【寄稿】「やるなら今しかない」韮崎市大草町出身シンガーソングライター藤原右裕、活動10年の節目を迎えて。(重大LIVE告知アリ!)

調理師と栄養士の資格を持つ異色のシンガーソングライター。

絵本をめくるような曲が聴く人の心を柔らかく温かく包む。

優しい声に加え、グルーヴィーなギタープレイ、BeatBoxも得意としライブハウスではループマシンを駆使する。

東京・山梨を中心に年間100本以上のライブをこなしアクティブな活動を続ける。

 

これがホームページに掲載されているシンガーソングライターとしてのプロフィールです。

その実は、昭和63年生まれ、山梨県韮崎市出身で現在は東京在住。

日本全国各地でのライブ活動の合間を縫って、月に1度は甲府駅に降り立ちストリートライブをしています。

単純計算で3日に1度のペースでライブ活動をする中で、なぜ地元での活動にもこだわっているのか、今回はそんなお話をしていきます。

 

2014年に韮崎文化ホールでコンサートを開催

地元での活動を語る上で外せない出来事が、2014年に開催した韮崎文化ホールでのコンサートです。

これまでの活動も現在もですが、事務所やレーベル・スポンサーが付いたことがありません。

そんな中で、完全個人主催と銘打って行なったコンサートには約180人の方が足を運んでくれました。

なぜ、このコンサートを行なったのか。

そのきっかけは「やったもん勝ち」だと思ったことからです。

それまで大きな経歴もなく、山梨県内のコンテストやオーディションも衰退していく中で、この先の活動に繋げていく足がかりが欲しかったのです。

誰もやったことがないことというのを考えた時に完全個人主催のホールコンサートでした。

中学生の頃に合唱祭で使った場所、高校生の頃に芸術鑑賞会で足を運んだ場所。

この思い出はきっと僕だけのものでなく、同じ土地で育った人たちにとっては馴染み深いものではないでしょうか。

それが、この場所を選んだきっかけでもあります。

たった1人でステージに立ち、無事に演奏を終えられた裏にはたくさんの人の支えや応援がありました。

実際には、それのおかげで何か大きな動きがあったかと言えばそんなことはありません。

しかし、「やったら何でもできる」と実感できたこと、そして、それが韮崎という土地であったことは、僕にとって大きな糧となったことは間違いありません。

地元での活動を続けていく上でも大切な出来事となりました。

韮崎出身と伝えていくこと

ここ最近の活動の中では特に「山梨県韮崎市出身」ということをあえて打ち出して活動しています。

そのきっかけとなったのは仲間の活動です。

様々な場所で歌い、様々なミュージシャンと出会う中で、そのミュージシャンももちろん地元があります。

そして、そんな彼らも地元での活動を大切にしているのです。

僕と同じようにホールコンサートを決めたり、フェスを立ち上げたり、その活動は様々です。

色んな場所で歌えば歌うほど大切な場所も増え、帰る場所も多くなります。

しかし、だからこそ、その中でより改めて地元の大切さが身に沁みてくるのです。

また、渋谷駅でストリートライブをしていた時に感動した出来事がありました。

僕の看板に書かれた出身地を見つけてくれた方が、同郷ということで立ち止まってくれたのです。さらに話してみると実家に非常に近い場所に住んでいる方でした。

これは「韮崎出身」と伝えていたからこそ繋がった縁であり、大切にしなければいけないと強く感じました。

とはいえ、もちろん地元だからこその苦しさもあります。

離れているからこそ見えるもの

僕が音楽活動を始めたきっかけは20歳の秋に始めた甲府の街でのストリートライブでした。

そこからちょうど10年。

最初の頃はまだ山梨県に住んでいて、毎週金曜の夜にストリートライブをしていました。

東京に出たのが22~23歳の頃、その頃も毎週甲府に帰って続けたストリート。

そこから活動の幅が拡がるにつれ、隔週になり、今では月1になりと変化していっていますが、この10年間どれだけ天候が悪くても冬でも帰らなかった時はありません。

しかし、それによって地元での活動が順風満帆であるかと言えば、これは別物です。

ライブハウスやカフェでのライブイベントへの集客やストリートライブに足を運んでくれる人の数、これは10年前と比べると減少しているのが事実です。

そして、それは色んな人からその苦労を聞きます。

「どうにかしなきゃ」と考えていても、実際にどうやって動いていくのか。

それは人それぞれであり、僕にとってはそれが欠かさず続けているストリートライブや規模の大きなコンサートです。

山梨県以外の様々な場所でライブをする中で、盛り上がっている場所ももちろんあります。

その場所と山梨県で何が違うのか。

それを模索していくためにも山梨県での活動は止めてはいけないはずだし、山梨県以外での活動も止めてはいけないはずです。

この間、新潟県でライブをした時に興味深い話を聞きました。

それは新潟市の人口と山梨県の人口がほとんど同じだということです。

ということは、人を集めるという点で考えると絶対的に母数が少ないのです。

これは、山梨県以外で活動していたからこそ見えた山梨県の姿です。

このように比較対象を持って、山梨県の中だけで活動しているだけでは分からないこと、実際に別の土地の空気や人を感じてみたことを還元していくことが大事なのではないでしょうか。

続けていくことが一番難しいことであり、一番かっこいいことだと感じています。

何を歌っていくか

では、続けていく上で何を歌っていくべきなのでしょうか。

それは、きっとどんどん変わっていっていいとは感じています。

しかし、根っこの部分、これはきっとどこまでいっても変わらないのではないでしょうか。

自分が育ってきた景色や感じてきたこと。どこへ行っても胸に浮かんでくる風景や想いがあります。

僕の曲の中で「太陽の坐る場所」という曲があります。これは同じく山梨県出身の作家である辻村深月さんの同名小説にインスパイアされて制作した曲であり、自分が育ってきた原風景、そして、地元を離れた決意を詰め込んだ1曲になっています。

また、亡き祖父から受け取った想いや自分自身の今までとこれからを詰め込んだ「kageo」という曲もあります。

結局は自分が経験してきたことしか説得力を持たないし、それは地元があり、その場所や想いに触れたからこそアウトプットできるものだと感じています。

やれば絶対にできる

「It is now or never」

日本語に訳すと「やるなら今しかない」という意味になります。

このフレーズを入れた「anytime anywhere」という曲が僕にはあります。

制作したきっかけは甲府駅にある信玄公像の前でストリートライブをしていた時に立ち止まってくれた高校生に「勉強を頑張れる曲を作って」と言われたことからです。

その頃は、まだ毎週ストリートライブをしていたので、翌週また来てもらうように伝え、1週間で曲を仕上げました。

高校生活を悔いなく過ごしてもらえるように「いつだってどこだって、やるなら今しかない」という気持ちを込めたこの曲は、今でも大切に歌っている1曲となっています。

そして、韮崎文化ホールでのコンサートも10年間のストリートライブも「やるなら今しかない」「やれば絶対できる」と信じて成し遂げてきたことです。

そんな大切なきっかけをくれた高校生たちももう社会人となり、それぞれのステージで奮闘しています。

僕だけが変わらずにこの場所に居続けているのかと不安になることもたくさんあります。

では、10年間、大切にしてきた地元での活動、ここに居続けた意味をどのように見出していくのでしょうか。

コラニー文化ホールでコンサートを開催

そんな10年間に意味を見出すべく、そして、この10年間に出会った人へ感謝の気持ちを届けるべく、2018年9月29日にコラニー文化ホールでのコンサートを決めました。

今回も、事務所もレーベルもスポンサーも協賛もない完全個人主催です。

数々の名だたる著名なアーティストがライブを行なったり、僕にとっては聖地のようなホールです。

これまでの活動の中で最大の挑戦となります。

この10年間、続けてこれたのは決して僕のこだわりや意志の強さだけではありません。

辞めたくはないけれど、辞めなければならないかもしれないという危機はたくさんありました。

挫折もたくさん味わってきたし、2017年には円形脱毛症を発症し髪の毛が一度全部抜けるという身体的な問題もありました。

しかし、それでも辞めなかった音楽。

月並みな言い方ですが、出会ってくれて、支えてくれた方々があったからこそです。

山梨でも個人でこんなことができること、韮崎からも大きなステージを目指せること、どんなことがあっても好きに歌っていけること、それをこの身で証明する日にします。

これを終えたからといって、また大きく何かが動くとは限らないでしょう。

 

「やってまれ」

 

この言葉は音楽活動をしていく中で青森県五所川原市で出会った大切な言葉です。

意味は「やってしまえ」という意味です。

 

絶対にダメだと思ったこともやってしまえば上手くいく。

絶対にこれだと思ったことはやってしまえば実を結ぶ。

 

まさに「It is now or never」ではないでしょうか。

今回のこの言葉が読んでくれたあなたの「やれば」に繋がるように祈っています。

 

そして、音楽のある場所で向かい合えますよう祈っています。

 

最後まで読んでくれてありがとうございました。

藤原右裕

イベント詳細情報

☆9/29(土)

藤原右裕 活動10周年記念コンサート

「It is now or never」

■時間

OPEN 17:00 / START 18:00

■場所

コラニー文化ホール 小ホール

〒400-0033 山梨県甲府市寿町26-1

(甲府駅より徒歩20分)

■チケット(全席自由)

前売 ¥3000

当日 ¥3500

学割 ¥2000

中学生以下 無料

 

チケット予約申し込み https://select-type.com/e/?id=MUggRn_ep9A

ライブ会場手売り(2018.5.1~)