨県韮崎市生まれ、韮崎高校出身。大学卒業後10年強ベンチャー企業を渡り歩き、新規事業開発やマーケティングに従事。2017年、地元韮崎と都会を結ぶコンセプトの株式会社8Labを創業。地元(韮崎)と東京の2拠点生活。

モデレーターは自身も他拠点生活を実践中のにらレバ編集部の岡田(通称岡ちゃん)が務めました。

伝えたいことは、地方移住を「考えてみる」ことの大事さ

参加者のアイスブレイクではそれぞれの考え方の違いを絵で可視化

岡田
多拠点生活や地方移住が良いことのように語られている節があるが、そもそもそうなのか?

モデレーターの岡ちゃんは、まず始めに会場にそう問いかけました。

アイスブレイクでは、考え方の違いを可視化するかのように、流れ星や木や月をテーマにお絵かき。それらを相互に見せあって、捉え方は人それぞれだということを実感。

正解はないからこそ、自分で考え続けることが大切というメッセージが伝えられます。

岡田
「まずは考えてみることからスタートしましょう。今日がそんな機会になったらいいと思っています!」

二拠点生活は、「価値観の近い人」を見つけるのが一歩目

「まず何をすることが二拠点生活のために必要なのか」という問いに対して森川さんは、

森川
「ローカルで仕事はいきなり増えない。だからこそ、ちょっとずつ支えられる仕組みというか、みんなで支え合う、繋がる入口としても拠点(コミュニティ)が必要だと考えています。」

”入口となる拠点”があることの重要性を訴えました。

森川さん自身も、シェアオフィスという入口から徐々に人脈が増えた結果、自然とそこに仕事や自分の居場所が見つかっていったという経験をしているため、自然に人とコミニュケーションが取れるような場があることは大切だと実感しているのだそうです。

森川
「人と会って話すことがやっぱり大切で、価値観が近しい人に自分のことや、やりたいこと、できること、求めていることなどを話しておく。その結果仕事につながったり、住処となる物件を紹介してもらえたりしたんです。」

場をうまく活用して価値観の合う人に出会い、その人たちに自分の考えていることを話しておくことが、森川さんがみつけた、ローカルでの種のまき方なのでしょう。

拠点がないから、まずは自分が拠点になる。そこから交流が生まれる

「韮崎にはコワーキングスペースなどの交流拠点がないが、功力さんはどう考えているのか?」という問いに対して、

功力
「人の想いをちゃんと聞き、自分の想いもちゃんと出していく中で、融合して新しい何かが生まれていくと、これまでの経験上信じています。そんな拠点が今地元には少ないけれど、まず自分自身がある種のそういう拠点になっていったらいいのではと思っています。」

功力さん自身も「韮崎にもコワーキングスペースのような場があったら」と思いつつも、まだ韮崎でそのような場をつくってうまく活用されていくイメージを持つことができず、ニーズや韮崎というまちに適した場の形を模索しているのだと言います。

拠点がないうちは、自分自身が人と人を繋げる拠点のような役割をするという発言に、功力さんのローカルで事業をしていくことに対する覚悟のようなものが感じられました。

功力
「紹介を受けたら、なるべく断らずに、まず一度は会う。地方だと特に、派閥というかコミュニティの色みたいなものがあるけれど、そんな境を越えて誰とでも会うことを大事にしています。そうやっていろいろな人と深く語りながらコミュニケーションをとっていき、本気で何かやりたいと思った時や困った時に相談やメッセージをするのに躊躇されないような存在になりたいんです。」

人口3万人弱の韮崎というまちでは、価値観の近しい人たちだけで集まろうと思うと、到底マンパワーが足りません。

ならば何かが生まれるかもしれないと信じて、まずは誰とでも話をしてみる。

そして多くの人にアクセスしてきてほしいから、自分自身もウェルカムな姿勢を示しておく。

それが功力さんなりのローカルでの立ち回り方、身の置き方なのです。

実践の一歩目は、パートナーの説得?

会場からも、生活スタイルやコスト面などについての具体的な質問があがり、

「地域にもっと入りたいが、家族の理解をどう得たら良いのか?」

という問いが投げかけに対して3歳の息子を持つ功力さんは、

功力
「2拠点と言いつつ僕は3拠点だと思っていて、その一つは家庭なんです。やっぱり家庭は何よりも大切な場所なので、家にいるときは全力で奥さんのサポートをするし、できるだけ希望も叶える。子どもとの時間も意識してつくるようにしてますね。」

迷惑をかけたり寂しい思いをさせたりしてしまうこともあるかもしれない家族に対して、できることは全力でするという真摯な姿勢を示すことが、当たり前のようで一番大切なことなのかもしれません。

その姿があるからこそ、やりたいことを応援してもらえるのでしょう。

地元との「かかわり代」を担うのがローカルメディアという仮説

今回の話を総合すると、人によってアプローチの仕方は様々ですが、「自分のやり方でその地域や人の役に立つことを考え続けること」が大切なのだといえます。

自分にとっても家族にとっても、もちろんその地域にとっても、「これが正解」というものはおそらく見つからないでしょう。

だからこそ、自分がしたいことやできること、求められていることを自分なりに考え続けて行動していくことが大切なのではないでしょうか。

そしてゲストのお二人が「地元」との2拠点生活だったように、地元はきっかけになりやすい場所のひとつ。

私たちが運営しているローカルメディア「にらレバ」も、韮崎出身の若者に対して、「地元とのかかわり代」を提案しています。

にらレバの記事を読んで韮崎との関わりを自分なりに考えて、そして私たちにも気軽に相談していただけたら嬉しいです。

答えありきではなく、一緒に未来をつくるような場として、多くの人と韮崎を繋げられればと思っています。

 

※一部写真を mass×mass関内フューチャーセンターさんよりお借りしています。