(2020.4.12 最新情報に更新しました)
世界中に広がり続ける新型コロナウイルス感染症。3月6日、山梨県内でも初めての感染者が確認され、4月12日現在、県内では35例の感染者が確認されています。
接触による感染拡大を防ぐため、イベントなどの開催中止が相次ぐほか、全国の多くの学校では全面休校措置がとられています。
韮崎市内でも同様に、3~25日まですべての小中学校が休校となっているのですが、それにともなって経営上の大きな痛手を受けているのが、給食として調理するはずだった食材を余らせてしまう学校給食の食材納入業者。
さらに、政府から「不要不急の外出を自粛するように」との要請を受けて外出・外食が控えられるようになり、外食産業でも同様に影響が及んでいます。
そんな中、ふるさと納税を取り扱う「ふるさとチョイス」の中では、《新型コロナウイルス被害事業者向け支援プロジェクト》と題して、被害を受けている事業者を支援する取り組み>がスタートしました。
ふるさと納税は、自分が住んでいる以外の自治体を選んで寄附ができる制度ですが、その際、多くの自治体では寄附者に対して「返礼品」を用意しています。今回の取組みの中では、本来、給食での調理やイベントで使うはずの行き場をなくした食材を「返礼品」として受け取ることで事業者を支援できる 仕組みとなっています。
先月3日に特集ページが立ち上げられましたが、9日の取材時点で、すでに40件も寄附の申し込みが寄せられていました。
韮崎で被害にあっている事業者を支援したい!
今すぐお店に行くことは難しいけれど、地元を支えるために何かしたい!
同じふるさと納税をするなら、誰かを助けることに使いたい!
そんな思いを持った方は、今回の取組みを活用して、ふるさと「にらさき」を支援しませんか?
本記事では、ふるさと納税をしたことがないという方にも向けて、「ふるさとチョイス」の利用方法から、ふるさと納税を行った場合のメリットなども画像付きで説明していますので、参考にしながら手順を進めていただけます。(『ふるさとチョイス』サイトの変更に合わせて、4/12時点での最新情報に変更しました)
※住民票が韮崎市内にある方は残念ながら寄附ができないのですが(支援のために、寄附を市役所に直接持ち込むことは可能です)、市外に住む家族や知人にこの記事を伝えたりなど、自分にできる範囲でプロジェクトに参加してみませんか?
《新型コロナウイルス被害事業者向け支援プロジェクト》ってどんな取り組み?
支援プロジェクトの概要
東京に本社を持つ株式会社トラストバンクが運営するふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の中で、3月3日からスタートしている取組みです。
コロナウイルスの影響による被害者を支援する目的で特集ページが設置され、「給食関連事業者向け」「外食産業向け」など計8つのプロジェクトに分かれており、韮崎市では、現時点で2つの給食事業者と4つの外食事業者が取組みに参加しています。
「ふるさとチョイス」を介して寄附を行った際に受け取ることのできる「返礼品」には、休業やイベント中止などによって使うことのできなくなってしまった食材などが活用されています。
(もちろん食品の賞味期限は過ぎていないのでご安心を!)
支援プロジェクトを活用して地元を支援する方法
実際に、ふるさと納税の申し込みをして、支援プロジェクトに参加する方法をスクリーンショット付きで紹介していきます。
「ふるさと納税って、そもそもよく分からなくて不安…」という方は、一般的なふるさと納税についての説明をこの先でまとめていますので、そちらを先に確認してもらえると良いと思います。
《新型コロナウイルス被害事業者向け支援プロジェクト》の特集ページに行く
「ふるさとチョイス」内にある特集ページに行くと、それぞれの支援プロジェクトの背景や概要を確認することができます。
良さそうだと思うプロジェクトを選択することもできますし、支援したい事業や事業者がすでに決まっている場合や、まずは返礼品を見てから決めたいという場合は、下のリンクから返礼品の選択画面に直接行くこともできます。
支援プロジェクトを選択する
韮崎市では、「給食関連事業者向け」「外食産業向け」の2つのプロジェクトに申し込むことができます。
(この記事では、給食関連事業者と外食関連事業者の2つを紹介していきますが、4/12時点では『観光関連業者』、式典などのイベントに用いられる生花を扱う『花き関連事業者』に向けたプロジェクトも追加されています。)
給食関連事業者に寄附する
外食産業に寄附する
(下にスクロールしていくと、どちらもページ中段あたりに韮崎市があります。)
寄附する自治体のエリアを選択する(4.12に追加)
プロジェクトの拡大につれて自治体の数が増えてきたのか、自治体のエリアを選択する画面が追加されていました。ここでは、「中部」を選択して次に進みます。
ページを進むと、都道府県・市区町村を選択できる検索ボックスがあります。(検索せずそのままページを下にスクロールした場合は、上から3割くらいのところに韮崎市が見つかります)
自治体を選択する際、返礼品の写真のあたりをクリックして選択するのが良いと思います。その下にある自治体名をクリックすると、今回の応援プロジェクトだけでなくすべての返礼品が紹介されているページに進むので、少しまぎらわしいかもしれません。
返礼品を選択する
寄附金額によって、受け取ることのできる返礼品が変わります。
それぞれ写真や画像付きで返礼品の詳細が説明されていますので、参考にしながら選択してください。
寄附金額について:
ふるさと納税をした場合、自己負担額2,000円を超える部分については、所得税・住民税の還付が受けられます。(たとえば10,000円寄附すると8,000円が返ってくる計算)
ただし、税金控除を受けるには、寄附した翌年に「確定申告」をするか、「ワンストップ特例制度」の適用に関する申請が必要です。
また、控除を受けられる上限額は、寄附者それぞれの所得や家族構成によって決まっています。事前に計算してから寄附金額を決めるようにしましょう。
「ふるさとチョイス」の控除上限額シミュレーションを使って、ご自身の控除上限額(目安)を調べることができます。
返礼品の確認画面
もらえる返礼品を確認したら、『寄附へ進む』を押して次のページへ進みます。
ログインする
会員登録を入力して、ログインします。(新しく会員登録する方はこちら)
寄附金の使い道を指定する
ふるさと納税を行う場合、寄附の使い道を寄附者自身で指定することができます。韮崎市では以下の5通りから、寄附の使い道を指定することができます。
青色になっている部分から関連情報が見られるようになっていますので、韮崎市のどんな取り組みにみなさんの寄付金を使ってほしいかを決める参考にしてみてください。
- 豊かな自然・歴史資源を未来につなごう!
・南アルプスユネスコエコパーク(例:レンゲツツジの大群落甘利山)
・甲斐武田家ゆかりの史跡(例:武田家の氏神武田八幡宮、新府城跡)
・田園地帯に咲き誇る、孤高の桜(わに塚のサクラ)
南アルプスユネスコエコパーク/富士の国やまなし観光ネット - ふるさとブランドの魅力を伸ばそう!
・赤ワインの丘ブランド化(例:赤ワインの丘ぶどう祭り)
・農産物の生産拡大(例:穂坂のぶどう、新府・大草の桃、釜無川右岸地域の米)
・ふるさとの偉人に学ぶまちづくり(例:宝塚歌劇団創始者小林一三翁) - ミライを担うこどもたちを応援しよう!
・県下最大級の屋内公園(子育て支援センターにら☆ちび)
・にらさき愛育成Come Back!支援プロジェクト(青少年育成プラザミアキス)
・サッカーのまちづくり(例:U-3親子サッカーフェスティバル)
・保育園運営費(すずらん保育園、たんぽぽ保育園、韮崎東保育園) - やさしいまちづくりを応援しよう!
・地域まるごと介護予防(例:いきいき貯筋クラブ)
・買い物弱者と高齢者の見守り支援(例:地域移動販売車)
・減災力の強いまちづくり(例:地域減災リーダー育成、減災マップづくり) - チームリーダー(市長)におまかせ!
・チーム韮崎で市民目線の活力あるまちづくり
寄附者情報・返礼品お届け先・支払い方法の入力
氏名、連絡先、住民票記載の住所、返礼品の届け先、寄附の支払い方法を入力します。
自治体への応援メッセージなどを入力
寄附をする自治体に応援メッセージを送ることができます。今回の特集ページが3日に設置されてから、すでに「ふるさとチョイス」には韮崎市への応援メッセージがいくつも寄せられています。
確認画面・支払い案内画面に進む
入力情報を確定させて、寄附は完了です。
返礼品の発送時期について、ふるさとチョイスでは、特産品は、入金確認後2週間~2か月前後でお届けいたします。品物によって異なります。
と説明されています。
返礼品を受け取ったあとは、感想を「ふるさとチョイス」に投稿することもできます。
そもそも、ふるさと納税がどのように事業者支援につながるの?
ここまで、今回の《新型コロナウイルス被害事業者支援プロジェクト》の具体的な方法や、「ふるさとチョイス」サイトの操作方法、返礼品の選び方など、一緒に確認してきました。
ですが、「そもそもふるさと納税自体いまいち仕組みが分からない…」「自治体に寄附するふるさと納税がどのように特定の事業者の支援につながるのか、流れが分からない…」という方もいるかと思います。
「ふるさとチョイス」内の説明を引用しながら、ふるさと納税の仕組みを基礎知識も合わせて整理しておきたいと思います。(すでに理解している方、今回の支援プロジェクトのみ興味のある方は、最後まで読み飛ばしてもらって大丈夫です)
ふるさと納税の目的
税金の控除や、送られる返礼品にばかり目が行きがちなふるさと納税ですが、本来は、「ふるさとや思い入れのある自治体を応援する」ことを目的とした制度です。
進学や就職で地元を離れてしまった後、税金を納めるのは離れて住んでいる転出先。都会にばかりお金が集まって、人が出ていった後の地方には還元されてきませんでした。
ふるさと納税の制度では、納付する税金の一部を「応援したい自治体に寄附する」という形で納税することができます。(原則は居住地以外の自治体です)
今回の支援プロジェクトのような形は、「地域を応援したい」というふるさと納税本来の目的に合った寄附の形と言えるかもしれません。
ふるさと納税の仕組み
「税金なのに、どうして寄附と言うの?」という部分が少し紛らわしいですが、簡単に言うと、「自治体に寄附すると、その後、寄附金額に応じて支払う税金額が少なくなる仕組み」と考えてもらうと理解しやすいと思います。
※「ふるさとチョイス」では、「ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄附を行うと、控除上限額内の2,000円を越える部分について税金が控除されます。
」と説明されています。自己負担2,000円は、寄附ごとではなく、ふるさと納税をした1年間(1/1~12/31)に対してかかります。
寄附者にとってのメリット
- 返礼品がもらえる
- 税金の一部が還付・控除される
- ふるさとや応援したい自治体を選んで寄附できる
- 寄附金の使い道を指定できる
寄附金控除の手続きによって税金の控除を受けられる以外に、地域の特産品などを活用したお礼の品を受け取ることができます。(確定申告と「ワンストップ特例制度」の具体的な方法については「ふるさとチョイス」の『ふるさと納税 確定申告ガイド』を参考にしてください)
また、せっかく寄附するならば、自分が好きなまち、恩返しをしたいまちを良くするための事業に使ってもらいたいですよね。ふるさと納税を活用すると、寄附する自治体だけでなく、寄附金をどの事業に使ってもらうかも指定することができます。
事業者にとってのメリット
「自治体に寄附するなら、事業者にはお金が届かないんじゃない?」と疑問に思うかもしれません。
寄附金は一度自治体に集められますが、返礼品を送った事業者は、返礼品等の代金を自治体に請求することで収入を得られます。返礼品の金額は、寄附額の3割までと定められているため、例えば、10,000円の寄附があった場合、最大3,000円が返礼品を送った事業者へ届けられ、残りの約7,000円は「この事業に使ってほしい」とみなさんが選択した事業に使われる、というようなイメージです。
今回の支援プロジェクトで寄附をする場合には、寄附した額のおよそ3割が給食事業者、外食事業者の元へ、残り7割が「この事業で韮崎市をもっと良くしてほしい!」とみなさんが選択した各事業に使われるようになります。
「自分のまち」を守っていくために、いま自分にできる支援を
今回は、ふるさと納税自体の基礎知識も交えながら、「新型コロナウイルス被害事業者向け支援プロジェクト」について確認しました。
新型コロナウイルスによる被害は、人体への被害はもちろんのこと、経済、医療にも大きく影響し、「何をしたら良いのか」と、社会全体がまだまだ混乱の渦の中にあるように感じます。
そんな中で大切なことは「いま自分にできることをやる」ことなのではないかな、と僕は思います。
今回取り上げた、ふるさと納税による支援は、韮崎市に住んでいる方には寄附ができません。そのため、今回の方法で支援したくてもできない方もいると思います。
ですが、たとえば、市外に住んでいる家族やふるさとで一緒に育った仲間に声をかけてみたり、この記事を誰かと一緒に読んだり、SNSなどで誰かに届けることも、僕たちが今できる一つの支援なのではないかと思います。
みなさんの地元を守っていくために、今一人ひとりにできる支援をしていきましょう。