韮崎市本町通りに面した黄色いカラーが印象的な『ジェラート屋mucu』。この店のオーナーである大谷里菜さんは、ご主人と2人のお子さんとともに2024年3月に韮崎市へ移住してきました。
大谷さんのご出身は岡山県ですが、直近の約6年間は東京での生活だったといいます。ご結婚や出産を経て、お子さんの小学校入学のタイミングである2024年に山梨県への移住を決意されました。
そして同年5月に、市内に『ジェラート屋mucu』をオープン。移住から開業までの道のりや、韮崎市での暮らしについてお話を伺いました。
親切な対応とご縁がつないだ新店のオープン
光が差し込むイートインスペース
――ジェラート専門店を始めようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
最初のきっかけは「興味」です。ジェラートを食べたときに「どうやって作っているのだろう…?」って。素材や製造が気になり、興味本位で自宅近くのジェラート店で働き始めたんです。
そこからジェラートの魅力にハマり、自分で作ってみよう!と考えるようになりました。勤務先で製造方法や素材の仕入れなどを学び、2021年に東京で販売を始め、移住を機に韮崎市でオープンすることになりました。
――ジェラートのこだわりポイントはありますか?
mucuのジェラートは、保存料、着色料、卵を使用していません。素材の味を大切にしたジェラート作りを心がけています。
また韮崎市の老舗である井筒屋さんのみそや南アルプス市の果物など、山梨の良い物も取り入れていますよ!自分で直接農家さんに交渉して一番おいしい時期に仕入れているので、フレッシュで香り豊かなジェラートに仕上がっています。
車で10分ほどの場所にある農園で作られたイチゴを使用
お好みのサイズを選べる
――人気のフレーバーはありますか?
定番はジャージーミルク、人気なのはやはり季節のフレーバーですね!今の時期ですとイチゴが人気です。一部の季節限定フレーバーはテイクアウト商品として保存できるものもあるので、シーズンを過ぎても楽しめますよ。
種類が豊富なテイクアウトもおすすめ
子育て環境を求めて山梨へ
子育てをしながらジェラート店を営む大谷さん
――山梨県への移住を決めたきっかけを教えてください。
子どもたちを通わせたい学校が山梨にあったんです。一番のきっかけは学校ですが、私自身もずっと自然の中での暮らしを求めていたんですよね。東京にずっといることは考えていませんでした。
ただ教育環境を第一に考えて山梨に来たので、夫婦ともに全く土地勘はなく……(笑)。何度か足を運んで、距離感や住環境を確認しました。
複数の希望が叶うと感じた韮崎市
お知り合いが制作したというインパクトのあるインテリア
――山梨県の中でも、なぜ韮崎市を選ばれたのですか?
住まいや店舗の場所を探すために、移住前に何度か山梨を訪れていました。南アルプス市や北杜市も検討しましたよ。子どもたちの通学や店舗営業のことを考えて、いろいろと条件が満たされそうだったのが韮崎だったんですよね。
希望する学校からの距離はもちろん、店舗を構えるのに向いている街かどうかも重視しました。特に人通りや目立ちやすさは大切なポイントでした。
――店舗物件はどのように見つけたのですか?
店舗の物件は商工会の方に相談したところ、場所の紹介や交渉などいろいろと進めてくださったんです。本当に助かりました。移住者にとって地元の情報や人脈は貴重なので、そうした面でのサポートは大きな支えになります。
街の人の温かさ。不思議と馴染める人の温かさのおかげ
来店するお客様も気さくで優しい人ばかりだという
――韮崎市での暮らしはいかがですか?
関わる方みんなが温かく、優しいです。近隣のお店の方とはお互いにお店を行き来しますし、ふらりと寄ってくれる街の方たちも本当に温かいですね。
土地勘もなく知り合いもいない場所に来たのに、疎外感もなくすぐに馴染むことができました。まだ来たばかりではあるけれど、不思議と安心感があるんです。
――韮崎に住んでみての感想を教えてください。
居心地がいいですね。程よくゆったりとした空気感があって、実際に来てみて感じる魅力が多いと思います。移住を検討している方は、一度足を運んでみるのがおすすめです。
韮崎のサポートの手厚さも魅力
――移住するにあたって活用した市や県の制度はありますか?
はい。移住支援金や起業支援金、空き家バンクのリフォーム補助金を利用しました。
中でも起業支援金は助かりましたね。やっぱり店舗を持つとなると初期費用がかかりますから……。サポートいただけるところは頼って、自分たちでできることは周りの方たちに協力いただきながら整えましたよ。白い壁や黄色いサッシなどは自分たちで塗ったんですよ!
韮崎市では、移住に関わる相談や制度など、各種サポートが充実しています。詳しくは韮崎市公式ホームページを参照ください。
日々のちょっとした楽しみにmucuのジェラートを
ゴールドのおしゃれな看板が目印
――ジェラート屋mucuをオープンしてもうすぐ1年になりますね。今後はどのようなお店にしていきたいですか?
ジェラート専門店って少し入りにくい印象がないですか?そういったイメージを払拭できるような気軽に立ち寄れる店にしていきたいですね。
mucuのジェラートが毎日のちょっとした楽しみになれるように、これからも頑張っていきたいと思います。
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店舗で取材中、ふらりと大谷さんの子どもたちが顔を出してくれました。可愛い笑顔と素直に甘える子どもたち。そしてやわらかい笑顔で抱き寄せる大谷さんに心が温まりました。
子育てや住環境において魅力のある韮崎。家族思いの大谷さんが作るジェラートは、今後も街の人をはじめ多くの方を笑顔にしていくと期待しています。
『ジェラート屋mucu』の基本情報
- 住所:山梨県韮崎市本町2丁目9-27
- 営業時間:12:00~17:00
- 定休日:月・火・水・日
※詳しくはInstagramをご確認ください - Instagram:https://www.instagram.com/gelato_ya_mucu/