にらレバ学生ライター。中国出身の留学生。江西省南昌市生まれ、現在は山梨県立大学総合政策学科の2年生。観光学を学び、より深い知識を得るため、大学院に進学したいと考え中。将来は日本の観光業界に就職し、より多くの人に日本を訪ねてもらえるように頑張りたい。にらレバでは、自分の文章で韮崎の魅力を発信していくことが目標。
韮崎駅を出て北東方向にまっすぐ10分程度歩いて行くと、「ナンハウス」というインドカレーのお店があります。ナンハウスは現在、韮崎市にある唯一のインド料理屋で、昼も夜もおいしいカレーやインド料理を味わうことができます。
店舗を経営しているのは、笑顔が素敵なネパール出身の女性、バスネットマンマヤさん。
今は常連客が多いナンハウスですが、7年前のオープン当初は、さまざまな苦労があったそうです。
そんなときにバスネットマンマヤさんを助けてくれたのは、韮崎のまちの人たちでした。
今回の記事では、異国の味に触れたいときにオススメなナンハウスのメニューと、バスネットマンマヤさんのこれまでのエピソードをお届けします。
ネパール出身、技術を磨いたシェフが作った本場のインドカレー
ナンハウスのカレーは、化学調味料を使わず、天然スパイスで加味されています。
カレーメニューは豊富にあり、チキン、マトン、キーマ、ベジタブル、シーフードの5種類に分けられていて、辛さは5段階から選ぶことができます。
その中で、店長さん一番のおすすめのバターチキンカレーは、バターソースで煮込んだ骨付きチキンカレーです。甘味があるので、お子さんも食べることができます。甘さはスパイスで調味され、砂糖は一切入っていません。
キーマエッグカレーは他店でなかなか見かけない、特色があるカレーです。インドの調理法でつくられていて、キーマカレーの中に、若鶏のミンチと玉ねぎが入っていて、一番上に卵が乗っています。
ベジタブルカレーは野菜だけで作られているので、ベジタリアンの方も安心して食べることができます。ベジタブルの一種であるダルカレーはインド産の「ザナン豆」で作られたカレーで、食べやすく体にいいです。
カレーの種類が豊富なので、カレー好きの方にはぴったりなお店だと思います。
お昼はお得なランチセット!ディナーは単品料理満載!
ナンハウスにはAからEまで5種類のランチセットがあります。
土日祝日は、平日とは別のランチセットが用意されています。
セットによって内容が違いますが、基本的にカレー、ナンまたはご飯、キチンティッカ、サラダ、ドリンクがつきます。カレーは豊富な種類の中から好きな味を選ぶことができます。プレーンナンは、3枚までおかわりできます。
ランチセットの値段は、890円から1450円。手ごろな価格で、ボリューム満点なランチが楽しめます。
ディナーでは、インド風の一品料理がたくさんあります。サモサというインド風ジャガイモコロッケ、シシカバブというスパイスの効いたチキンを鉄串に巻き付けた炭火焼などのメニューは、食欲倍増してしまうこと間違いなしです。
また、ナンハウスはアレルギー対応をしています。牛乳や海鮮類にアレルギーがある方はお店の方に伝えれば、お客様の希望に応じて料理を作ってくれるそうです。
筆者が実際に食べてみました!果たしてその感想は...?
筆者は店長さんおススメのバターチキンカレーを実際に食べてみました。
ちょうどランチの時間だったので、Dセットを頼み、バターチキンカレー、チーズナン、マンゴーラッシュという人気の組み合わせを味わいました。
バターチキンカレーは赤色で、上に白いソースで五芒星が描かれ、その上に細かいネギが散らしてありました。バターチキンカレーは元々甘味があるので、3番目の中辛を選びましたが、辛くて舌がぴりぴりすることはありませんでした。甘さの中に隠れたトウガラシが感じられる程度です。
チーズナンはチーズがたっぷり。食感が良く、チーズの香味は濃厚です。モッツァレラチーズを使っているので、チーズナンを持ち上げると、チーズが長く伸びます。
このセットでは、タンドリーチキンとシークカバブが一本ずつ付いています。
鶏肉の表面は焼き目がついていて、美味しい肉汁の中にスパイスの香りが感じられます。
マンゴーラッシュはマンゴーのシロップとヨーグルトを混ぜた飲み物です。
味も美味しくボリュームも満点なため、食べた後の満足度が非常に高いです。
もし機会があれば、是非一度ランチを味わってみてください。
まるでネパールのレストラン!異国風情溢れるお店
ナンハウスの店舗は2階建てで、1階がキッチン、2階が客席になっています。
店内の壁には布地で作られたインドの神様の絵やインドとネパールの風景のポスターが貼ってあります。
天井には大きくてカラフルな飾りや星の飾りなどがたくさん吊るさがり、標高が世界第十位であるネパールのアンナプルナ高峰の姿を表す写真も貼られています。
それらを眺めていると、まるでネパールのレストランにいるような気分になってきます。
コロナ前からテイクアウトとデリバリーに対応
ナンハウスもコロナウイルスの感染拡大の影響を受け、5月~6月前半は閉店し、テイクアウトとデリバリーのみ実施していました。コロナウイルス流行前からテイクアウトと2kmの範囲内のデリバリーに対応していたため、オペレーションで困ることはありませんでしたが、これまでお客さんで賑わっていた店内に人がいないのは寂しく、経営にも負担があったそうです。
現在は店内の消毒、従業員のマスク着用を徹底した上で、イートインを再開しています。テイクアウトとデリバリーにも引き続き対応しています。
ネパールから移住してきたバスネットマンマヤさん
店主であるバスネットマンマヤさんは、ネパール出身の女性の方です。
今から11年前の2009年に日本に来て、長野県諏訪市で親戚の方が経営しているインドカレーの店を手伝いながら、いろいろなことを勉強しました。
そのお店に韮崎市のお客さんが来た時に、「韮崎市にはインド料理屋さんがない」という話を聞き、バスネットマンマヤさんは韮崎市に自分のお店を出すことを決意しました。
そして、2013年にネパールから移住してきた家族と一緒に『ナンハウス』をオープンさせました。
しかし、オープン当初はいろいろ大変なことがあったそうです。
「韮崎市は小さい町なので、駅の近くに出店したとしても、人があまりいなく、店に訪れるお客様が少なかったです。最初の一年は非常に大変でした。」
しかし困難な状況だったからこそ、韮崎のまちの人の温かさを感じられたのだとバスネットマンマヤさんは語ります。
「私は外国人ですので、最初はわからないことがたくさんありました。市役所の方から様々なお手伝いをして頂き、開店の補助金をもらうことができました。また、当時はまだ日本語が上手ではなかったのですが、お客様は嫌がるどころか『頑張って』と応援の声をかけてくれました。多くの方の支えがあったので頑張ることができました。」
時間の流れとともに、バスネットマンマヤさんはだんだん韮崎市の生活に慣れ、店の常連客も徐々に増えていき、店の経営状態が安定するようになりました。
バスネットマンマヤさんは3年前から韮崎市の地元のビジネス交流会にも参加し、現在は地域連携のことにも力を入れているそうです。この数年間で韮崎のまちに多くの仲間ができました。
バスネットマンマヤさんは一年に1、2回ネパールに戻ります。バスネットマンマヤさんの故郷は韮崎市と似ていて、山が多くて、空気が非常にきれいです。
最後に、バスネットマンマヤさんに未来の目標を教えていただきました。
「実は将来のことまでは考えていなかったです。将来より、目の前の日々の生活をちゃんと過ごしたいです。ナンハウスを頑張って経営し続けていきたいです。」
バスネットマンマヤさんは、オープン当初は日本語があまり上手ではなく、メニューを作るだけでも非常に大変だったと仰っていました。
それでも地域の人の力を借りながら、諦めずに経営を続けてきた努力が実り、現在ナンハウスは多くの人に愛されるまちの定番のお店となっています。
いろいろな大変だったエピソードを教えてくださるときにも、ずっと笑顔でした。
バスネットマンマヤさんの姿を見て、非常に感心しました。
ナンハウスは、気軽に美味しいカレーを味わえる場所としてオススメです。空間も居心地が良く、スタッフさんたちもとても親切です。もしチャンスがあれば、ぜひナンハウスでカレーを味わってください。
「ナンハウス」の基本情報
- 所在地:韮崎市富士見町1-6-31
- 予約・お問い合わせ:0551-22-7299
- 営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O14:30)
ディナー17:00~22:00(L.O21:00) - 定休日:月曜日のディナータイムはお休みとなります
- 駐車場:8台
- https://curry-nanhouse.jimdofree.com/
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間、定休日が記載と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。