2022年10月1日、韮崎中央商店街にある「Pizzeria seiotto」がグランドオープンを迎えました。
ナポリピッツァのセオリーに準じて薪窯で素早く焼き上げるピッツァは、程よいもっちり感のある生地にイタリア産チーズ、山梨県産野菜、きのこなどがバランス良くトッピングされ、ほっぺが落ちるおいしさ。
さらに、夜の時間帯はピッツァのみならず、炭火で焼き上げるお肉やアラカルトとお酒を一緒に楽しむことができるんです。
そんな素敵な、このお店の噂は、8月のプレオープン時からすぐに広まってゆき、市外の方と話していると「韮崎にできたピザ屋さんに行ってみたい!」と話題に上がることもしばしば。
これからクリスマスや忘年会シーズンを迎え、さらに人気が高まることが予想されます。
今回のよりみちでは、今注目のお店「seiotto」店主の金子健也さんに、ナポリピッツァの奥深い魅力やこだわりについてお聞きしました。
目次
10年以上の修行を積んだ店主がオープンした「Pizzeria seiotto」
seiotto店主の金子健也さんは、南アルプス市出身。学生時代にアルバイト先でピッツァづくりの魅力を知り、東京のイタリアンのお店で10年以上修行を積みました。その後、山梨にUターンし、気になる物件と出会った韮崎でお店をはじめました。
店舗の改装は、物件を紹介したイロハクラフトが担当。もともとのレトロさや無骨な雰囲気を生かしつつ、金子さんが好きな黄色とグレーをコンセプトカラーとしたスタイリッシュで居心地の良い空間が誕生しました。
イタリア製の薪窯で焼き上げる本格ナポリピッツァ
seiottoのピッツァは約500度の温度にコントロールされた薪窯で、約90秒という短時間で焼き上げられます。そうすることで、外はカリッとしていながら中はモチモチという、ナポリピッツァならではの食感を生み出せるそうです。
それを可能としているドーム型の大きなピザ窯は、ステファノ・フェラーラ・フォルニ社というイタリア発祥の老舗ピザ窯メーカーのもの。
金子さんこだわりの小さなタイルが敷き詰められ、まるでミラーボールのようにキラキラと照明を反射し、堂々とした存在感を放っています。
この窯でどのようなピッツァが焼かれているのでしょうか?さっそくメニューをご紹介していきます!
どれを食べてもおいしい!バラエティ豊かなピッツァメニュー
seiottoで提供しているピッツァは、大きく分けて「ROSSO(トマトベース)」「BIANCA(チーズベース)」の2種類に分かれています。
水牛チーズの深い味わいが感じられる「マルゲリータDOC」
金子さんの一押しは、「水牛モッツァレラとプチトマトのマルゲリータD.O.C」。水牛という黒い牛のフレッシュチーズを空輸して使用しており、乳牛のチーズとは異なる深い味わいが感じられます。
チーズを最大限楽しむためにトマトソースの量にもこだわっているそうで、チーズ好きにはたまらない絶妙なバランスの一枚。
山梨県産の旬野菜の味と食感を楽しめる「ンドゥイア旬野菜」
9月にランチに来たときに食べた「ンドゥイア旬野菜」は、その季節の旬野菜がたっぷりトッピングされた、彩り豊かなピッツァでした。さまざまな野菜の味や食感の違いが感じられ、楽しく食べ進められます。
レギュラーメニューではありませんが、このようにその時々のおいしいものを使ったピッツァメニューもあるので、黒板に書かれた期間限定メニューにも注目です。
子どもにも大人気!親しみやすさ抜群の「バンビーノ」
コーン、イタリアンハム、モッツァレラ・グラナパダーノチーズがトッピングされた「バンビーノ」は、小さな子どもも大好きな親しみやすい味わいのピッツァ。
他のピッツァと同様に薪窯で焼かれた香ばしいモチモチ生地にコーン、ハム、チーズという定番の組み合わせなので、もちろん大人が食べても間違いのないおいしさです。
夜限定!お酒にぴったりなアラカルトメニュー
seiottoは木・金・土の3日間のみ、夜の部もオープンしています。外のネオン管が輝き、よりお洒落な雰囲気が高まる夜の部では、なんとピッツァのみならず、小皿料理、前菜、フリット、さらには炭火で焼いたお肉まで味わうことができ、昼とはまた違った魅力がいっぱい詰まっています。
徳島県産コショウダイのカルパッチョ
その時々の旬な魚と野菜を使用するカルパッチョは、彩り豊かで見た目も楽しめるメニュー。取材日はレモンドレッシングと人参のピューレソースがアクセントに使われていて、プリプリのコショウダイとシャキシャキ野菜との組み合わせが最高でした。
焼き白菜とイタリアサラミのサラダ仕立て
運ばれてきたときに思わず「すごーい!」と歓声を上げてしまうインパクト大の「焼き白菜のサラダ」は、香ばしい焼き白菜、イタリアサラミ、ゴルゴンゾーラチーズが香るシーザードレッシングを一緒に楽しむメニュー。
意外な組み合わせですが相性抜群で、芯まで柔らかく火が通った4分の1サイズの白菜を最後までおいしく堪能できます。
牛ハラミの炭火焼き 自家製フライドポテト添え
「お肉をおいしく焼くのにも自信がある」という金子さんがその実力を見せる炭火焼きの肉料理も、ぜひ夜の部で味わってもらいたいメニューの一つ。
今回食べた「牛ハラミの炭火焼き」は焼き加減と塩加減が絶妙で、お肉が持つおいしさが最大限に引き出されていました。
イタリア産のワインやビールに合う料理をいくつか味わい、〆にピザをシェアして食べれば心もお腹も大満足。まだまだ気になるメニューがあり、次は何を食べに来ようかな?とワクワク。リピーターが多いというのも納得です。
1枚食べても飽きさせない!ピッツァの美学を追求
良質な食材を組み合わせて、最高の1枚を
seiottoのピッツァは、飽きることなく1枚ペロリと食べ切ることができるおいしさ。
実は、この“1枚食べ切れる”というのは重要なポイントなのだと金子さんは言います。
金子さん「均一にトマトソースやチーズを乗せると、ずっと同じ味で飽きてしまうんです。たまにトマトソースが少ないところがあったりチーズが多いところがあったりと味にコントラストを出すことで、“1枚を飽きずに食べ切ってもらう”というのがピッツァの美学なんです」
ピッツァづくりに誇りを持っていることが感じられるイキイキとした表情で、熱く語る金子さん。「1枚のピッツァ上に、そんな配慮があったとは…」ピッツァづくりの奥深さに感心していると、さらに続けてナポリピッツァの定義や魅力について金子さんは話してくれました。
金子さん「ナポリピッツァは、生地は水、塩、イースト、粉のみのシンプルな組み合わせでつくること、粉、モッツァレラチーズは100%イタリア産を使用することなど、細かく定義が定められています。定義に準じたピッツァづくりをしながら、別の部分でいかに個性を出していくかが、職人の腕の見せどころなんです」
細かく定義が定められている中で、金子さんはどのように個性を演出しているのでしょうか?
金子さん「イタリア産の粉やチーズだって、使うものによって味も全然違ってきますし、土地が変われば水も変わります。
それに山梨に戻って、鮮度の良い旬の野菜やきのこが安く手に入ることに感動しました。今は卸から買う量を減らして、自分で道の駅などに足を運んで食材を揃えています。
どんな食材をどう組み合わせて、どのような1枚をつくりあげるのか。ナポリピッツァづくりは本当に奥が深いですよ。10代の頃に初めてピッツァをつくったときのワクワクした気持ちと、36歳の今の気持ちに全く違いはありません。ずっとハマっている感じで、この先も飽きることはないんじゃないかなと思います」
金子さんの言葉からは、本当にこだわりを持ちながら、そして自身が楽しみながらピッツァをお客さんに提供していることが伝わってきます。
この熱い想いが、ピッツァや接客を通して多くの人に届くからこそ、 seiottoのファンが順調に増えているのだろうなと感じました。
韮崎の人の生活に寄り添うピッツァを目指して
“ピッツァ”というと若いお客さんが多いイメージですが、ご年配のお客さんもたくさん足を運んでいるというから驚きです。
金子さん「平日は若者よりご年配の方が多いくらいです。平気で一人一枚平らげていくんですよ。おじいちゃん・おばあちゃんがお店に座っておいしそうにピザを食べている姿を見ると、幸せな気持ちになります。本当に良いお客さんばっかりで、みなさんに支えられていると思っています」
すでに老若男女に愛されるお店になっている seiotto。最後に金子さんは、今後の目標を語ってくれました。
金子さん「これからイベントごとの多い季節になるので、多くの方にうちのピッツァを食べてもらえるチャンスなんじゃないかなと思います。足を運んでいただきさえすれば、満足させる自信はあります。そうして、韮崎に住む方々の生活の一部に seiottoがあるようになっていったらいいなと思います」
よりみちのかえりみち
お店を出て「SEI OTTO」の文字が黄色く光るネオン管を見上げ、「こんな風にシティな雰囲気の中でおいしいピッツァや料理が味わえるお店ができて本当に嬉しいな」と思いました。
韮崎にはピッツァのチェーン店すらなかったため、まちのみんなも喜んでいるだろうなと思います。
若者だけではなくご年配の方も通っているというエピソードも素敵で、老若男女みんなが一緒に楽しめる空間がこれからも韮崎のまちに増えていけばいいなと感じました。
そして何より、金子さんにお聞きしたピッツァづくりの奥深さにはびっくり。心から楽しそうにピッツァのことを語る金子さんが、こだわりを込めてつくるピッツァは、おいしいに決まっています。
知れば知るほど好きになる、 seiottoはそんなお店だなと感じたので、みなさんもぜひ足を運んで、ピッツァを頬張りながら金子さんとお話しを楽しんでみてください。
「Pizzeria seiotto」の基本情報
- 所在地:山梨県韮崎市一丁目4-29
- 営業時間:ランチ 火曜日〜日曜日11:30-14:30(L.O14:00)
ディナー 木・金・土17:30〜21:00(L.O20:30) - 定休日:月曜日
- SNS:Instagram(@pizzeria.sei.otto)