「年齢を問わず、真剣に遊べるみんなの居場所」|アダマススケートパーク(クラファン挑戦中!)

よりみちとは。
ふらっと寄りたくなるあの場所。ついつい会いに行きたくなるあの人。
韮崎で見つけた、身近なよりみちをお届けします。

今回訪れたのは、2020年11月22日(土)韮崎市一ツ谷にOPENした「ADAMAS(アダマス)スケートパーク」。

このパークは、スケートボードを通じて出会った若者3人で結成された、スケートボード集団「すけっちゃ」が運営しています。

平日の夕方にパークを訪れると、「やっほー」と元気に扉を開ける子どもや、「おつかれっすー」と声をかけながら入ってくるスーツ姿の男性など、様々な年齢の人が次々と姿を見せます

そして、あっという間に着替えを済ませると、勢いよくスケートボードに片足をかけ、颯爽とパーク内を滑り始める姿がとてもキラキラと輝いて見えました。

そんな風に学校や仕事の帰りにみんなが「よりみち」しているアダマススケートパーク(以下、アダマス)に、編集部の窪田と松野がお邪魔してきました。

子ども・初心者大歓迎のスケートパーク

大久保さん

出迎えてくれたのは、すけっちゃメンバーの一人、大久保勇生さん

窪田
今日はよろしくお願いします!実はOPEN前からYouTubeを見て気になっていたのですが、初心者だと入りにくいよなぁって思ってて...やっと来ることができました。(笑)

大久保さん
そうですよね。だけどうちは、そういう初心者の方や子どもたちにたくさん来てもらいたいなと思っているんです。

まだスケボーの楽しさを知らない人に楽しさを伝えていけたらなって。

窪田
スケボーってむずかしそうなイメージがあって...やってみたいけど最初の一歩を踏み出せない人もいるんじゃないかなって思います。

大久保さん
まさにその通りでして、スケボーは一人で始めても何をどうすればいいのわからなくて、おもしろさを知る前に心が折れてやめちゃう人が多いんですよね。

そこを乗り越えれば楽しい世界が待っているのに、やめちゃうのもったいないな〜てすごく感じていて。ここに来てもらえたら教えながら一緒に滑ることができるから、楽しさを知ってもらえるんじゃないかなって思います。

キッズスケータージャンプシーン

パーク内ではキッズスケーターたちが次々と技を決めていく

窪田
実際に利用されている方の中には初心者の方もいるんですか?

大久保さん
たくさんいますよ。5歳から50代まで幅広い年齢層の方が来てくれていて、一番多いのは子どもですね。

コロナで在宅ワークになったから最近スケボーを始めた40代や50代の方もいますし、子どもと一緒にスケボーを始めたママさんが夢中になって、ママ友を誘って練習に来ていたり。

窪田
40、50代やママさんも!何歳から始めてもいいんですね。まったく滑れない状態で来ても大丈夫なのでしょうか?

大久保さん
最初はみんな、まったく滑れないところからスタートしてます。みんなそのときの気持ちを知っているから誰も否定をしたりはしないし…むしろコツを教えてくれたりします。僕らはスケボー人口が増えるだけで嬉しいんです

松野がスケボーに挑戦している写真

編集部の松野も初めてのスケボーに挑戦!むずかしいけど乗れると嬉しい...!

スケートボードの魅力とは?

窪田
なぜ、スケボー人口が増えて欲しいと思うんですか?

大久保さん
山梨って近隣の県に比べてスケートパークも少ないし、スケボーに対して良い印象を持っている人が少ないような気がするんです。公園にもピンポイントで「スケボー禁止」って貼り紙が貼られていたりして。

窪田
え、そうなんですか?私はかっこいいというイメージが強いですが...

大久保さん
スケボーってイメージだけが一人歩きして『不良の遊びだ』とか『チャラい』とかって言われることが多くて。

だけど実際は、ひたすら自分と向き合って同じことをずっと繰り返す、めちゃくちゃ地味なスポーツなんです。痛いし、靴もすぐボロボロになるし、女の子にも全然モテない(笑)

窪田
確かに実際に滑っている様子を見ていて、何回も転んでは起き上がってを繰り返している姿が印象的でした。なぜそこまでしてスケボーに乗りたいって思うのでしょうか?

大久保さん
「練習してる時はできなくてイライラして、「何でこんなこと必死にやってんだろう」「もうやめてー」って思う時間も多いんです。でも、失敗した原因を考えては挑戦して、また失敗したら考えて…をひたすら繰り返して、やっと技ができたときの達成感は何にも代えられないんです。ほんと、最高ですよ。

窪田
だからスケボーの良さをもっと多くの人に伝えていきたいんですね。大人になってそこまで真剣に一つの遊びに取り組む機会ってなかなかないですよね。

子どもと大人が一緒にスケボーをしている写真

大久保さん
スケボーは大人も子どもも…老若男女問わず平等なところも良いところだなって思います。

他のスポーツだとどうしても、力があったり足が速かったりする大人が有利なことが多いけど、スケボーの技の難易度はみんな平等

だからこそ同じパーク内で一緒に滑ることができて、年齢関係なく「この技できる?」「これは?」と対等に話ができるんです。

窪田
なかなか対等にできるスポーツってないですよね。今日も年齢関係なくみんなで滑ったり、子どもたちが初心者の大人に技を教えたりしている様子を見て、素敵だなって感じました。

子どもが大人に教えている場面

子どもが大人に教えている場面。「そうそう、良い感じ!」とグッドポーズ

初めて松野にアドバイスする子どもたち

初めてスケボーに挑戦した松野にも子どもたちからのアドバイスが

アダマススケートパークができるまで

スケートパークをつくることを発表した日のYouTube動画から

窪田
すけっちゃのみなさんは、どうして自分たちでスケートパークをつくろうと思ったんですか?

大久保さん
僕たちがいつも利用していた甲斐市の「Kawakazeスケートパーク」が昨年の7月に閉鎖してしまって…。山梨のスケーターたちは気軽に滑れる場所がなくなって困っていたんです。

それなら、「自分たちで滑れる場所をつくろう」という流れでプロジェクトが始まりました。

窪田
どうやってこの場所を見つけたんですか?

大久保さん
『ある程度アクセスが良くて近隣に騒音問題で迷惑をかけないところ』という条件で県内の倉庫をひたすら巡っていたときに、元々メンバーの知り合いだった、この倉庫のオーナーさんが「うちを使っていいよ」と声をかけてくれたんです。

窪田
パーク内の設備は自分たちで作ったんですか?

大久保さん
そうですね。応援してくれる仲間の力を借りながら、全部自分たち作りました。3ヶ月くらいかけて準備して、去年の11月22日にオープンしました。毎日、色々な人が滑りに来てくれるのですごく楽しいです。

利用者が語るこのスケートパークの魅力

お客さんとして来ていた村松さん

この日お客さんとして子連れで来ていた村松さん

村松さん
横からごめん。ちょっと僕も喋っていい?(笑)

大久保さん
お(笑)どうぞどうぞ。村松さんはお子さんと一緒にスケボーのYouTubeをやってるパパさんなんです。

窪田
ぜひ、利用者の声を聞かせてください!

村松さん
これまで子どもを連れて色々なパークで滑ってきたんですけど、子どもたちに「どこに行きたい?」って聞くと「アダマスに行きたい」って言うんですよね。

ここに来れば彼ら3人の内の誰かが一緒に滑ってくれるので、子どもたちは「彼らと滑りたい」って思うんじゃないかな

窪田
一緒に滑ってくれるお兄さんたちがいるのが嬉しいんですね。

村松さん
彼らは優しくて面倒見がいいから子どもたちに好かれるんでしょうね。それでいて実力もあるから、普段一緒にふざけていてもバーンと技をやって見せると「やっぱりすごい...」って尊敬されてますし

大久保さん
いやいや、そんな実力ないっすよ。(笑)でも、子どもたち、まじでかわいいんですよね。頑張ってるから心から応援したくなります

受付をしている子を見守る大久保さん

受付をしている子を見守る大久保さん

村松さん
子どもの頃から大人とフランクに関われる場所があるのっていいですよね。そして1日500円という価格設定もありがたいです。

うちは週に2回来ているので、ボードや靴の買い替え代を合わせて、何か習い事させるのと同じくらいの金額なので助かってます。」

大久保さん
500円は、正直ほぼ利益なしです(笑)でも、気軽に何回でも滑りに来てほしいし、初心者でも挑戦しやすい価格にしたいなと思ってこの価格にしています。

村松さん
僕は利用者側ですが、この先もこのパークが「みんなの居場所」になっていくんじゃないかなと思います。子どもたちが大きくなったときに、フラッとここに「ただいま」って顔を出したり、親と喧嘩したときに逃げ込んだりできるような(笑)

大久保さん
そんな場所になっていったら嬉しいですね。

子どもたちのため、クラウドファンディングに挑戦中!

大久保さん
実は今、120cmのランプを新しく作るために、クラウドファンディングに挑戦していまして。

窪田
ランプってこのカーブしてるやつのことですか?

80cmのランプ

大久保さん
そうです。今うちにあるランプの高さは80cmなのですが、子どもの大会の規定サイズが120cmなんです。年に1度小学6年生までの全国大会があるんですけど、キッズスケーターたちの多くはそこを目標に頑張っていて。

窪田
120cmのランプがあれば、子どもたちが大会に向けて練習できるんですね。もしかしたらここからプロのスケーターが誕生するかもしれませんね!

大久保さん
そうなったらすごいですよね。もちろん120cmのランプは大人も使えるので、完成したらみんなで楽しめると思います。

窪田
それはぜひ応援したいです!

大久保さん
よろしくお願いします!

窪田
今日はありがとうございました。知らない世界を覗くことができて、すごく楽しかったです。

大久保さん
こちらこそありがとうございました。またいつでも遊びに来てくださいね!

よりみちの帰りみち

アダマスを出て車に乗った私たちは、2人とも少し興奮気味。

「すごくいい場所だったね」「全然敷居高くなかったね」と感想を語り合いながら、すっかり日が暮れた韮崎のまちを帰りました。

頭に浮かんでくるのは、さっきまで見ていたみんなのいきいきとした表情

学校や家以外に、年齢も立場も関係なく集まった仲間たちと思いっきり遊べる場所があるのって、何だかすごく羨ましいなぁと感じました。

木片を一つ置いただけでそれを飛び越える新しい遊びが始まって、子どもも大人も一緒になって何度も繰り返し挑戦していて...そこに目的なんて無くたって、ただ楽しいというだけで十分な理由になるということを、久しぶりに思い出した気がしました。

このパークで育った子どもたちは、「大人になっても真剣に遊んでいい」ということを知っている大人になるのでしょう。そして自分がそうされてきたように、未来の子どもたちにいろいろなことを教えてくれる、頼り甲斐のある大人になるのだと思います。

そんな良い循環の拠点、新しいみんなの居場所「アダマススケートパーク」に、みなさんもぜひ、気軽によりみちしてみてください。

 

ADAMAS(アダマス)スケートパーク