「貧困家庭のための塾を開きたい!」教育に情熱を燃やす彼が目指す教育の在り方とは?『にらヤンステーション!』vol.12

こんにちは!学生編集部の幡野富山水(ふほう)です。

韮崎から離れた地で活躍する同世代を学生編集部が取材しお届けしていこうと2019年10月にスタートしたこの企画『にらヤンステーション!』

第12回目は、清水そらさんを取材しました!

【清水そら】

韮崎市出身。現在20歳の大学2年生。韮崎高校卒業後、山梨大学教育学部に進学。今年の韮崎市成人式では実行委員長も務めたほか、山梨で振興を目的に活動するトップファンのメンバーとしても活動中。社会人ハンドボールチームでプレイ。将来、学校外での教育に関わることを目指し、現在は小学校でのボランティアや塾講師のアルバイトを行う。

今回の記事では、学生団体トップファンでも共に活動する清水そらくんを取材しました。今回は教育に対する想いがテーマです!私より1つ年下のそらくんは、教育学部で教育を学び、教育に関するイベントやボランティアにたくさん参加しています。しっかり者で自分の考えをきちんと持っているそらくんがどんな想いで教育に情熱を注いでいるのかを取材しました。

実は小学生のとき問題児だった…!

ふほう:今日はよろしくね!そらくんは教育学部に通っていたり、子どもに関わる色々な活動に参加したりしているよね。「教育」に興味をもったきっかけは何だったの?

そら:よろしくお願いします!小学生の頃から友人たちに勉強を教えることが好きだったんです。僕は教えることが楽しいと感じていて、みんなは「教えてくれてありがとう」と言ってくれる。そこにやりがいを感じるようになりました。

ふほう:そうだったんだ。ちなみにそらくんはどんな小学生だったの?

そら:僕は小学生のとき、かなりの問題児でした(笑)

ふほう:え、そうなの?意外!

そら:先生の言うことを聞かないし、「それおかしくない?」と思ったら先生であってもはっきり物を言ってしまうタイプでした。

ふほう:そうなんだ。

そら:今となっては、問題児だったからこそ、子どもの反抗する気持ちも分かるように思います。理解してあげられることが僕の強みだと思うんです。

ふほう:中学生のときも反抗してた?

そら:さすがに中学生になってからは「それはおかしい」と内心では思っていても、好き放題やるのはやめようと思いました(笑) 

ふほう:そうなんだ。じゃあ少し気持ちを隠すようになったんだね。

そら:そうですね。でも、高校生になると「おかしいと思うことは場をわきまえて言う」ということが身につきました。今でも自分が言った方がいいなと思うことは言うようにしています。

ふほう:自分の考えをきちんと相手に伝えられることはそらくんの強みだね。

小学校の頃のそらくん

応援団長をする小学生の頃のそらくん

大学での学び~様々なチャレンジ~

ふほう:大学ではどんなことを学んでいるの?

そら:大学では、小学校教員免許を取ることを目指して勉強中です。学外の活動としては、市内の小学校に行って週1回ボランティアをしています。授業のサポートをしたり、子どもたちと休み時間に遊んだり。コロナ禍で子どもたちもストレスが溜まっているので、思いっ切り体を動かして遊ぶようにしています。

ふほう:大学の学びだけじゃなくて、実際に小学校に行って学んでいるんだね。学生のうちから現場を知っておくことは大切だよね。

そら:あと、日本語教員免許の取得に向けても勉強しています。

ふほう:日本語教員?

そら:日本語教員は、外国籍の子どもに日本語を教える教員のことです。

ふほう:どういったきっかけで日本語教員の免許を取ろうと思ったの?

そら:同級生にブラジルの友人がいたんですけど、日本語を学習しながら授業の内容にもついていかなければならなくて、凄く大変そうだなと感じました。だから、外国籍の子どもたちの支援ができるように知識をつけたいと思ったのがきっかけですね。

ふほう:外国籍の子どもたちの教育の環境が整って、過ごしやすくなるといいね。

大学の仲間と学園祭の様子

大学の仲間と学園祭の様子

学校外の教育の場

そら:教員過程の授業を取っているんですが、実は、教師になるかはまだ分からないんです。教師は一つの選択肢として考えています。たくさんの子どもと関われるのは教師だと思うんですが、学校を変えることは難しいと感じています。学校教育というよりは学校外での教育に力を入れていきたいです。

ふほう:そうなんだ。学校外教育というのは例えばどんなこと?

そら:今僕がボランティアで関わっているのは、子ども食堂や子ども向けのイベントですね。

子ども向けのイベントでのそらくん

子ども向けのイベントでの一コマ

ふほう:学校外でも子どもたちが様々なことを学べるのはいいことだよね。これからやりたいと思っていることは何かある?

そら:今一番やりたいことは起業して、学校以外の学びの場を子どもたちに提供することです。一人親家庭や塾に行きたくても行けない子どもを対象にした教育支援をしたいと思っています。

ふほう:そういった子どもを支援したいと思ったきっかけはあるの?

そら:僕も塾には通えなくて、塾に行っている子が羨ましいと思っていたからですね。家庭の状況が子どもの将来を左右すると感じていますが、子どもは家庭を選ぶことができないから、少しでもその差がなくなるような受け皿を作りたいと思いました。

ふほう:なるほど。自分自身が不自由に感じた差をなくしたいというのが原動力になっているんだね。教育支援を通じて、具体的に実現したいことはある?

そら:子どもたちが「起業家教育」などを学べる機会があるといいなと思っています。

ふほう:起業家教育?初めて聞いた…!

そら:アメリカではよく行われているのですが、「起業家教育」っていうのは、起業の仕方を学べる教育のことです。起業のことを子どもの時に学べたら、かなり視野が広がると思うんです。子どもの職業に対する考えは身近なところにしかないじゃないですか。例えば、親が公務員だったら自分も公務員でいいやみたいな。だから子どもたちが色んな仕事を知って、学ぶことのできる機会を設けたいと思っています。

市内の子どもを対象にしたイベントの様子

市内の子どもを対象にしたイベントの様子

アメリカと日本の教育

そら:昨年の2月アメリカに短期留学をして、アメリカの小学校と高校にインターンに行ってきました。

ふほう:そうなんだ!英語は話せた?

そら:日常会話程度なら!山梨大学の留学生と仲良くなって、英語を使うようになりました。アメリカの大学で語学の授業もあって、現地の生徒と英語で会話できて嬉しかったです。

アメリカの大学で行われたイベントの様子

アメリカの大学で行われたイベントの様子

ふほう:留学中コロナの影響はなかった?

そら:そうですね。コロナが流行りだしてしまったので、3月に日本に帰ってきました。予定通りの留学ではなかったですが、でもアメリカの教育を間近で見られたのですごく良かったです。

ふほう:アメリカの教育はどうだった?

そら:日本と全然違いました。アメリカはすごく自由で、校則もほとんどなかったです。アメリカの先生に「なぜ校則がないのか」と聞いたら「子どもの権利だから、学校や大人が規制することではない」と言っていて、なるほどなあって思って。僕は日本の学校の “みんな同じじゃないといけない” っていう風潮に違和感を覚えていたので、すごく新鮮でした。

ふほう:なるほど。

そら:もちろん日本の教育にも良いところがたくさんあるんですけど、アメリカの自由で型にはまらない教育にも参考になる部分がたくさんあると感じました。アメリカの教育を近くで学ぶことができたのは大きな刺激になりました。

アメリカの高校の授業風景

アメリカの高校の授業風景

1万円でみんなの“やりたいこと”を応援!

ふほう:そらくんは今トップファンでも活動をしているけれど、どうしてトップファンの活動に参加しようと思ったの?

そら:二コリにあるミアキスのインターンに応募したことがきっかけでしたね。そのとき、ミアキスの卒業生でもある高村さんが作ったトップファンの活動を紹介してもらいました。様々なことを経験したり色んな視点から物事を考えたりできるようになりたいと思ったので参加を決めました。

ミアキスでのインターンで行ったイベントの様子

ミアキスでのインターンで行ったイベントの様子

ふほう:今はトップファンでどんな活動を行っているの?

そら:今は「ゆきちとすゝめ」という企画に携わっています。

ふほう:それはどんな企画なの?

そら:すごく簡単に言うと、やりたいプロジェクトに1万円の予算で挑戦してもらう企画です。

ふほう:何それ、面白そう!

そら:河原部社が運営している取り組みの一つに「たたた企画」という25〜35歳のコミュニティがあって、会員が毎月払う会費の一部を、僕たち15歳~24歳の世代に投資してくれるんです。25〜35歳の人のことを「次世代」、15歳~24歳の人のことを「次々世代」って呼んでいるんですけど、僕は次世代と次々世代の間に入ってサポートをしています。

ふほう:15歳~24歳なら誰でもやりたいことに挑戦できるの?

そら:誰でも手を上げることはできるんですけど、予算に限りがあるので、どのプロジェクトを進めるかは毎月の会員の投票で決まります。

ふほう:1万円っていう、若者でも身近な範囲で扱える金額にしているのが面白いね

そら:そうなんです。“やりたいこと”の大小問わず募集しているので、たくさんの人に応募してもらいたいです。

ふほう:なんでこの企画をやってみようと思ったの?

そら:僕自身“やりたいこと”が分からなくて悩んだ経験があったので、“やりたいこと”を見つける・考えるきっかけや、やりたいことに挑戦するきっかけがあればいいなと思って考えた企画です。

ふほう:ちなみに、そらくんは1万円でどんなことしたい?

そら:僕は塾に行けない子を集めて、場所を借りて、毎週勉強会を開きたいですね。あとは、ラーメンが好きなので山梨県で1番美味しいラーメンを決めるために、山梨県中のラーメンを食べつくしたいです(笑)それをSNSで発信して、山梨のラーメンの魅力を多くの人に知ってほしいと思っています!

ふほう:いいね。1万円で色々なことに挑戦できるね。

「子どもは素晴らしい」             

ふほう:今日は色々な話を聞かせてもらって、そらくんの教育に対する情熱がすごく伝わってきました。

そら:僕は本当に子どもが大好きで、子どもは素晴らしいと思っています。子どもは、僕たち大人が尊敬できるところをたくさん持っていると思います。

ふほう:そらくんはどんなときに子どもは素晴らしいって感じるの?

そら:子どもは僕たちが考えているよりもずっと大人で、きちんと自分の中に考えや意見を持っていたり、自分と違うものを素直に受け入れられたりできるんです。そういう子どもたちを見ると素晴らしいなって思います。

ふほう:子どもから学ぶことってたくさんあるよね。

そら:本当にたくさんあります。大人の基準で子どもを判断するべきではないと感じています。日本はもっと子供が尊重される世の中になったらいいなって思っています。

ふほう:そらくんがそんな世の中を作ってくれることを期待してます!

取材を終えて

今回の記事ではそらくんの教育への熱い想いや夢について知ることが出来ました。

そらくん自身の経験から学校外教育の場を自分で作っていきたいという夢を叶えるために、積極的に行動する力が素晴らしいと思いました。

また、そらくんは自分の意見をきちんと持っていて、「おかしい」と思うことを「おかしい」と言える、素直さや勇気を持っていました。私自身「おかしいな」と思うことがあっても言い出せず、いつも人の顔色を伺ってしまいます。そういう方は多いのではないでしょうか。

今回そらくんから刺激を受け、私ももっと多くのことにチャレンジしたいと思いました。

ぜひそらくんに子どもたちが過ごしやすくなる環境を作ってもらいたいです。そらくんの今後の活躍を楽しみにしています!