イチオシ「ラムのSpiceカレー」がクセになる!趣のある空間でノスタルジックなひとときを|古民家カフェ トロッコ

2021年8月、若宮神社の脇道を少し上がったところにできた「古民家カフェ トロッコ」は、ラム肉がたっぷり入ったおいしいカレーや焼きたてパン、スイーツなどが楽しめるお店だ。

築100年越えの古民家をフルリノベーションした店内は、ひんやりとした畳の感触や吹き抜ける風が心地よく、まるでおばあちゃんの家にいるようなほっとする場所。

どれを食べても間違いのなし!のおいしい料理を食べながら、日本の古き良き文化に思いを馳せる。そんな素敵な時間を過ごしたくて、「トロッコ」に、よりみちしてきた。

笑顔が素敵な店主の有希さん

有希さん
「トロッコ」を営んでいるのは、2019年2月に家族と共に韮崎に越してきた、移住者の井上有希さん

製菓・製パンの学校を卒業した有希さんは、長年東京で飲食に携わる仕事をしていた。
震災後に旦那さんの達也さんから「地方で暮らす」ことを提案されたのをきっかけに、移住を決意。さまざまな地域に足を運び、最終的にたどり着いたのが韮崎のまちだった。

有希さん:「東京に近く災害が少ない山梨に惹かれて、自治体の『お試し住宅』などを利用しながら、県内の地域を見て回りました。その中で、韮崎の暮らしやすそうな雰囲気や、『にらちび』などの子育て支援環境に惹かれて、“このまちで暮らしたい”と思ったんです。

古民家の外観 そんな有希さんが達也さんと共に、トントン拍子で見つけた築100年越の古民家は、上がってすぐの部屋がトロッコのカフェスペースに、奥の部屋は達也さんが営む「おけたく指圧院」の施術室になっている。


私は、井上さん夫妻が物件探しをしているときに、韮崎のまちなかで何度かお2人とお話したことがる。お2人から滲み出る人柄の良さに触れて、「こんなに素敵な人たちが韮崎にきてくれるなんて嬉しいな」と感じていた。

その時に有希さんが「いつか指圧院の隣でカフェをやりたい」と話していたので、お店がオープンするのを密かに楽しみにしていたのだ。

どれを食べても絶品!トロッコのメニューをご紹介

トロッコのご飯メニューは、固定と週替わりの2種類がある。どちらも魅力的で、さらにデザートも絶品なので、お腹をペコペコにして行くことをおすすめしたい。

クセになるおいしさ!「ラムのSpiceカレー」

ラムのSpiceカレー
トロッコの定番メニューは、南インド系のトマトベースのスパイスカレーに、やわらかく煮込まれたラム肉がゴロゴロと入った「ラムのSpiceカレー」

「とにかくラム肉がだいすき」な有希さん。ラム臭さを消して食べやすくするというような加減は一切なし。ラム特有のくせのある味を、思いっきり楽しむことができる一皿となっている。

小瓶に入って提供されるガラムマサラをふりかけると、辛さとスパイスの香りが足されてより本格的な味わいに。これがまた、美味なのだ...。

ラム好きなら、ぜひ一度は味わってもらいたい!そんな一品だ。

山梨の旬の食材を使った週替わりメニュー

有希さんの気まぐれで内容が決まる週替わりメニューは、野菜、果物、お米などが美味しい山梨で採れた旬の食材を使うことを心掛けてつくられている。


私が訪れた日のメニューは、「生ハムとクレソンのフォカッチャサンドイッチ」
有希さんがその日の朝に焼き上げた塩気の効いたフォカッチャ、生ハム、たっぷりと入ったクレソン、パルミジャーノチーズの組み合わせが、びっくりするほど美味しかった。

ちなみに今週(9月最終週)のメニューは、「鶏しそつくねと栗おこわ」だそう。そんなの、絶対美味しいに決まっている...。

カレーもおすすめだが、季節の食材を美味しく食べられるように有希さんが考案する週替わりメニューも要チェックだ。

思わず笑顔になること間違いなしのデザートメニュー

デザートの写真
用意されているデザートメニュー5種類。どれも美味しそうで、決めるのに、ついつい時間がかかってしまう。

この日は、悩んだ末、クリームブリュレとレモンのパウンドケーキを注文。

パクッと頬張ると、やさしい甘みが口の中に広がり、思わず頬が綻んでしまう...。

コクテール堂の豆を使ったコーヒーとの組み合わせもバッチリで、昼過ぎにのんびりお茶をしにくるのもいいかもと思った。

古き良きものを大切にした、ノスタルジックな雰囲気の店内

店内の写真
IROHA CRAFTがリノベーションを手掛けたトロッコの店内は、流れた長い年月を感じさせる、古民家ならではの趣が残された空間

最初から、新築ではなく古民家でカフェをやりたいと思っていた有希さんは、古いものが持つ佇まいに心惹かれるそうで、お店の至る所で、古き良きものを大切にする有希さんの想いが感じられる。


床板を剥がし、有希さんがずっと憧れていたという土間をつくった厨房部分
剥がした床板は、至る所に再利用されているそうで、そんなリノベーションについてのエピソードを聞くのも楽しい


古時計がゴーンと鳴り響く音は、趣深くてどこか懐かしい気持ちになる。


食器類は、有希さんのお母さんが長い年月をかけて集めてきたもの。

有希さんの古いものを大切にする姿勢やセンスの良さは、お母さん譲りなのかもしれない。

1人でのんびりしたい人におすすめの縁側席

縁側席
「子どもからお年寄りまで幅広い世代にくつろいでもらいたい」という有希さんの想いが詰まったこの空間にいると、まるでおばあちゃんの家に来ているような温かな気持ちになる。

中でも私がとくにおすすめしたいのは、心地よい風が吹き抜ける縁側席だ。

ここで、のんびりとカレーを食べたりコーヒーを飲んだりしたら、その日はもうそれだけで、幸せな1日だったと感じることができるだろう。

よりみちのかえりみち


トロッコの店内は、「できることならば日が暮れるまでここで過ごしたい...」と思うくらい、居心地がよかった。

それは、古民家が持つ温かな雰囲気の力はもちろんだが、店主の有希さんの人柄や、明るい笑顔の力によるところも大きいのだと思う。

毎日提供している唯一の固定メニューが、得意・不得意が分かれそうなラム肉のカレーというところも、尖っていて最高だ。

また一つ韮崎に素敵なランチタイムを過ごせる場所ができたことがうれしくて、事務所のあるアメリカヤまでの帰り道は、ルンルン。おかげで午後の仕事も頑張れそうだ!

「古民家カフェ トロッコ」の基本情報

  • 所在地:山梨県韮崎市藤井町南下條1546
  • 営業時間:9時30分〜15時30分
  • 営業日:火・水・木曜日
  • Instagram:@torocco_cafe