韮崎市富士見の十字路の角に「アイミニストアー&レストラン」というフィリピン料理のお店ができました。
少し前までは“フィリピンズストア”として営業しており、私はその頃から「ここはどんなお店なんだろう?」と気になっていました。
しかし、異国の雰囲気が漂うそのお店に入るのには、なかなかの勇気が必要…。足を運べないまま数年が過ぎ去ったある日、車でお店の前を通りかかると、看板が「アイミニストアー&レストラン」に変わっているのを発見しました。
「レストランも始めたのか!」と新たな展開に驚いていたところ、タイミングよく友人たちに「今度あのお店へ行ってみようよ」と声をかけられ…ついに足を踏み入れることになったのです。
約束の日までの間に「今度あそこに行ってみることになったんだ!」と周りの人々に話すと、「行ってみたいと思ってた!」「ぜひレポートして!」とみんなも興味津々の様子。
「やっぱり気になるよね」と頷きながら、ついにその日を迎えました。一体、元フィリピンズストアである「アイミニストアー&レストラン」は、どんなお店なのでしょうか?
目次
日本語OK!明るい店員さんとキュートなキッズがお出迎え
「ついに店内へ…!」というワクワク感と、「もしかしたら日本語が通じないかも…?」という不安感の両方を胸に、思い切って入店しました。
「いらっしゃいませ〜!」と元気に出迎えてくれたのは、フィリピン人の店員さん2人と可愛らしいお子さん。日本人が来たことに驚いている素振りも特になく、ウェルカムな空気感に一安心です。
「奥の席へ」と日本語で案内され、席に着きながら辺りをキョロキョロ。
紐でキュッと中心を縛った赤いカーテンや蛍光灯の強い光りなどが異国の雰囲気を醸し出していて、まるでアジアへ旅にきたようなドキドキ感。
店内に積まれた段ボール箱を見ても、書かれているのは外国語ばかり。現地の商品を輸入していることがわかります。
元気いっぱいなお子さん(あいちゃん)は、ぬいぐるみを持って自由に店内を駆け回ります。時々靴が脱げても気にせずに走り回るパワフルガールで、人懐っこく寄ってきてくれるので、初来店の緊張も和らぎます。
写真付きで安心!気になるメニュー表をチェック
メニュー表を見てみると、思っていたよりも料理数が多いことにびっくり!
写真と英語で書かれた料理名を頼りに、注文する料理を決めていきます。
何となく味を想像できるものもあれば、ピンとこないものもたくさんあります。写真があることで料理の見た目のイメージが湧くので、少し安心感があるのがありがたい…。
「おすすめは?」と店員さんに質問すると、「日本人の友達、みんなこれ好き」「これ、酸っぱい」など、カタコトながらも伝わりやすい日本語で説明してくれました。
3つの料理とビールを注文し、期待に胸を膨らませながら料理が運ばれるのを待ちます。
「?」がたくさんの待ち時間がたまらなく楽しい!
注文後すぐに運ばれてきたのは、ピリッと辛いナッツ菓子。中央にはよく菓子袋に入っている脱臭乾燥剤が突き刺さしてあり、その見たことのない提供スタイルに思わず笑みがこぼれます。
「袋から勢いよく出したのかな?」「あえて毎回このスタイル?」「これは居酒屋でいう“お通し”みたいなもの?」と、たくさんの「?」を頭に浮かべながらナッツを頬張ります。
おそらく日本のお菓子ですが、しっかり辛くてビールが進みそう!
この日初めて見た2種類の缶ビールは、フィリピンのビールマーケットの約90%のシェアを誇る「サンミゲル社」のライトとレッドホースでした。
ライトはアルコール度数5%で軽い口当たり。レッドホースはアルコール度数8%で、ホップの苦味と渋みを感じる芳醇な味わい。アジアのビールらしいスッキリとした後味で、どちらもおいしかったです。
そして次に届けられたのは、まさかのみかん…!
「まだ時間かかるから先にみかんでも」というニュアンスで手渡されましたが、みかんってデザートだよね!?という日本人の感覚から抜け出せず、とっておいて食後に食べることに。けれど、そのお気遣いは嬉しい。アットホームな雰囲気に「ここは親戚の家…?」という感覚が徐々に芽生えてきます。
料理を待つ間は、人懐っこいあいちゃんとの戯れタイム。まるで親戚の子どもと遊んでいるようなほっこりした時間を過ごせます。
子どもが店内で自由に過ごしている光景も、日本ではなかなか見かけないので新鮮です。
いざ実食!果たしてお味は…!?
そしていよいよ、お待ちかねの料理が運ばれてきました。
初めてのフィリピン料理。さて、どんな味なのでしょうか?
にんにくたっぷり!BUTTERED SHRIMP(バターシュリンプ)
注文の際に一番味を想像しやすかった「BUTTERED SHRIMP」ですが、にんにくのたっぷり具合が想像の斜め上をいっていました。大量のにんにくとバターが染みたエビはジュワっとおいしく濃厚な味わい。殻ごと頬張れば、塩っけが強くてビールが進みます。
白米によく合う!GINISANG GULAY(ギニサンググレイ)
「GINISANG GULAY」は、GINISANGはソテー、GULAYは野菜という意味で、日本でいう野菜炒めのこと。
いんげんと豚肉の炒め物は一見日本料理のようですが、食べてみるとナンプラーのような異国の味がします。しっかりめの味付けで、ご飯の上にのせてガッとかきこみたくなります。いんげんの“キュッ”とした食感が食べていて楽しい。
酸っぱいスープがクセになる!PORK SINIGANG(ポークシニガン)
「日本人に人気だよ」とおすすめされて注文した「PORK SINIGANG」は、フィリピンの代表的な家庭料理のひとつ。シニガンとは、フィリピンで主に獲れるタマリンドという果実を使用して酸味を効かせたスープのことです。
唾液を誘発する酸味にナンプラーの味も加わり、日本では体験したことのない不思議な味わいでクセになります。素材のうまみが詰まったスープは、身体を芯から温めてくれました。
事前にライスセットの確認をしよう
注文するのを忘れていましたが、何も言わずとも料理と一緒にライスも運ばれてきました。塩気の強いメニューが多いのでライスがあると良いと思いますが、「お酒を飲むからライスはいいかな」というような場合は、事前に伝えるようにしましょう。
見慣れないパッケージにワクワク!アジアの食材や日用品が揃うストア
たっぷり食べて満足したあとは、お店の奥にあるストア部分を探索してみました。
気分はまるで、旅先のスーパーマーケットに来たかのよう。食材の使い方やフィリピンの人の暮らしを想像しながら、ぐるっと一周見て回ります。
日本のスーパーでは見かけないものがたくさん売られていて、眺めているだけでも楽しかったです。
実は日本人のお客さんも多く通っているお店だった…!
「アイミニストアー」という名前は、「小さなあいちゃん」にちなんで付けた名前なのだそう。家族の温かさが溢れるこのお店は、思っていたよりもずっと居心地のよいお店でした。
「常連のお客さんもけっこういるのかも?」と思い尋ねてみると、やはり常連さんが多く、日本人のお客さんも何人もいるとのこと。お話を聞いて、「あんなに恐る恐る入る必要はなかったんだな」と感じました。勇気を持って一歩踏み出してみて良かったです。
よりみちのかえりみち
食事もストアも満喫し、すっかり満足した私たち。お店を出ると店員さんとあいちゃんが、にこやかに手を振ってお見送りしてくれました。
このお店で過ごした時間は驚きや笑いに満ちていて、とても楽しかったです。
そしてフィリピンの家庭料理もおいしかったです。
ぜひ足を運んで、東南アジアへのプチ旅行気分を楽しんでみてください。
「アイミニストアー&レストラン」基本情報
- 山梨県韮崎市富士見2丁目12-26
- 電話番号:0551-45-7288
- 営業時間:10時30分〜21時
- 定休日:火曜日