「みんなの本棚」2022年7月号|大村記念図書館

 【編集部のつぶやき】 

近頃、誰と会話するにも「暑いですね〜、まだ7月なのに…を枕詞に会話がスタートするようになりました。

さて、この「暑い」という言葉ですが、天気予報や報道では、様々な言葉に置き換えられて発信されています。予報用語では、1日の最高気温が25度以上になると「夏日」と呼び、30度を越えると「真夏日」に。さらに、30度を越えてくると「猛暑日」と呼ばれるようになるのです。

そして、日中だけにとどまらず、夜間になっても気温が低下せず、最低気温を25度以上キープしている寝苦しい夜のことを「熱帯夜」と呼ぶそうですよ。(その他にもマスコミでは、「酷暑日」「超熱帯夜」という表現も使用されています。)

これだけ暑さの表現にバリエーションがあることにびっくりするのと同時に、「神様どうか、今年の夏は、猛暑日を少なめでお願いします」と、太陽に祈っている私がいます(笑)。

今年の夏もきっと、レジャーもおうち時間も…酷暑との激しい戦いとなることでしょう(笑)。夏本番をベストコンディションで楽しく迎え撃つべく、夏バテや熱中症などに十分気をつけて過ごされてくださいね!

加藤館長の今月のイチオシ!

江戸川乱歩と横溝正史

著者:中川右介  出版社名:集英社

あらすじ

日本における本格的な探偵小説の礎となった作家・江戸川乱歩と、同じく本格推理小説を数多く執筆し、名探偵・金田一耕助を生み出して一世を風靡した横溝正史。
本書では、乱歩と横溝の両巨頭の関係性を軸に、出版社の興亡や日本のミステリ界の事情にも触れ、様々な角度から楽しめる評伝となっています。
作家の仕事の他に“編集者としての顔”も丹念に描かれており、2人の作家デビューから没するまでの人生の足跡は評伝の枠を超え、まさに日本のミステリ史の潮流を描いた年代記ともいえる内容です。

 

館長が語る「ここがすごい!」

2022年は横溝正史生誕120年にあたります。また、山梨市の横溝正史館は一度訪れたい場所。そこで今回はこの本を選んでみました。

小学生の頃、図書館で乱歩の少年探偵団シリーズを借りて読んでいました。本書によると、昔読んだシリーズはリライト版だったとの驚きの事実が…。

一方、横溝作品に関しては、角川文庫の昔の装丁が独特で手が出ず、漢字モチーフの装丁になってから買い揃えました。古い日本の因習を描いた話は興味を持って読みましたが、エログロ的な小説は現代の感覚から乖離した感もあり、自分としてはちょっと…という印象。

本書では、その辺りのことも触れられています。そして、乱歩作品は光文社文庫『江戸川乱歩全集』を持っているのですが、この本では、乱歩と光文社の関係など出版社の事情も詳しく書かれ、興味深く読みました。

余談ですが、私が結婚する時に多くの本を処分し、横溝作品も厳選して残していたのですが、妻の持っていた本と突き合わせてみると、手放した本がたくさん戻ってきてビックリ。

また、乱歩の本も、自分の光文社版に加えて、妻は創元推理文庫の傑作選を持っており、相当数減らしたはずが逆に冊数が増える結果となったのです…。

 

場所 背ラベル
一般 棚8 910.2ナ

※ 上記のエリアもしくは、「みんなの本棚」特別ブースに展示されています。

親子で読みたい絵本

はぐ

作・絵:佐々木 マキ
出版社名:福音館書店

あらすじ

海辺でいろいろないきものたちがぎゅっとはぐをします。しまうまとらくだ、わにくんとぺんぎんさん、などなど。
違ういきものであっても、はぐを通じて心が通じ合います。

 

望月さんが語る「ここがすごい!」

たとえ違ういきものでも、そこに気持ちがあれば通じ合える…。

絵本を通して、お母さんと赤ちゃんだけでなくお父さんと赤ちゃんも通じ合える機会をつくることができます。

優しい色合いで心も穏やかにさせてくれます。文章も多くなく、読むのが苦手な方でも挑戦しやすいのではないでしょうか。

 

場所 背ラベル
読聞かせコーナー Eサ

※ 上記のエリアもしくは、「みんなの本棚」特別ブースに展示されています。

 

10代で出会いたい本

夏の体温

著者:瀬尾まい 出版社名:双葉社

あらすじ

夏休み、小学3年生の瑛介は血小板数値の経過観察で入院している。そんな退屈な日々を送る病院に、低身長の検査入院らしい同学年の壮太がやってきます。
2人で過ごす時間はとても楽しい。けれど、一緒にいられるのは短くて…。表題作「夏の体温」ほか、3篇を収録した短編集です。

 

小野さんが語る「ここがすごい!」

もうすぐ夏休み!…ということで、「夏休み」のお話が出てくる本を紹介しようと思います。

主人公の瑛介は、退屈な経過観察の入院の日々でどうしても、いらいらがつのってしまう。他に入退院してくる子どもたちと自分を比べて反省したり落ち込んだり。様々な思いが巡る中で、短期入院してきた壮太に出会います。

すぐに二人は仲良くなるけれど、楽しい時間は短く終わってしまう寂しさが訪れる…。

夏休みのほんの数日間の奇跡的な出会いが人を変えていく様子が瑞々しく描かれています。

この本を読むと、自分の子供時代を思い出す方も多いのではないでしょうか。

帰省の時しか会えない親戚だったり、旅先でたまたま仲良く同年代の子だったり…夏休みにしか出来ない体験の中での偶然の出会いってありますよね。

一瞬の経験が視野を広げてくれることも。誰しもが一度は体験したことがあるだろう「変化」がこの物語には描かれています。

夏季休暇のお供に読んでみるのはいかがでしょうか?

 

場所 背ラベル
ヤングアダルト 棚39 Fセ

※ 上記のエリアもしくは、「みんなの本棚」特別ブースに展示されています。

 

大人が読みたい本

運動未満で体はととのう 人生の9割“体調悪い”あなたへ

著者:長島康之 出版社名:主婦の友社

あらすじ

この本は、だるい、めまい、落ち込み、不眠など、病院に行くほどでもない、また、病名がつかないような不調を抱えている方たちが、少しでも「調子がいい」状態になるための1冊です。
実践しやすい超かんたん!な「運動未満」の習慣で、心と体がととのい元気になる方法を紹介しています。また、自然とやる気が湧いてくる心をととのえるプチ習慣も必見です。

 

松原さんが語る「ここがすごい!」

肩・首のコリがつらい。頭痛がする。寝ても疲れが取れない……。不調だらけの身体をどうにかしたいと思っていた矢先に出会ったのが当書でした。

何より魅力的なのは「運動未満」という響き!運動が大の苦手な私にとって、これだけで手に取る大きな理由になりました。

まず初めに、健康になりたいと本を手に取ったことを褒めてくれるのもうれしいポイント。著者の優しい口調に導かれ、サクサクと読み進めることができます。

いきなり身体を動かすのではなく、どうして不調なのかの原因を探り、自分自身を見つめるところから始まります。

そして、日常の中の不健康な習慣を健康なものへ変える重要性を説かれた後、紹介されるのが「かかと重心」。

詳細は、ぜひ読んで確認していただきたいのですが、これが意外と難しいのです。普段、いかに自分の姿勢が悪いかを痛感します。これを習慣化できれば……と現在挑戦中です。
(三日坊主常習犯の私にいつまで続くだろうか)

他にもオンとオフを切り替えるプチ習慣も多数紹介されています。大切なのは習慣化して続けること。「運動未満」の動きで少しずつ健康を目指しましょう。

所蔵なし。相互貸借(県内図書館からの取り寄せ)可能。

 

7月の季節展示から厳選!

あなたの街のイベントグラフィックス

編著:パイ インターナショナル
出版社名:パイ インターナショナル

あらすじ

フェスやマルシェ、お祭りなどの全国各地で開催されているイベントのフライヤーやポスターを1ページに1枚ずつカラーで掲載。書籍サイズもB5サイズと大きく、さらにフードや芸術・祭り等ジャンルごとに分かれた並びで見やすくなっています。
主催者やデザイナーの視点で参考になるのはもちろん、グラフィックスから各イベントの特徴や雰囲気を味わうことができる1冊です。

 

宮川さんが語る「ここがすごい!」

もともと私はチラシやポスターを見るのが好きで、さらに図書館でもイベントチラシを作ることがある身としてはこの本を眺めていると本当に時間が溶けます。

特集の“夏フェス”に絡めて言えば音楽祭のポスターが何種類か掲載されていますが、テーマに焦点を当てたものから写真をメインに扱ったもの、派手な配色で人目を引くものなど、同じ音楽祭のポスターでも与える印象が全く異なり、その違いを見るのも面白いです。

何気なく配られたり飾られたりで役目を終えるイメージのあるチラシやポスターですが、その限られたスペースにイベントの情報・イメージや、一目見て“あなた”をいざなう為の工夫や言葉・デザインが込められていると思うと興味をそそられませんか?

夏フェスに限らず「行ってみたい!」と感じるイベントが見つかるかもしれません。

ちなみに山梨県では県立美術館のマルシェが取り上げられています。余談ですがコロナ流行前は私もそのマルシェに何度か遊びに行っていました。今年こそ一般参加できるかな~と首を長くして待っているイベントのひとつです。

 

7月の季節展示は「本で夏フェス! In にらとしょ」
夏といえば野外イベントが最高潮を迎える季節です。中でも“夏フェス”は音楽好き・バンド好きにはたまらないイベントではないでしょうか。
そんな夏フェスや野外イベントの雰囲気を図書館でも感じていただこうと、音楽やアーティスト関連の資料、野外イベントを楽しむための資料を集めました。イベントに参加する方もそうでない方も、一緒に盛り上がりましょう!

[展示期間:7月1日(金)~7月28日(木)まで]

 

にらレバ編集部のおすすめ

住み開き 家から始めるコミュニティ

著者:アサダ ワタル 出版社名:筑摩書房

あらすじ

若者たちの持続可能な自宅サロン、職住のボーダーを揺り動かす自宅カフェ、シニア世代のアートタウン…。31のユニークな実践を元に、個人宅をちょっと開くことで他人と繫がる「住み開き」のコツを伝授。

 

西田が語る「ここがすごい!」

土地って本当は誰のものなのだろうか?

そもそも誰かが買ったからといって、その場所を購入者が好き勝手にしていいものなのか??

大学生の時にこの本に出会い、暮らし方について考えたり、自宅の概念が変わったり、実際に「1階をまちに開く」という実践を真似してみたりと、とても影響を受けました。

すべての家の前から塀がなくなった、境界の無い世界を想像してみるのも楽しいです。

場所 背ラベル
一般 棚26 361.7ア

※ 上記のエリアもしくは、「みんなの本棚」特別ブースに展示されています。

 

大村記念図書館からのお知らせ

\おはなし会/
図書館読聞かせコーナーにて季節の絵本の読み聞かせを行います。
また、おはなし会に参加された方にはおりがみと折り方の解説をプレゼントします。おうちでおりがみを楽しんでください。
【開催期間】7月9日(土)14:00〜14:20

※対象は、マスクの着用が可能な「2歳~小学校低学年」のお子さん(無料)

\大人の為の朗読会・朗読のつどい/
ニコリ3階「多目的ホール」にて、市内3つの朗読ボランティアグループの方々にご出演いただき、成人一般、学生、目の不自由な方などに向けて朗読会を行います。(申込み不要)
【開催期間】7月16日(土)14:00〜15:00

※コロナウィルス感染拡大防止に伴う利用規則として入場者は、氏名・連絡先・住所の記入が必要となります。予めご了承ください。 

\調べる学習応援講座/
ニコリ2F「会議室9」にて、調べる学習のミニ作品を作る講座を行います。7月2日(土)から当館カウンターまたは電話にて受付。
開催期間】7月24日(日)13:30〜14:30

定員は6組。対象は、小・中学生及びその保護者(小学生は保護者同伴)。
※ 筆記用具、調べたいことが決まっている場合は参考資料をご持参ください。

\工作あそび/
ニコリ2F「イベントスペース」にてオリジナルクリスタル作りを行います。日にちと時間をお選びください。各回とも同じ内容です。
持ち物は必要ありませんが、お好きなレジン用の材料をお持ちいただいてもかまいません。作品の受け渡しは8月3日(水)以降。[共催]子育て支援センター
開催期間】7月30日(土)、7月31日(日)
      ①10:30〜 ②13:30~ 各回40分程度

● 対象は、小学生以下、保護者同伴。
定員は各回8組。(保護者1名・子ども1名)
※ 抽選制で、当選者にのみ7月17日(日)に連絡
※ 7月2日(土)〜7月16日(土)まで当館カウンターまたは電話にて受付。

\夕涼みおはなし会/
ニコリ3F「多目的ホール」にて、人形劇「ももたろう」(出演:人形劇団ももたろう7)や、絵本の読み聞かせを行います。
【開催期間】8月6日(土)14:30〜15:10

●定員は、保護者を含む30名。対象は、年中~小学生(保護者同伴)
●抽選期間:7月16日(土)〜 7月30日(土)まで
※ 抽選制で、当選者にのみ、7月31日(日)10:00~17:00の間に連絡
※ 当館カウンター、または電話にて受付。

\「戦争と平和」特別講演会/
ニコリ3F「多目的ホール」にて、山梨平和ミュージアム理事長の浅川保氏に「ウクライナ情勢を歴史的に考える」と題した講演をしていただきます。
開催期間】8月14日(日)15:00〜16:00

定員は50名
※ 7月23日(土)より当館カウンター、または電話にて受付。

 

上記イベントについての詳細は、チラシ、またはホームページをご覧ください。

※新型コロナウイルス感染拡大の影響により内容が変更になる可能性があります。
最新情報は図書館まで、お問い合わせください。(韮崎市立大村記念図書館:0551-22-4946)

 

大村記念図書館の基本情報

所在地 : 〒407-0015 韮崎市若宮1丁⽬2番50号
営業時間: 平日 10:00~19:00、土日祝日 10:00~17:00
電話番号: 0551-22-4946 (FAX)0551-22-4950
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